雨が降る?降らない?
「やさしい日本語」では、あいまいな表現を避けるようにしています。
数年前の天気予報で、動画サイト2本に出てきた表現が以下です。
降る とみられています。
降る 恐れがあります。
降る 可能性があります。
降る 危険性が高まっています。
降る 状況です。
降る ところがありそうです。
降る ことが予想されています。
どこで降ってもおかしくない状況です。
私たち日本人は、同じ内容でもできるだけ表現が重ならないようにと、国語教育で学んできました。同じ表現ばかりだと、稚拙な文とみられるのです。
単調な表現にならないよう、比喩や倒置法を駆使し、文全体としても、工夫を凝らします。さらに、下のように違いがわかりにくい表現も多い。
地震が起きた 地震が起こった
地震があった 地震が発生した
日本語を勉強している初級の外国人にとって、「起きた」と「あった」は全く違う意味かもしれないと、程度が異なるのかもしれないと思って、辞書で調べる必要が出てくる。だから!下手に表現をいろいろと工夫しない、言葉の「ゆれ」を少なくして統一する「やさしい日本語」の考え方は大切だと思うんです。
雨が降る 津波は来ます
雨が降らない 津波は来ません
雨が降るかもしれない 津波が来るかもしれません
情報を伝えるには、この文末表現で十分ではないでしょうか。
災害時には、「くる」か「こない」、〇か✕か、YesかNoかを明確に伝えることが大切だと思います。