フリマでモノの値段(価値)が壊れていく?
メーカー ⇒ 卸売業者 ⇒ 小売業者 ⇒ 消費者
卸売業者と小売業者の違いは、販売先が業者か消費者かですが、卸売業者は、取引の規模や在庫管理、物流などを集約してくれるので、大口から小口に至る様々な規模の小売業者さんは、消費者に向けて商品を滞りなく販売することが出来ます。
しかし今や、農産物からファッションに至るまで、多くの業界でメーカー(製造業者)が直接小売に卸したり、直接消費者に販売する形が増えています。
消費者へ直接販売できれば、メーカーの利益は大きくなり、しかも消費ニーズに即した商品を安く、早く、提供できることになります。
ならば、インターネットによってグローバル化した社会では、卸売業者は不要になるかと言えば、さにあらず。
メーカーが物流と在庫を管理するには膨大な資本投下が必要です。直接売るために、製造とは関係のない分野にエネルギーを注がねばなりません。やはり、物流インフラを備えた中間業者は不可欠の存在となります。
そしてまた、消費者と直接つながり、ニーズを拾い上げていく小売事業者の存在も重要ですよね。ある場面では小売事業者かもしれませんが、同時に、みんな消費者です。それが人間社会です。
製造小売業の台頭によって減少するとはいえ、流通の専門家である卸売業者は、メーカーと小売事業者の間をつなぎビジネスを効率化してくれる大切な存在ですね。ハンドメイドの作家さんたちが活躍できるようになったのも、間をつなぐ事業者がいてこそです。
と、ここまでが、グローバル化が進む現代社会の実情ですよね。
物流の進化によって、インターネット取引が膨大なシェアを占める中、たぶん、コロナによる売れ行き不振が原因だと思うのですが、悪い循環に至るマイナス要因が見えてきました。
フリマなどの匿名販売サイトに、あらゆる種類の新品が流れ込んでいます。それらの価格を調べてみると、定価の半分どころか三分の一も。
メーカーサイドからの横流し?
卸が隠れて在庫を格安横流し?
困った小売りも損切覚悟で出品?
例を挙げます
某ファッション商品は税込み価格14300円。メーカーからの卸値が6600円。本来は卸業者から小売りを経て消費者に届くはずの商品です。それが、メーカー販売価格の6600円と同じ値段でフリマに出されていました。
この出品者さんは、同じブランドを各種取り揃えて超格安で売りまくっています。こうなると消費者は、もう小売店からは買いませんよね。
結果、小売りは売れない商品を抱えてしまうことになります。思い余って、損を覚悟の価格で負けずにネット放出。こんな感じで、グルグル回っているような気がするんです。
結局、どうなるかといえば、商品価値が落ちていくだけのこと。まわりまわってメーカーが損をする。
なぜこんなことが発生したかと言えば、企業そのものではなく、そこに勤めている人、関係先など、内部崩壊によるものだと思います。
ある卸会社の営業マンが言ってました。
「社内の人間が隠れてやっているケースが多いんですよ。横流しです。」
多分、一人や二人ではないはず。じゃないと、素人の私が見つけられるはずもないです。色んな分野の、いろんな人たちが、やっているのかも。
こんなケースもあります。定価1万円の海外有名ブランド品が、2500円で大量に販売されていました。どう考えても損を覚悟の出品です。ブームが去って大量在庫を抱えたことによる、泣く泣くの出品かもしれません。
フリマアプリは、大勢の人が楽しみながら売り買いするスペースですが、今起きている現象は、ちょっと切ないですね。コロナで苦しんだ末の、生き残りを図っての出品攻勢と、それを狙う転売ヤーの存在。
適正価格、適正在庫。それも今は昔。弱肉強食の世の中です。
飲食店のように補填されない事業者さんたちの、苦しみの声が聞こえてきそうです。何が良くて何が悪いのか、わからなくなりました。
とにかく、みんな、精一杯、ちばりよ~、です。