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#057 医療従事者が事務職をめざす道

ご無沙汰してます。
写真は昨年11月に初めてパラグライダーを体験したときのもの。富士山が素晴らしかったー。
ということで、久しぶりの更新である。
「書かないヒトはサルである」をスローガンにボチボチと再開しよう。

僕の変なキャリア

さて、医療従事者としてキャリアをスタートした僕だが、現在は病院経営支援の仕事をしている。いわゆる”事務長”さんをやっている。
22歳で僕は理学療法士として北海道の一般病院に就職した。その後、地方自治体病院に転職したのち、海外での活動に路線変更し、ベトナム、マレーシア、ケニア、タンザニア、コンゴ民主共和国などで活動をしてきた。
その後、(いろいろ)紆余曲折を経ていま、現職についている。

医療職に固執せず、事務職も視野に入れよ

医療従事者でひとたび医療機関に就職すると、世間一般的には「潰しがきかない」キャリアとなる。近年は独立開業をしたり、株式会社に転職する人も出てきたが、まだ圧倒的に少数派である。
そこで、医療現場でくすぶっている医療従事者の方がいらっしゃれば、と思い、この記事を書いている。僕の少ない経験から、こんな提案がある。


医療従事者として芽が出ないのなら、
早めに見切りをつけ、さっさと事務職で上を目指せ。

20代後半(いや、もっと前から)の僕は、悟っていたのである。
臨床家に自分が向いていないことを。だから、30代前半でのキャリアチェンジは必然であった。いろいろと遠回りをして、36歳の僕は白衣(ケーシーという)を脱ぎ、スーツを着た。あれほど学生時代に憧れたケーシーをあっさり捨てた。国家資格は消えないけれど、自分の中では退路を断ったつもりだ。

医療従事者と事務職では、求められる知識領域も、求められるスキルも全く異なる。いち病院職員の時には考えもしなかった財務の知識、法律の知識、ITスキル、そして高度な対人スキルが求められる。正直、自分が理学療法士だったころ、病院の事務職がこんなにも奥深く、面白いものだとは全く知らなかった。
病院事務職は、世間一般的に、院内ではヒエラルキーの底辺とみられることが多い。が、真実は違う。事務職が無能だと、病院は簡単に傾くし、有能であれば経営は安定する(かもしれない)。逆に、医師や他の医療従事者が診療上優秀だったとしても、病院がうまく存続できるとは限らないのだ。

才能がない、と悩む必要はない

これから医療従事者になる皆さま、すでに医療機関や介護施設で働いていおられる方。
もし、自分の能力に行き詰まり、苦しい思いを抱いているのなら、ひとつの選択肢として事務職へのコンバートを考えてはいかがだろうか。
簡単に部署異動できないとしても、まずは総務課や管理課のひとに話をきいてみることだ。実は、事務だって患者のこと、診療の事を良く知っている方が強い。とても重宝するのだ、そういう人材は。

最近、僕が担当している施設でも、医療従事者で30代半ばの男性1名を総務課にコンバートした。彼は面談で快く承諾してくれて、さっそく大活躍してくれている。
そもそも、国家資格をもつスーパー事務職なんて、カッコイイではないか。

やってみなはれ


学びなおすことは多岐に渡るし、時に恥をかくこともあるけれど、異業種に飛び込んでみた感想は、

なんとかなる。

である。むしろ、視野が広がり、視座が上がり、たとえ医療従事者に戻ったとしても、決してムダにならないと断言できる。
ミドルにさしかかり、行き詰まりを感じてくすぶっているすべての医療従事者に、僕なりのひとつの提案である。
個人的には、こんなにもエキサイティングで面白い仕事はない、と本気で思っている。

57日目 おわり。