やらない得。臆病者のための億万長者入門 著橘玲
タイトルがひどいことに目をつぶって、この本の核心は株をやって金儲けなんか考えない方が幸せだと暴いてしまってる点にあると思う。
株、金融商品の売買、投資家がいかに合理的であることが非合理的か、また非合理的であることが合理的であるか読むとわかる。よく、経済学者やらが株の暴落についてそれっぽい説明をするがそれはある一面に過ぎない。事後的にそれ風な解説であるから、無意味までとは言わないけど未来予測で儲けるみたいなことに期待してはいけない。
そもそも、株式市場は複雑系であり、予測困難なものなのだから、変な因果的説明を求めるのは得策でない。
宝くじは悪か?
宝くじは人間の確立に対してのバイアスを突いた金融商品で、数字上ほとんど一等はあたらない。
じゃあ、宝くじは悪徳な商売かというと難しい。
宝くじの金は、公共事業に一部利用されているからだ。つまり、非合理な娯楽、ギャンブルとしての顔もあるが、税金としての顔もあるわけだ。
税金といったが、それは国民に対して再配分という意味で税金で、別に国民皆が宝くじを買わなきゃいけない訳ではない。
愚か者から巻き上げてるわけで、金融リテラシーを付けたら得だよねって当たり前の話になってくる。
しかし、この金融リテラシーを身につけろ論は誰だってそりゃそうだろと頷くだろうが、本書では基本的に継続的に働き、節約をすることが億万長者の道という夢の無い話で終わる。
金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金