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カフェ友だち(皐月物語 162)

 日曜日の朝、藤城皐月ふじしろさつきが待ち合わせ場所の豊川稲荷の総門へ行くと、渡辺天音わたなべあまねがすでに総門前に来ていた。桜淵高校で会った時よりもかわいい服を着ていた。
 浮き立つような気分ではなかった。緊張と警戒と好奇心が入り混じった、今までにない感覚だった。だが、皐月はそれを悪くないと感じていた。
 皐月が手を振ると、天音も手を振り返してくれた。天音は白いシャツにネイビーのベストを合わせていて、パンツはブルーのデニムというコーデだった。シンプルな組み合わせだが、皐月の好きな色合いだ。
 皐月は芸妓げいこ明日美あすみに買ってもらった服を着て家を出た。白のクルーネックニットに黒のテーパードパンツを合わせたコーデで、修学旅行の初日に着たものと同じだ。
「皐月君、今日は来てくれて、ありがとう」
「来るって約束したからね。会えるのを楽しみにしていたよ」
「ホント?」
「うん」
 皐月はすぐに女子を喜ばせることを言ってしまう少年だ。実際はそんなに楽しみではなく、不安もあった。だが、楽しみたいという気持ちがあったので、その思いを最大限に伝えようとした。
「皐月君の服、格好いいね。小学生なのに色っぽい」
「ありがとう……」
 皐月は天音の指摘に驚いた。明日美が色気のある服を選んだことに天音が気づいたからだ。高校生にもなると、小学生女子とは違う感想を持つようだ。
「皐月君、行きたいカフェがあるって書いてあったけど、それってどこ?」
「『Baron』っていう店。渡辺さんは Baron って行ったことある?」
「ないけど、場所ならわかるよ」
「じゃあ、早速 Baron に行こう。でも、今日はお昼ごはんまでに家に帰らなければならないんだ。ごめんね」
「ううん。こうして会えただけでも嬉しい」
 皐月が親しみを込めて話しているからか、天音は皐月への好意を隠そうとしなかった。天音を見ていると、同級生の筒井美耶つついみやと反応が似ている感じがした。
 筒井美耶はクラス内で皐月のことを好きだと公言している少女だ。美耶はなんでも皐月のことを第一に考えてくれる。美耶なら大抵の要求を呑んでくれるだろう。自分のことを好きだという女子と話すのは気が楽だ。
「渡辺さん。今日はどうして俺のことを誘ってくれたの?」
「うん……。私から皐月君に声をかけないと、絶対に忘れられちゃうと思ったから、ダメ元で誘ったの。私、リアルで皐月君みたいなかわいい子って会ったことがなかったから、どうしても縁を繋ぎとめておきたいって思って……」
 天音の言う通り、皐月は自分から天音に連絡をするつもりはなかった。だから天音から連絡がない限り、二人の縁は自然消滅するはずだった。
「渡辺さんのそういう積極的なところ、好きだよ。でも積極的過ぎると怖くなるから、やめてね」
 皐月は天音に盗撮されたことを忘れていない。天音にストーカー気質があると面倒なことになる。これからは適度に釘を刺しながら会話を続けなければならない。

 皐月と天音は二人で並んで豊川稲荷の表参道を歩いた。日曜日は豊川稲荷への参拝客が多くなるが、この時間はまだそれほど多くない。Baron は歩いてすぐのところにあるので、到着するまでの間、会話らしい会話をすることもなかった。
 和風情緒のある建物が増えた豊川稲荷の表参道だが、皐月たちが入った Baron という店は男爵という意味の店名で、英国貴族のお屋敷をイメージした喫茶店になっている。
「店の中が見えないから、前からこの店が気になっていたんだ。なんか入りづらいな」
「私が先に入るよ」
「さすがは高校生! 渡辺さんが一緒に入ってくれて良かった」
 店内はクラシカルな内装で、クラシカルな雰囲気が落ち着かせてくれる。皐月の行きつけの喫茶店・パピヨンのような昭和レトロではなく、ヴィクトリア朝っぽい家具で統一されていた。
 皐月は場違いなところに入りこんだような肩身の狭さを感じたが、子供っぽく見られないよう精いっぱい格好つけて大人ぶってみた。
 ウェイトレスはやや年配の女性で、大須で見たコンカフェのキャストとは違い、普通の主婦っぽい人だった。皐月も天音もこれで緊張が解けた。
 店内は半数ほどテーブルが埋まっていた。天音と一緒に入店したことで、小学生の皐月が店内で浮くようなことはなかった。
「俺、ここに来る前にも喫茶店に行ってたんだよね。今日二度目のモーニングだ。珈琲はやめて、紅茶にしようかな」
「皐月君って小学生なのに珈琲なんて飲むんだ。私はまだ珈琲に慣れていないから、皐月君と同じにする」
 天音がウェイトレスに二人分の紅茶を注文してくれた。

「皐月君の担任の先生って誰?」
「前島先生。女の先生だけど、知ってる?」
「わからないな……。卒業して6年も経つと、先生も入れ替わっちゃうのかな?」
「3年から5年で異動するって聞いたことがあるよ」
 皐月の担任の前島先生は今年で3年目だ。もしかしたら今年が稲荷小学校で最後の年になるかもしれない。自分は卒業してしまうけれど、前島先生もいなくなってしまうと思うと寂しい。卒業した学校にはいつまでも恩師が残っていてほしいものだ。
「渡辺さんって、稲荷中学の時は最悪だったって言ってたよね? でも弟は中学が楽しいって言ってる。で、僕たちの学校では稲中いなちゅうが荒れているっていう噂が流れているんだ。これってどういうことかわかる?」
 天音は皐月の質問に考え込んだ。皐月も高校生の天音に聞くことではないと思ったが、天音は真剣に考えてくれている。
「たぶんだけど、学年によって雰囲気が変わるんだと思う。当たりの先生がいる学年と、ハズレの先生が多い学年では感じ方が違うんじゃないかな。クラスによっても雰囲気が違うし、外からは悪いところが目立って見えているだけだと思うよ」
「そっか……。悪い噂が目立ってるだけなんだ。実際はいい話もいっぱいあるんだね」
「いい話はあまり聞かないけどね~。でも、悪くなければいいんじゃない?」
 皐月はこの後も中学生活のことをいろいろ聞いた。天音は質問に丁寧に答えてくれたので、皐月はなかなか消せない中学生活に対する不安がだいぶ薄れたような気がした。

 天音は思っていたよりも誠実な人だった。皐月は警戒し過ぎていたのかもしれないと考え始めた。
「皐月君って彼女がいるよね? どっちが告白したの?」
 皐月はこういう方向に話を持っていきたくなかったので、ずっと中学の話をしていた。だが、天音は最初から恋愛話をしたかったのかもしれない。
「どっちも告白なんてしてないよ。自然に付き合うようになっただけだから」
 皐月は嘘をついた。本当は皐月から告白をした……千智に言わせるとそういうことになっている。
 だが、皐月は告白のつもりで千智に好きだと言ったわけではない。千智が勝手に告白されたと思いこんだので、千智がそれでいいなら、そのままでいいと思っているだけだ。
「私、電車の中から皐月君の彼女を見たんだけど、すごくかわいい子だよね」
 皐月は天音が何を考えているのかわからなかった。言葉の裏にある真意がわからないと、このまま会話を続けていても不安が消えない。
「渡辺さんは彼氏っているの?」
「私? そんなのいないよお~。いたこともない」
 なぜか天音は恥ずかしがりながらも嬉しそうにしていた。
「アイドルをずっと追いかけているし、私の周りには格好いい男の子なんていない。だから好きな人もいなかった」
「へぇ~。渡辺さんは格好いい人が好きなんだ」
「そう。だから皐月君が好きなの」
 この時の天音の顔は獲物を見つけた獣みたいだった。皐月は初めて女の視線を怖いと思った。
「俺、小学生だよ? それに彼女だっているし。面と向かって好きとかいわれても困るんだけど……」
 皐月は桜淵高校の文化祭の時に、盗撮の件で天音を詰めた時のような険しい顔を見せた。だが、それは逆効果だったようだ。
「皐月君の苛立ってる顔が好き。私の好きなアイドルはいつもニコニコしていて、そういう顔をしてくれないんだもん。初めて皐月君に会った時、射抜くように見つめられて、ゾクゾクしちゃった」
(ダメだ、これ。どうすりゃいいんだよ……)
 皐月は今までこんな女子に会ったことがなかった。バッサリと切り捨ててしまえばいいのかもしれないが、こうして一緒にカフェまで来てみると、天音はもう見ず知らずの女ではなくなっていた。こういう自分の情が移ってしまう性格は良くないと思うが、どうにもできない。

「渡辺さんって宝飯ほい高校だよね? 頭いいんだ」
「普通科は偏差値が高いよ。でも私は商業科だから、別に頭はよくないかな。へへっ……。高校卒業したら、大学に行かないで就職しちゃうし」
「へぇ~。社会人になるんだ。文化祭で行った桜淵高校の人たちも、そういう人が多いんだってね。渡辺さんはもうすぐ大人になるんだ」
「全然だよ~。今は高校生だし、まだ子供だって」
 皐月はまだ12年しか生きていない。だから6年後の未来は遠い先のことにしか思えない。天音は自分のことをまだ子供だと言うけれど、皐月には天音が言うほど子供には見えない。
 一緒に住んでいる及川祐希おいかわゆうきも天音と同じ学年だ。祐希を見ていると、確かに子供っぽいところがある。それでも同級生の女子や自分と比べてみると、やっぱり子供だとは思えない。
「渡辺さんは卒業したらどんな仕事をするの?」
「精密板金の工場で働くことに決めたよ。そこで事務の仕事をするの」
「精密板金の工場って何を作ってるの?]
 皐月は精密板金という言葉を初めて聞いた。板金という言葉は自動車関係で見たことがあるけれど、内容はよくわからない。
「私が勤める工場では筐体や電子機器や重機のパーツを作ってるんだって。鉄板を切って曲げて、溶接して組みつけて、塗装までやってるよ」
「おお……。なんか、俺の知らない世界だ。ウチの親は水商売だし、住んでいるところは商店街だから、身近に工場で働いている人って見たことがないや。渡辺さんの就職する会社の仕事のこと、もう少し詳しく教えてほしいな」
「いいけど、まだ就職していないから、聞いたことと見たことしか話せないよ?」
 渡辺天音の就職する会社は豊川市にある久堀工業といい、精密板金のオーダーメイド加工をしている製造業だ。設計から完成まで一貫生産を行なっているのが強みだという。
 天音はその工場で事務仕事に就く。事務仕事だけでなく、2次元CADで筐体の展開図を作り、加工機へ渡すNCデータを作ることも覚えることになるらしい。
「渡辺さんって商業科だよね? 工業高校の卒業生がするような仕事もやるんだ」
「もう、全然自信ない……。でも社長が教えてくれるんだって。パターン化された簡単な物だけを手伝うみたいなんだけど、基本は事務だよって言われてる」
 天音の話を聞くと、制御盤の筐体を作ることになるそうだ。皐月は制御盤が何かを知らなかったのでスマホで調べると、機械を動かすための装置が入っている金属の箱のことだった。駅構内や商業施設でよく見ていて、知っているものだった。

「工場って男の人が多いんだよね? だったら渡辺さん、モテモテになるじゃん」
「男の人は多いけど、若い人はあまりいなかったよ。そんなに大きな工場でもないし、何年かに一人、工業高校から人が入ってくるくらいなんだって。それに……」
「それに?」
「皐月君みたいな子なんて、そうそういないから」
 天音が珍しく怒った顔をしている。
「俺みたいな子って何だよ?」
「皐月君、自覚ないでしょ? 自分が美少年だって」
「そんなのあるわけねーじゃん!」
「皐月君みたいなきれいな顔をした子なんて、この世に滅多にいないよ?」
「渡辺さん。それ、褒め過ぎだって……」
 自分のことを不細工だとは思ったことはなかったが、さすがに美少年とも思ったことはない。
「まだ小学生だもんね。でも、私にはわかる。長年いろいろなアイドルを見てきたけど、皐月君みたいに顔が整っている子って、そんなにはいないよ」
「そんなのいくらでもいるだろ? 現に俺のクラスにも超イケメンがいるから。俺はいつもそいつと比べられているから、自分が美少年じゃないことぐらいわかってるよ」
 皐月は同級生の月花博紀げっかひろきに対してコンプレックスを抱いている。博紀にはファンクラブがあり、クラスの女子の大半は博紀のファンクラブに入っている。彼我の差は圧倒的だ。
「皐月君。その超イケメンの男の子の写真ってある?」
「あるよ。見せてあげる」
 スマホに入っている博紀の写真を見せると、天音はクラスの女子によく見られる反応を示した。だが、天音はすぐ真顔になった。
「この子、格好いいね……。私が推しているアイドルよりも美形かも。皐月君が自分のことを卑下する気持ちがわかるなぁ……」
「ほらな。結局、女子はこいつのことが好きなんだよ」
「でも、皐月君とこの子では系統が違う。この子は大人になるにつれてフツメンに寄っていくけど、皐月君は大人になるほど輝いていくよ」
「なんで渡辺さんにそんなことがわかるんだよ?」
「私はアイドルがジュニア時代から大人になる姿をたくさん見ているから。男の子ってこれからどんどん顔が変わっていくよ」
 皐月は似たような話を芸妓げいこたちから何度か聞いたことがある。今の自分はかわいいけれど、大人になったらいい男になると言われてきた。
 小学校ではあまりモテないが、学校を出れば店員などの大人の女性からウケがいいことも知っている。皐月は天音の言うことは間違いではないのかもしれないと思い始めた。

「私、皐月君のファンクラブの会員番号1番になりたいな」
「やだよ! ファンクラブなんて。あんなの鬱陶しいだけじゃん。本気でそんなことを言うんだったら、俺、渡辺さんとは縁を切るから」
 皐月は本気で天音に怒気をぶつけた。この時の自分は容赦がなかったと思う。
「ごめんなさい……。そんなことはもう言わないから、縁を切るとか言わないで……」
 天音は泣き出しそうな顔をしていた。皐月は女子に対して初めて冷酷なことを言った。自分の方が相手よりも精神的に上にいる場合、切り捨てようとした時にこういう反応をすることがわかった。皐月は慈悲の心と快感が入り混じった、変な感情になった。
 紅茶を飲みながら、皐月はしばらく無言で天音のことを見ていた。よく見れば、天音はなかなかかわいい顔をしている。恋人がいないことが不思議に思えるくらいだ。皐月に見つめられた天音は恐縮していたが、次第に顔が紅潮してきた。
「ごめんね。俺、ちょっと言い過ぎた。でも、ファンクラブとか本当に迷惑だから、やめてほしい」
「うん、わかった……。私、アイドルのファンクラブに入っているから、一度そういうことをやってみたかったの。ファンクラブの会員番号1番ってちょっと憧れてて……。ごめんね、変なこと言っちゃって」
「いいよ。でも、盗撮の時もそうだけど、渡辺さんってスイッチが入ると暴走するよね?」
「どうせキモいって思ってるんでしょ?」
「そんなことないよ。渡辺さん、かわいいなって思った。ルックスだってかわいいし、彼氏がいないなんて信じられない」
「だったら、私の彼氏になって!」
「またそういうことを言う……。あのさ、俺ってまだ小学生だよ。それに彼女だっているし。彼氏になんてなれるわけないでしょ?」
「ぴえん」

 天音は筒井美耶を3倍にパワーアップしたような子だ。美耶はまだしおらしいところがあるが、天音は気持ちが強すぎて扱いに困る。
「渡辺さんはかわいいから、大人になったら彼氏なんですぐにできるよ」
「私がかわいいって、ホント?」
「そんなの、鏡を見ればわかるだろ?」
 天音は少しおだてるとすぐにデレデレする。ここまで思うように気持ちを操れると、快感どころか怖くなってくる。皐月は自分が上の立場になっても、男女の間で主従関係になるのは嫌だと思っている。
「渡辺さん。これからは俺とカフェ巡りの友だちになってもらえないかな? 小学生だと一人でカフェに入れないし、中学生になってもダメだと思う。でも、渡辺さんみたいに大人の女性が一緒だったら、どんなカフェにも入れるよね?」
「私なんかでいいの?」
「渡辺さんだから頼んでるんだよ。俺、渡辺さんと一緒にいると楽しいから」
 天音はあいかわらずとろけそうな顔で喜んでいるが、皐月は天音を枠にはめてしまおうと考えていた。カフェ友だちの関係なら、お互いにウィンウィンになれる。
「じゃあ、お姉さんがいろいろな店に連れてってあげる」
「なんだよ? そのキャラ」
「いいでしょ、これくらい。高校を卒業したら車に乗るようになるから、そうしたらもっといろいろなところに連れて行ってあげる」
「車か……。渡辺さんはもうすぐ大人になっちゃうんだね」
「中身はまだ、全然大人じゃないけどね」
「中身って、心? 体?」
「両方、って皐月君、今Hなこと考えたでしょ?」
「Hなこと? そんなの考えるわけないじゃん。そう思う天音さんがHなんだよ。や~らし~」
「私、Hなことなんて考えていないも~ん」
 皐月は天音を名前で呼べるようになり、ようやく落ち着いて話せるようになった。薄くメイクをしている天音を見ていると、少しHな気分になってきた。天音なら押せばどうにでもなりそうな気がした。
 カフェ巡りは祐希と初めて会った時に、一緒にしようと約束したことだ。だが祐希とはそのころと違う関係になってしまった。皐月は天音なら祐希の代わりになりそうだと、いろいろな意味で考えた。

 天音と他愛のない話ができるようになると、時間の経つのが早く感じるようになった。別れの時間になっても、皐月はまだ一緒にいたいという余韻が残っていた。
「じゃあ、俺はそろそろ帰るね」
「午後からは彼女とデート?」
「そうだよ」
 彼女といっても入屋千智いりやちさとではない。皐月が誰よりも愛している芸妓の明日美あすみだ。
「皐月君の彼女が羨ましいな……」
「会っても、することは天音さんとしていたことと変わらないよ。会って二人で話をするだけだから」
「ホント?」
「あれっ? もしかして、またHなことを考えた? 高校生はいやらしいな~」
「Hなことなんて考えていないよお……」
「俺と彼女はまだ小学生だよ? しかも彼女はまだ5年生だし。俺たちはまだ、そういうことはなーんもしていないから、変なことを想像しないでくれる?」
「うん、わかった」
 天音は嬉しそうな顔をしていた。皐月は変に勘繰られたくなかったから、千智との関係性を話したが、明日美とは天音の懸念する関係になっている。
 自分は天音の考えているほど清潔な男ではない。だが、クリーンなイメージを与え続けている方がお互いに幸せでいられそうだ。天音といる時は生臭さを出さないようにしなければならない。
 皐月と天音は店を出た。また会う約束をして、二人は別れた。皐月の想像以上に楽しい時間を過ごすことができたことが嬉しかった。


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音彌
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