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短い棒


朝起きたら胸に短い棒が刺さっていた


厳密には杭のようなものが刺さっている感覚が
あるという言い方が正しい

触ってみた感じだが
太さはだいたいトイレットペーパーの芯くらい
それは多分、心臓の先まで刺さっているみたいだが背中を貫通している感覚はない
身体から指先で掴めそうなくらい頭が出ている


前に同じクラスの██さんから聞いた事がある
「隣りのクラスの○○ちゃんは『これ』が抜けちゃって学校に来れなくなっちゃったんだってさ〜」
「だから私は『これ』が抜けないように苦しくても押さえてるんだ〜」

当時の私には『これ』がなんの事かわからなかった
後、何故あの時██さんと話してたのかも覚えてない

少したったある日

教室へ入ると██さんの机には綺麗な花が飾られていた

変化したのはそこだけだった
教室の中は普段と同じ空気が流れていた

まるで元々その机が花を飾る為に存在したかのように


多分、この杭のようなものは██さんの言っていた『これ』と同じものだろう
そして██さんも結局『これ』が押さえきれずに抜けてしまったのだろう
もしも『これ』が抜けようとするのなら押し込んでみてはどうか

私は思いっきり『これ』を押し込んでみた


何かが潰れたのを感じて気づく
「██さんもやったんだね」

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