TRPG「Dead or AliCe」のシナリオを使ってくれ
これは、TRPG「Dead or AliCe」のシナリオってまずどういうところから手を付けたらいいの? 同人のシステムのシナリオって自分で作るしかないの? という人、特にGMをやるぞという人向けに、以前回した自作シナリオのシートを公開してみよう、という記事です。
とはいえミニサプリにはいくつもシナリオが載っていますから、それ以外にもやりたいぜ、という人向けですね。あるいは、公式は公式でやりたいから取っておいて、シナリオシートの中身ってどうなってんの? みたいな軽い気持ちで見ていただいてもぜんぜん構いません。記述法は異なりますが、記載されている必要情報はだいたい似たりよったりでしょう。
こんな記事を開いているくらいですから、「Dead or AliCe」のことはご存じの方が大半だとは思いますが、そもそものTRPG「Dead or AliCe」については、以前に『TRPG「Dead or AliCe」をやってくれ』『TRPG「Dead or AliCe」のサプリを使ってくれ』という記事を出しています。
念のため、公式サイトもリンクしておきます。もしかて、もしかすると、あんまりシナリオがないならちょっとな……みたいな検討中の人もいるかもしれませんからね。
とはいえ、わたしは単なるTRPG「Dead or AliCe」のファンです。
一応公式ミニサプリにシナリオを寄稿したりもしているので、このシナリオデータ、明らかにここがおかしいぜ! みたいなことはない……と思うのですが、もし発見したらそっと教えてくれるか、見なかったことにして訂正して使用してくださいね。
では、今回は4つほど出していきたいと思います。
それぞれにシナリオシートのアドレスとシナリオ閲覧パスを掲載しますが、当然、開いた瞬間PKのデッキ情報が見え、閲覧パスを入れればシナリオギミックなどがすべて載っていますので、概要を見た上でPLがやりたい! という場合、プレイグループ内で相談してGM担当が閲覧するなど、それぞれの良心と責任に基づいて御覧ください。
*七つめの扉
*実施概要
PC人数:3人 / お茶会:2ラウンド / PK種別:救世主
脅威度2 協力傾向(特殊型)
お茶会MOD『クエスト』適用
お茶会MOD『PK追加行動』を選択可能
*シナリオ概要
あなたがたは、『青髭公』と呼ばれる救世主の伴侶として、『七つ扉の城』と呼ばれる小さな城でともに生活を営んでいます。
これまでは四人で協力し、この堕落の国で、可能な限り穏やかに暮らしてきました。
しかし『青髭公』はある日、新たな妻を連れてきます。
美しく、たおやかで、虫も殺せぬような、この堕落の国ではとても生きていけそうにない人間です。事実、救世主だというのに六ペンス硬貨も失っています。
新たな妻を庇護しながら、今まで通りに生活をしていくことはできないでしょう。なにせこの国では、誰もが自分のことで精一杯の、ぎりぎりの生活をしているのですから。
それに……今までの生活を破壊しようとしている『青髭公』の行いは、あなたがたへの裏切りなのではないかしら。
さあ、あなたがたは、元の暮らしに戻りたいですか? 戻れると思いますか? ――それとも?
*あれこれ
3人のPCたちは、すでにPK『青髭公』の伴侶として、良好な関係で一定期間を過ごしています。
PK『青髭公』は男性を想定していますが、PCの性別をシナリオ側で問うことはありません。
シナリオ中、『青髭公』はそれぞれのPCを『夜明けの妻』『真昼の妻』『夕暮れの妻』として扱います。
フレーバーとして、各PCに『夜明け』『真昼』『夕暮れ』を割り振ってください。それによる能力値の指定などはありません。
また、場合によってはPvPが発生しうる、あるいは発生させても良い、ということを伝えておきましょう。
上記の通り特殊型として運用することを想定していますが、そうしたデータ的・ロール的に煩雑になりやすい部分を廃し、単に『青髭公』を打倒する協力型として扱うことも可能です。
GMから、どちらの運用で実施するのかをPLに伝えておきましょう。
基本的には城の中、閉じた環境で進行するシナリオです。
人間関係の軋みを取り扱うシナリオなので、PvPやPC同士のギスギスはしたくないな……というPLがいれば、協力型として扱ったほうが取り回しはいいでしょう。
最初期に書いたシナリオなのでややシートのシナリオ欄がゴチャついていますが、わからない部分はGM裁量で改変して構いませんし、どうしてもここが……ということがあれば問い合わせてくれても構いません。
*シナリオシート
『七つめの扉』 作者:やさか シナリオ閲覧パス:door
*Waltz for Four
*実施概要
PC人数:4人 / お茶会:2ラウンド
脅威度2(可変) 対立傾向
特殊レギュレーション:裁判の敗者は必ず1名以上〈死亡〉する
*シナリオ概要
堕落の国にいる救世主のもとには、時折、封筒を咥えた金色の小鳥の亡者が訪れることがあるという噂があります。
『公爵家』や『茶会同盟』、『モックスフォンド学術連盟』といった組織の一部では、その小鳥が実際に何人もの救世主のもとへ訪れたことを確認しています。
封筒を受け取った救世主はしばしば『大廊下』へ赴き、その後帰ってきたり、来なかったりするようです。また、帰ってきた救世主は大概の場合、手持ちの六ペンス硬貨を増やして戻ってきています。
戻ってきた複数の救世主の証言から、どうやら封筒はなんらかの招待状で、救世主が集められているのが同じ場所だいうことは確認が取れています。
ある日、PCのもとにも金色の小鳥の亡者が飛んできました。その小鳥は、咥えた封筒をPCに差し出します。
その封筒には、どういうわけかPCの名前がきちんと記されています。封蝋を剥がして開いてみれば、それは舞踏会への招待状です。
便箋には、「救世主の皆様、ひとときばかりの宴にお越しください。あなたがたに必要なものは、なんでもお取り揃えしております。たべもの、のみもの、お洋服に、眠る場所。そして、あなた以外の救世主」などと書かれていました。その上、現在地最寄りの『大廊下』の扉から、舞踏会会場への道順が併せて封入されています。
封筒を受け取ったPCは、前回の裁判を終えてから27日経過しています。あと3日のうちに裁判を行い、そして生き延びなければなりません。
思い出すのは、知人が教えてくれた噂話と、それにまつわるひとつの事実。
――金色の小鳥の招待状は、何人もの救世主を集めている。
*あれこれ
シンプルな対立傾向シナリオです。
舞台が派手で美しいとテンションが上がるな! という気持ちで作られています。
PCたちと戦うPKはいません。そのため、一応脅威度2と書いてありますが、PC間で釣り合いが取れるのならば上下させて構いません。
シナリオシートには、舞台背景についてや、進行を手助けする情報のみ記載されています。
ちなみに、これにミニサプリ『救世主の箱庭』に記載の心の疵MOD『心の性感帯』を追加して、人間関係と利害関係とがより激しく入り乱れるさまを楽しむバージョンを『Waltz for Lovers』として提供することもできます。
また、ミニサプリ『救世主の箱庭』やサプリ『赤と白の鏡騒劇』のデータを使ってより奥深い裁判を実施することも可能です。PLの慣れや希望する難易度によってどんどん変えましょう。
*シナリオシート
『Waltz for Four』 作者:やさか シナリオ閲覧パス:waltz
*C・C・C!
*実施概要
PC人数:3人 / お茶会:2ラウンド / PK種別:亡者
脅威度2 協力傾向
お茶会MOD『クエスト』適用
難易度変更MOD『PK強化』適用
お茶会MOD『PK追加行動』適用
ミニサプリ『救世主の箱庭』使用
裁判MOD『祈り』適用
*シナリオ概要
クッキー、キャンディ、チョコレート。
この堕落の国では、とても手に入らないような甘い甘いお菓子の数々……。
それをたくさん、好きなだけ! 作ってくれる女の子がいるとなったら、どうする?
そしてその子が、別の救世主に囚われていると知ったら……どうする?
*あれこれ
MODがどばどば適用されていますが、要するに「横槍をしてこない代わりにたくさん動く、普段より手強い亡者の目を盗みながら、クエストをこなそう!」という構成になっています。
ミニサプリ『救世主の箱庭』のデータとMODを使用しています。『救世主の箱庭』はある程度慣れていればむしろ積極的に使ってほしいデータなので、是非チャレンジしてみてください。
シナリオのカラーとしては今回の4つの中で一番ポップで明るい感じになると思います。……が、裁判はちょっとデッドリーかもしれません。
*シナリオシート
『C・C・C!』 作者:やさか シナリオ閲覧パス:Chocolate
*I'll never forget you.
*実施概要
PC人数:1人 / お茶会:3ラウンド / PK種別:救世主
脅威度2 協力傾向
サプリ『赤と白の鏡騒劇』適用
ミニサプリ『救世主の箱庭』適用可
大型お茶会MOD『惑乱迷宮』適用
*シナリオ概要
――あなたのいちばん大切な人、あなたのいちばん深い場所から、たった一枚、お撮りします。
この街には、そんな謳い文句を掲げた小さな写真館があるという。
形見ひとつ残さず死んだ仲間。元の世界に残してきた誰か。二度とは会えないあの人の、あの笑顔。
あなたは、それが諦められない――手に入るのが、たった一葉の写真だとしても。
*あれこれ
えっ、このシステムで一人用? と思うかもしれませんが、ロールを重視した情緒的なシナリオになっています。
どうしてももう一目、と願う相手の写真を得るために、PC自身の心の中に潜っていく、というシナリオです。NPCが同行しますので、GMはそのNPCを使ってロールのフックを投げたり、進行を手助けします。
このシナリオには、以前記事を出したときにはなかった『パラダイスロスト』というミニサプリから、『惑乱迷宮』というお茶会用のMODを適用しています。
これは、トランプのカードに所定の効果を持たせて裏返しに並べ、それを1シーンに1枚ずつめくって効果を適用しながらゴールを目指す……という、一歩ずつ進むすごろくみたいなMODです。このMODの効果によって、GMがそのシーンで「どういうことをやりたいか/やってほしいか」が誘導しやすくなっています。
とはいえ、ゲームに、というよりも、ある種のロールに対する慣れが結構大きめに必要なシナリオなので、データ面の厳しさとは少し違った難しさを感じてしまうかもしれません。GMとPLで協力して、あまりキリキリしないで遊んでください。
*シナリオシート
『I'll never forget you.』 作者:やさか シナリオ閲覧パス:photo
*終わりに
以上、4つ挙げてきましたが、どうでしたか?
今回のシナリオシートは、人に見せることを前提に詳しめに記述していますが、わかんないな……というときはどんどん改変してOKです。
多分うまく検索すればほかにも人が作ったシナリオが出てくるんじゃないかと思うのですが、一個一個探すの大変だな……という気持ちでこの記事ができました。
それに、Dead or AliCeは、最低限PKのデッキと心の疵さえ設定してあれば「この村にこれこれこういう良くないPKがいるらしいぞ!」というあっさりした導入で遊ぶことだってできますから、あんまり深く考えずにPKを作って遊んでいくのも楽しいでしょう。つい凝りたくなっちゃうのはわたしのクセなだけで……。
ということで、多少なり参考になったらいいなの気持ちでこの記事を閉じます。開いたシートの絵が古いのが一番心にキた筆者でした。
みんなまだまだDoA遊ぼうな~!