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ヤサイちゃん農家ほうもん記 津田農園編

「うちの野菜は絶対おいしい!!」と元気に語る津田さんに会いにいきました。

農家ほうもん記とは

この企画は農業界・野菜界のスター目指して活動しているヤサイちゃんが、農家さんを訪問し対談をしながら、農業のリアルを発信していく企画です。

今回は千葉県富里市で津田農園を営んでいる津田乃梨子さんと作るときのこだわりや、農業について語り合いました。

津田農園のいちごハウス


農業を始めたきっかけ


ヤサイちゃん
 津田さん、本日はよろしくお願いします。まずは、農業を始めたきっかけは何だったんですか?

津田さん
 実家が農家だったが、農業をやりたいわけではなく、都会で働きたい気持ちが強かったです。なので、大学卒業後は、一般企業に就職しました。
 当時付き合っていた、今の夫が実家に遊びに来て、実家で栽培していたとうもろこしを食べたら、『こんなに美味しいとうもろこし食べたことない!』と、とても感動したんです。そこで農業に目覚めてしまい、夫は早々に会社を退職し私の実家で研修のような形で始めたんです。
 そして、いよいよ夫が農業を仕事として始めようということになり、私も会社を辞めて実家に戻りました。それまでの仕事は楽しかったけど、とにかく忙しく自分の時間も取れなかったので、自分の人生は会社の為でいいのかと考え、自分たちで経営できる農業に携わる決意をしました。

ヤサイちゃん
 旦那さんのやる気が一気に出たのがすごいですね。一般的には農業に仕事を変えるのは珍しいかなと思います。土とかで汚れたくない人が多い印象がありますが。

津田さん
 土が汚いとかは思わなかったですけど、母が朝早くから夜遅くまで農作業で働きづめな姿をみて、あまり憧れはありませんでした。子供のころにゴールデンウィークに遊びに行ったことなんてなかったし。

ハウスで作業

農業を仕事にして良かったこと


ヤサイちゃん
 農業を仕事にしてきて、どんな部分に楽しさとか、やっててよかったと感じますか。

津田さん
 高校生と中学生の息子2人が、私たちの背中をみて農業をやりたいと言ってくれている。小学校での卒業文集でも将来の夢は農家と書いていました。

ヤサイちゃん
 えー、すごいですね!!

津田さん
 私は母の姿をみて農業にあまり魅力を感じなかったが、息子たちがそう言ってくれているのが、すごくうれしい。私たちの姿が輝いて見えているんだと感じています。農家とユーチューブの「農チューバー」やりたいって言ってます。

ヤサイちゃん
 なるほど!やばいちょっとライバルみたいになっとる。

楽しそうに作業をする津田さん

農業を仕事にして辛かったこと


ヤサイちゃん
 逆に仕事をしていてつらかったことはなんですか?

津田さん
 2019年の台風15号の時かな。うちミニトマトのハウスが全壊したんです。転職してからずっと愛でて一生懸命育ててきたトマトがほぼ全部収穫できなくて、初めてそんな状況になったので倒れた状況を見てすごい衝撃でした。

ヤサイちゃん
 めちゃくちゃ悲しいですよね。他にはどうですか?

津田さん
 基本辛いことはあまりないです。

ヤサイちゃん
 いいですね。楽しめる工夫なんかがあるんですか?

津田さん
 うちは雇用しているスタッフ、社員がいるんですが得意なことをやってもらいたいなと思っていて、逆に苦手なことは得意な人に任せればいいと思っているので、私は楽しいことをやってます。

ヤサイちゃん
 任せられるっていうのがすごいですね。

津田さん
 優秀なんですよね、みんな。本当に頼りにしっぱなしです。

津田農園の皆さん

栽培でのこだわりポイント


ヤサイちゃん
 土作りとかでこだわっているところはどうですか?堆肥にこだわっていると拝見しましたが。

津田さん
 昔ながらお付き合いして頂いているSPFの豚を使った豚糞と鶏糞と、もみ殻と米ぬかと混ぜ合わせて柔らかい土になるようにしています。昨年から酒粕を入れるようにしてオリジナルの堆肥を作ってます。

ヤサイちゃん
 そこまで堆肥にこだわり始めた理由ってあるんですか?

津田さん
 もともと代々やってきた堆肥作りだったので継承して作ってる感じです。

ヤサイちゃん
 続いていたものをよりよくしていこうという感じですね。酒粕を入れようとした理由はなんですか?

津田さん
 酒屋さんが拡大するのに酒粕を処理するのもお金がかかるということで、畑にまくといい効能がありますよと話を聞いていたので試しにやってみようと。当時はすぐに堆肥には混ぜられなかったんですけど分析してもらった結果良かったので継続していれるようになりました。

ヤサイちゃん
 土づくりで堆肥以外で使うものはどんな意図で決めてるんですか?

津田さん
 特に決めてるわけではないです。土壌分析していいものを使っている。今まで使っていたものを変わらず使っているものもあるので、それがたまたま有機だったり化成だったり。悪くないから使い続けています。

ヤサイちゃん
 今までそんなにできなかった年とか収穫の波は無いんですか?

津田さん
 意外にない気がします。それは肥料云々だけじゃなくて気候だったりもしますけど。

津田農園のいちご

消費者に直接とどけるメリット


ヤサイちゃん
 やっぱり直売の方が売りやすいですよね?

津田さん
 直接お客様も安心して買って下さるというところもありますね。スイカロードレースは全国からお客様が来て、うちでとうもろこしとかすいかをを買って帰るというのが恒例になっててみなさん常連さんなんですよ。それを楽しみに来てくださってる。

ヤサイちゃん
 今野菜は市場出荷と、オンラインもやってるんですよね。オンラインで注文ができるメリットはあるんですか?

津田さん
 全然知らない農家を全国で知って頂けるところですね。

ヤサイちゃん
 宣伝はどのようにしていますか?

津田さん
 SNSは2年ほど前にはじめた当初は一日一投稿頑張ってやり始めましたが、最近は質重視にして1日1投稿はしていません。また、ホームページなどで皆様に知ってもらっています。スイカに関しては、「あまいスイカ」というブランドスイカ専門店で出品をしています。そこが頑張ってくれているので、あわせて皆さんに知ってもらってるという感じですね。

対談の様子

食べ手に想いを伝えるには


ヤサイちゃん
 僕も前にオンラインで売ることを考えていたのですが、伝えたい思いが届いてないと思っていたんです。思いを届けるためにどうしているんですか?

津田さん
 手紙を書くことですね。一言でも自筆でお礼を書く、自分のこだわりをいれこむということは大事にしています。お客様から問い合わせいただいたときにはなるべくすぐに返事をするようにしています。その一本の連絡で安心してもらえるのかなと。距離がすごい近いですよね、生産者と消費者の。

ヤサイちゃん
 ちなみに津田さんの伝えたい思いとかどうですか?どの作業も愛でるとおっしゃってて、とてもかわいがっていらっしゃる感じがしますが。

津田さん
 うちの野菜ぜったいおいしいと思う。パッケージにはとにかくこだわってます。ちょっと趣旨違いますけど。他の農家さんと差別化できてると感じています。とにかくおしゃれなものしたい。
 例えば同じノートを出されたときに、かわいいのとなんでもないのならかわいい方に目が行くじゃないですか。そういう選び方でいいのかなと。それで美味しかったら最高じゃん?みたいな。
 日本一甘いイチゴとか、日本一大きいイチゴというのはつくれないのでそこで競争するつもりはさらさらないんですよ。自分の好きな物、こだわりのポイントをたくさん作っていてそこに引っかかってくれてざっくり津田農園っていいよねって言ってもらえたらいいかなと。従業員の対応とか、お店の雰囲気いいよねとか一つ一つが全部合わさって最終的に津田農園の良さになってると思います。

ヤサイちゃん
 働いていて楽しそうですね。入ったときに皆さん明るい感じで迎えてくださるんでいいなと思っていました。

津田さん
 そうですね。楽しいと思ってくれていると思います。

津田さん

就農を考えている人へ


ヤサイちゃん
 周りの人が農業したいと言ったら勧めますか?

津田さん
 難しいですよね、その質問は。やりたければやればいいと思うんですけど。今の農業って出したら売れるってわけではない。昔は作れば自然と売れていた。今は自分で売り込まなければいけない。経営に関してのスキルやセンスがないとやっていけるかわからない。あえて自ら起業して農業を始めるというのは選択肢の一つではあるけれど、農業に関わりたいのであれば沢山の道があるので一概には言えないなと。

ヤサイちゃん
 独立してこうしたいというビジョンがあればいいけど、農作業やりたいだけなら会社に勤めればいいとかいろんなやり方がありますよね。

津田さん
 普通に今やっていたら赤字になって終わってしまう。新規就農者の3割は生活が安定しないことから5年以内に離農するという厳しい状況なので、勧めるかと言われたらちょっとわからないです。やりたいなら応援します。

真剣に話すヤサイちゃん

今後の目標


津田さん
 ヤサイちゃんとコラボしてテレビ出演がしたい。

ヤサイちゃん
 是非、よろしくお願いします!全国放送で!
 今日はありがとうございました。


イチゴ、買わせて頂きました


プロフィール

津田乃梨子(ツダノリコ)
千葉県富里市出身。趣味はフェス、ライブ参戦。
家族は、夫、長男、次男、父、母の6人家族。子供の頃は運動が好きでミニバス、バレーボール、柔道などのスポーツに打ち込んでいました。学生時代はマックのバイトをしながら、長期休みの度に海外へ貧乏旅行を楽しんでいました。大学卒業後、フードサービス業界に就職。仕事に生きがいを感じ充実した日々を送り、自身の経験値が上がりました。
退職後、親元就農。
父が企業の農業参入により取締役となり、それを機に夫が事業継承。
2021年9月法人化。株式会社アグリシアJAPAN設立。
現在、代表取締役としてより強い会社運営が出来るように奮闘中です。


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