XSR700が売れない理由

 わたしはヤマハXSR700に乗っています。あとは車一台と125ccのスクーターと自転車各種。
 そんなわたしなのですが今日、おどろくべき情報が飛び込んきて、我が目を疑いました。

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https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/3102142/

 

XSR700が2位とのこと。


 

嘘でしょ???


 XSR700に乗っている人ならばわかるはず。このバイク、希少種ですよね。
 XSR700乗りの方と駐車場などでお会いするとほぼ話しかけられます。それくらい仲間がいないのです。
 販売計画台数はたったの400台。
https://原付売却.com/hanbai/hanbaixsr700.php
 海外では売れているらしく、派生モデルやカラーバリエーションも豊富。うらやましい限りです。

 ではなぜ日本国内でXSR700が売れないのか。XSR900との価格差が原因だという方もいらっしゃいますがわたしは違うと思います。思うというか肌で感じています。XSR700の価格は比較的高く、ちょっと上乗せすればXSR900に手が届きます。キヤノンでいうなればR8とR6の関係。R8は撒き餌カメラのはずなのになんであんなに高いのか。ならばR6にちょっと無理して追い金しようかな、って思ってしまう。よくわからない値付けです。
 確かにXSR700も値付けがよくないのかもしれませんが、その値段にあった十分な所有感はあり、MT07と比べると納得せざるを得ないような気もします。

 ではなぜわたしがXSR700が売れないと思うのか。お答えしましょう。
 サイズです。
 これは日本の免許制度が原因です。
 つまり大型二輪の免許をせっかくとったのに…。という思いがどうしても交錯するのです。
 なぜならばこのバイク、中型バイク、今の言い方だと普通自動二輪に間違われるのです。
 最近記録を更新しました。なんと125ccに間違われました。
 郊外にある短い有料道路。まだ係員が料金を徴収するところもあります。
 そこで、お兄ちゃんに「125ccですか?」と言われました。わたしは思わず自嘲してしまいました。安く通過できるなともちょっと思いましたが、もちろんプライドを持って「700ccです」と答えましたとも。どうせナンバープレートでバレる。
 これはXSR125の影響なのかもしれません。XSR125は車体が大きく原付二種としては立派です。見た目もXSR700に似ているような。
 この小さく見えるというのが大型二輪免許ホルダーたちの自尊心を傷つけるのだと思うのです。
 せっかく大金はたいて大型免許をとったのに…、と。

 今では教習所で大型とれますが、いきなり大型はとれません。制度上は普通自動二輪を取得したその後すぐに大型と順を追えばとれるのですが難しいです。よっぽどバイクに乗り慣れた人でないと無理。わたしも教習所で中型から大型に書き換えたのですが、あきらかにバイクに乗り慣れてない教習生もいて四苦八苦していました。転んだりと危ないところもなんども目にしました。やめたほうがいいです。なによりバイクが嫌いになりそうです。ステップを踏んだ方が絶対にいいと確信を持って書きます。原付のクラッチ付きのバイクで練習したほうがいい。原付→普通→大型が必勝パターンです。原付クラッチ付きバイクもまた楽しいものです。いまはもうないのかもしれませんが。ならば原付二種→普通→大型で。
 大型免許をとったら大型のバイクを買うのでしょう。バイク初心者に大型バイクは危険すぎます。ステップを踏んだほうが絶対に安全です。
 また、大型免許をとろうとする人の大半がステップアップ組です。つまりすでに熟練ライダーです。そんなところに混じって教習を受けるのです。自尊心がズタズタになりますよ。大型免許コースに初心者コースはありません。熟練者コースしかないと考えてください。楽器教室でいうなれば「目指せセミプロコース」しかない。ギターで言うなればコードなんか教えてくれない。作曲のしかたなんかをいきなり勉強することになるのです。

 わたしは自動車もマニュアル車に乗っていました。さすがにもうマニュアル車自体があまり売っていないので全段ロックアップのAT車に乗っていますが。久しぶりに教習所に通って思ったのは普通自動二輪までの教習を受ける人はクラッチの操作でまごついていました。時代だなと思いました。わたしが普通自動車免許を取得した時代にはまだMT車が選択肢にありました。なのでMT免許を取りましたし同世代の仲間はみんなMT免許でした。なのでクラッチの概念がわかる。しかし今はもうAT限定免許が第一選択肢なのでしょう。大人から高校生までみんなバイクのクラッチ操作でつまづいているのが見うけられました。
 自動車のMT車は2本の足で3つのペダルを操作するので比較的難しいとは言えます。正確には1本の足で2つのペダルでしょうか。しかしバイクは手足4本で4つの機構を操作するので簡単です。一対一ですから。最近バイクにもAT車が増えつつありますが、そんなに楽して乗りたいものなのかね、と思います。そもそもバイクは楽な乗り物ではないのに、と。しかしながら売れるから開発が進むのですよね…。

 脱線しました。XSR700のことを書きます。

 XSR700。せめてどこかに「700」という数字を車体に貼ってもらえればもっと売れたのかも、と思いますがゴチャゴチャとしたグラフィックが無いのがXSR700のかっこよさなのでそれはなくていい。
 免許制度というヒエラルキーが無い、または薄い海外においてはXSR700は受け入れられたのでしょう。しかしながら日本にはあるのです。大型自慢おじさんはどこにでも発生します。

 「男子にもてる」バイクの2位。なるほど興味深いデータです。縦社会に生きる男共はヒエラルキーに敏感。なのでXSR700はかっこいいと思ってはいても、所有はしないのでしょう。一目で大型とわかるバイクやグラフィックに6とか07とか900とか1000とかある車体を選ぶ。わかります。わかっちゃいます。わたしも男族なので。縦社会大好きです。縦社会でしか生きられません。
 ではなぜそんなわたしがXSR700を選んだのか。かっこいいからです。あと、車体がでかいバイクにも乗っていたことがあるのですが、でかいバイクは稼働率がグッと下がるのです。バイクに乗らなくなります。駐輪場から出すのがめんどくさいからです。重いしでかいし。
 その点XSR700は小さく(涙)軽いので、コンビニに行くバイクとしても使います。スーパーにお買い物にもいきます。積載能力は0なのでリュックを背負いますが。それでもパッと出てパッと帰ってくるなんてことがこのバイクでできます。そしてもちろんたった数分のライドでも十分に楽しい。
 ヤマハ独特のコーナーに切れ込んでいく感じ。乗れば乗るほどうまくなっていく感じ。そして盆栽バイクとしても最適。カバーを外してリビングから眺めるとほれぼれとします。
 わたしは125ccに間違われるほどの見た目の小ささを欠点とは思わないのです。その代わり、ちょい乗りで使えるのです。深夜にF1、またはサッカーの中継がある。まだ小一時間ほど間がある。ちょっと飲み物でも買いに行こうか。そんなときにこのバイクに火が入るのです。ちょっと遠くのコンビニまで行ってくるか、と。音も静かです。近隣住民に迷惑をかけません。さっと出してさっと乗れる。男特有の「いばり」さえ捨てればこんなに良いバイクはあまりありません。
 ただ、そんなXSR700には決定的な弱点があります。それがわたしを悩ませています。あたりまえなのですが長距離移動が難しい。カウルがないので高速では風圧を上半身で受けとめる必要があります。だいたい時速90kmくらいまでですね。それ以上は上半身が風で持って行かれそうになります。これはカウル無し車両にはつきものの特徴なのですが。
 しかしながら中距離、近距離の移動にこれほど適応したバイクはあまりありません。700ccのトルク重視のエンジンと取り回しの良さ。重量は400ccのバイクほど。通学、通勤にも使えると思いますよ。

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