NINJA1000SX最終型に買い換える
これからオートバイの事を書きます。機械や理屈に興味がない方、ブラウザバックしないでください。少しはためになりそうな事も書きますので御願いします。
こういう理屈の話しをするとほぼ100%の女性がスマホをいじりだします。わたしは男です。理屈っぽいと言われる人間は100%男性です。つまり理屈っぽい人間の100%は男性なのです。しかし100%の男性が理屈っぽいかといえばそうでもありません。体感20%くらいの男性だけが理屈っぽいです。もっと少ないかもしれません。なので100%の女性と80%の男性、ブラウザバックしないでください。お昼休みの暇つぶしにでも読んでいってください。
オートバイとはほぼエンジンに人がまたがれる部品をつけただけの乗り物です。生命体をむき出しにして時速100kmくらいで移動する機械です。たいへん危険な乗り物です。
ではなぜそんな危険な乗り物に乗るのか。
わかりません。
夏は暑いし冬は寒い。車のほうがずっと快適。車にはボディがありますから、シートベルトを締めて法定速度で運転していればほぼ死にません。
ではなぜわたしは危ない機械にわざわざ乗ろうとするのでしょうか。
わかりません。ほんとうにわからないのです。
ただ言えるのは楽しいからです。他には代えがたい楽しさがこの乗り物にはあります。しかしながらオートバイに乗る理由として「楽しいから」という理由は脆弱だと思います。
例えば楽器の演奏も楽しいからやる、でしょう。でも楽器はオートバイとは違い命の危険がありません。危なくない。筋肉の筋を痛めることはあるでしょうが命までは落とさないと思います。
オートバイとはそんな乗り物です。わたしは人に勧めることもためらいます。なにせ「死んだな」と思ったことが2度もあります。むしろ乗るなと言っておきましょう。乗ってはダメです。
ただ付き合っている女性が乗るなと言ってきたら別れましょう。理解してくれる女性、またはわたしも乗ると言ってくれる女性のほうが人生のパートナーとして楽しいからです。カップルでツーリングしているペアを見ると最高の男女やな、って惚れ惚れします。
わたしはかつて、おんぼろ外車で女の子とドライブした際、高速道路でオーバーヒートして白煙をあげ、立ち往生をしたことがあります。助手席の女の子は大声でゲラゲラ笑ってくれました。そして非常階段から降りて近くの民家からペットボトルに水をつめてきてくれ(ペットボトルはトランクに用意済み。必需品)、なんとか急場をしのぎました。わたしはその子と結婚を決意しましたがふられました(笑)。いや(泣)。最高にいい女だと今でも思っています。人生を共にするならばこんな女性がいい。だってうまくいかないじゃんこの人生というゲーム。
さて。
わたしはヤマハのXSR700というオートバイを売りカワサキの1000SXというオートバイを買いました。
はいヤマハ、カワサキでブラウザバックしようとした方々。ちゃんと説明しますね。もう少し辛坊してください。昼休みはまだあります。
これらはソニーとかAppleみたいなメーカー名です。
日本には4つのオートバイメーカーがあります。ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキです。ほかにもありますがこの4つだけ覚えていれば大丈夫です。
これらのメーカーのイメージをラーメン屋さんに喩えましょう。
まずホンダ。街中中華のラーメンでしょう。誰もが知っていて誰もが及第点を出す中華料理屋さんのラーメンです。店構えはおしゃれではないが汚くもなく、ガラスが入っていて店内の様子は丸見えです。一見さんでも入りやすい、むしろ小腹が減ったなくらいな感覚でも入店できる気安さ。店主も気安く雑談に応じてくれるフランクさ。家族向けです。
つぎにヤマハ。これはおしゃれラーメン屋。白を基調とした外壁で扉しかなく、窓はあっても磨りガラス。のれんは白を基調としておしゃれなフォントで店名が記されています。カウンターは白木で厨房内も清潔感にあふれおしゃれ。メニューも空白が多用され、きちんとデザインされたモノ。しかしちょっと一見客にはバリアがある感じ。サイトとかで入念に下調べしたあと門をくぐる感じ。店主は鋭利なオーラを出しています。気安さはないけど、的を射た質問にはていねいに答えてくれる感じ。デート利用可。
麺にもスープにもこだわりが感じられ、味はマイルドでスッキリ。具材のレイアウトにもこだわりが感じられます。
スズキはもうとがったラーメン屋。辛いとかボリューミーとか1点突破型。わかる人にはわかるがわからない人にはわからない。注文も暗号のようで一見にはつらい。常連から帰れという視線すら感じる店内。
ラーメンマニア御用達で客はその店のファンしかおらず、店もファンしか相手をしない感じ。ただいったんファンとなるとそこから抜け出せない魅力を持っています。
なので店構えとかにはとくに気を遣わない感じ。
最後にカワサキ。きったない店構え。メニューは1種類。麺極太脂マシマシスープ濃いめ。店主はゴツいオジさんでラーメンが配膳されるとき、店主の親指ががっつりスープにつかった状態で運ばれてくる。客はそのラーメンというよりその店主のファンだけが集まる。寡黙な店主と寡黙な客。人の声は店主の「おまちー」というしわがれた野太い声だけ。客はだまって食ってだまって帰る。
以上わたしのイメージ。
さらにネットミームとなっているこの4メーカーの小話を引用します。
……………
ホンダのバイクを
ヤマハに持ち込む:まぁ、ホンダも直せなくはないけどね
スズキに持ち込む:ツマラン、どこかに細工してやろうか…
カワサキに持ち込む:出てけゴルァァァァァァァァァァァ!!
ヤマハのバイクを
ホンダに持ち込む:おぅ、ヤマハさんのバイクか
スズキに持ち込む:打倒ホンダの僚友だ、バッチリ直してやるぜ
カワサキに持ち込む:けっ、優等生バイクか
スズキのバイクを
ホンダに持ち込む:けっこう癖のある作りしてんだよね
ヤマハに持ち込む:スズキさんか……部品取り寄せとか大丈夫かな
カワサキに持ち込む:スズキか、最近小奇麗にまとまっちまいやがって…
カワサキのバイクを
ホンダに持ち込む:カワサキか…
ヤマハに持ち込む:カワサキか…
スズキに持ち込む:カワサキか…
カワサキに持ち込む:カワサキか…
………………
https://dic.pixiv.net/a/カワサキか…
この小話の「カワサキか…」を補強すると、どのメーカーの販売店もカワサキのオートバイが修理でやってくるとがっかりしているのです。そしてカワサキですら自社のバイクが持ち込まれるとがっかりしているのが笑うポイントです。
ピクシブの解説にもありますが、現代ではほぼどのメーカーを選んでもがっかりすることはないでしょうし、オチとなったカワサキは目を疑うようなイメージアップに成功し、現在ではおしゃれなkawasaki plazaなる販売店を展開させています。ですが私感ですが結局はやっぱり「ああ、カワサキか…」と思ったことを白状しておきます。車のディーラーでいえばマツダかスバル程度。トヨタにはとてもおいつけません。マツダ、スバルの「あ、車買いにきたの? 好きに見ていっていいよ」感はすごい。より趣味性の強い外車ディーラーのほうがもっと来訪者を客として囲い込む。お茶はともかく水すら出そうとしない接客態度。むしろすがすがしくて気持ちがいい。これではトヨタ車が競合にある場合、ディーラーの接客態度の差でトヨタに持って行かれるでしょうね。車に関心がない人は営業マンの態度で決めちゃいますからね。
カワサキのディーラーはなんだかちぐはぐでした。店内ではレーシーな映像とサウンドが流れていますが、カワサキのイメージってレースでしたっけ?
どちらかといえばツーリング要素のほうが強いのかと。ならば、焚火がはぜる映像や雄大な風景を走る映像のほうがイメージに合うのかと。唯一見入った映像は「液冷エンジン」の歴史として「飛燕」がらみのイメージビデオだけ。これはカワサキのイメージ戦略として正しい。なにより見入ってしまいましたし。カワサキがレーシーで売るのは違うかと。ダイハツがF1のイメージ映像を店内で流すようなモノ。店内でF1のイメージ映像を出していいのはホンダだけでしょう。次点でトヨタ。一応今でも関連性を保っていますし。あとはルノーとのからみで日産ですか。でも弱いな。
なんかしっくりこないなー、という店内ですごした印象を受けました。そしてやっぱカワサキはカワサキか、とちょっと安心したのです。
わたしは30年くらい前、カワサキ車で本格的なオートバイデビューをしました。オートバイデビューは学生の頃、原付バイクでMTXというホンダの変速付きつまりスクーターではないオートバイでデビューしました。
50ccのホンダ車で公道デビューしたあと、普通二輪免許をとってZZR400というカワサキ車で本格的デビュー。その後ヤマハのバイクを乗り継ぎ、またカワサキに戻ってきました。
30年前のカワサキ車はTheカワサキ車で、変速機が壊れたとき、エンジンごと載せ替えるという大手術を無料で受けました。載せ替えたエンジンからも終始カチャカチャ音は消えず、大丈夫かと店に持ち込んだら「そんなモノ」と一蹴されたのも良い想い出です。
あと一速に落としたとき、ガコン!と車体に衝撃が走るのにも慣れました。なにせ当時の教習車はホンダのCB400という精緻なマシンだったので、買った当初は壊れているのではないかと思ったくらいです。でも、街中で走るカワサキ車を観察すると、どの個体も信号青でガコン!となっているのを見て、「これがカワサキか…」と納得したのです。
今回、色々カワサキのディーラーを回って聞いてみたのですが、カワサキ特有のガコンとカチャカチャ音について答えてくれたメカニックがいました。カワサキは壊れにくいように「遊び」が多めになっているとのこと。遊びとは人間で喩えるならば几帳面さ。極度に几帳面な人って心が壊れやすいでしょ? 大雑把な人ほど心が健康なように思います。「まあええがなええがな」と自分にも他人にも寛容。心を痛める危険性が低い。
遊びが多く、部品も強度の高いモノを使っているから雑音が多めでニュートラルから1速への衝撃が大きい、とのこと。壊れにくさ重視。実際ZZR400は変速機がぶっ壊れましたが、載せ替えた後は故障無しでした。一度大きく壊れましたがその後小さな故障は無し。意外なことにホンダ車には電気系のマイナーなトラブルに悩まされました。電気系なのですぐに直るのですが。ヤマハ車は壊れないですね。ヤマハには技術的マージンがずいぶんありそう。できるのにやらない感。トヨタの血が入っているからなのかマイナートラブルすら無し。
なぜ再びヤマハからカワサキに戻ったのか。
それはより企業の余裕を感じたからです。つまり企業としてヤマハよりカワサキのほうが余裕がある。
カワサキとは川崎重工業のことです。川崎重工業とは工場を作ったり、新幹線を作ったり、船を作ったりするメーカーです。客のほとんどは国、地方公共団体、企業です。わたしのような個人が買える製品はオートバイか水上オートバイくらいです。水上オートバイはマーケットが極小なので、ふつうの一般人が買えるのはオートバイだけと言っていいでしょう。
新幹線やロケット、発電プラントなんかを売っている川崎重工がなぜオートバイを個人に売っているのか。
わかりません。
ただ言えるのは同じような企業、三菱重工よりは身近に感じられます。
しかしながら国や都道府県、JRなどの大企業が三菱重工より川崎重工のほうが身近に感じるから「川崎にするか」、と思うかどうか。
思いませんよね。落札でしょうから額や性能で吟味されるはず。
イメージアップのためにオートバイ事業をやっているとは考えにくい。
わたしの推論ですが趣味でオートバイの生産をしているのだと思います。
オートバイの売り上げ額なんかたかがしれています。自動車ならともかくオートバイですよ。これを事業の柱とするには川崎重工はあまりにも巨大すぎます。
カワサキが趣味でオートバイ事業をやっているとするならば、カワサキ車のラインナップにガテンがいきます。
カワサキ以外はエンジンの種類、車種を減らしにかかっています。
集中と選択というヤツです。
つまり少ない投資で最大限の利益を、というやつです。
1000SXのエンジンは4気筒です。軽自動車はだいたい3気筒です。普通車で4気筒。高級車で6気筒から8気筒。つまり数が増えれば増えるほどエンジンは高級になると言っていいです。
オートバイだと1気筒から4気筒まであります。最近2気筒のエンジンが多く、4気筒のエンジンは減りました。かつては250ccクラスでも4気筒エンジンはザラにありましたが現在ではほぼ絶滅してカワサキが頑張っているくらいです。
気筒が増えれば増えるほど部品点数が多くなります。1気筒より4気筒のほうが部品が4倍に増えるモノが多数あります。つまり作る工程が増え、作る時間も増えます。結果高価となり、製品の値段も跳ね上がります。人件費がもっとも高いですからね。
ではなぜカワサキが値段を気にせず4気筒にこだわるのか。
4気筒でしか味わえないフィールがあるからです。それをわたしのようなライダーは好ましいと思うからです。
たとえば500ccの単気筒は気筒が1つしかないので一回で500cc分のガス(気化したガソリン)を爆発させます。500ccの4気筒は500÷4なので、125cc。つまり一回で125ccしか爆発させません。125ccの爆発を連続して4回おこしてエネルギーを取り出します。どちらがスムーズにタイヤを回転させるのか直感で理解していただけるかと。餅をぺったんぺったん一人の男がつくより、餅つき器でモーターがぐりぐり高速でこねるのとどっちが効率的か。
1気筒のエンジンは回転数が上がりません。ドカドカドカと動く。4気筒はスルーと動きます。2気筒はこの中間です。
近頃の車は変速機がとてもよくできていて、3気筒の軽自動車でもかつての高級車のようなフィールで車が加速していきます。ほんとうにもう軽自動車で十分。機械っぽさがないくらい。ゲームのコントローラーのよう。これではもう車は白物家電扱いですね。冷蔵庫を買うときこのメーカーのこの型番以外買わない、っていう人はほぼいないでしょう。車はもうその域まで行ってしまいました。車を所有したいという人が減っているという事実は、最近の軽自動車に乗って理解できました。
1000SXに乗って最初に思ったのはこの4気筒の恩恵ですね。ハンドルに伝わる振動がほぼありません。
あと1000SXには多数の操作をアシストする機械がついています。XSR700にはABSくらいしかついていませんでした。これも大きかった。1000SXはクラッチ操作がなにしろやりやすい。
1000SXのレビューを動画静止画問わず見まくったのですが、バックトルクつまりエンジンブレーキの効きが良すぎるとのレビューを見たのですが大げさでした。新型のバイクらしくバックトルクはほどよく抑制されていて、普通に操作していれば後輪がロックすることなどありません。
曲がりにくいとの意見もありましたがよく曲がります。
youtubeなどでバックトルク多め、曲がりにくいとレビューしていた方、まさか教習所を出たばかりのライダーなのでは。教習所の速度域と公道では速度が違いすぎます。または公道で飛ばしすぎか。
1000SXは操舵に関しては文句のつけどころがない優等生です。人気車種であることが理解できました。長距離を楽に移動するには最適なオートバイです。
これが現代の「カワサキか…」と。
カワサキ車によく見られたガコン!というニュートラル→1速への変速ショックもマイルドになりました。ほかのメーカーと変わらないくらいに。
やや呆れるくらいにマイルドになったカワサキ車。エンジンフィールも良好で低回転でも十分にトルクがあります。2500rpmくらいで事足ります。さすがに1000ccという余裕でしょうか。
トルクとは「回転しようとし続ける力」でわたしは理解しています。
たとえばペットボトルで作った風車と山の上に立っている発電用の風車。ペットボトルの風車は指で回転を押さえられますが山の上に立っている発電用の風車は指で回転を止められそうにないですよね。これをペットボトルの風車はトルクが無く、発電用の風車にはトルクがある、と言いかえられます。トルクは強い弱いともいいます。
排気量つまりエンジンが気化したガソリンを燃やせる量が多いほどトルクは強くなります。つまりエンジンが止まりにくくなる。回転しようとする力が強いということです。
1000ccもあれば一発が250ccなのでかなりの量のガスを爆発させられるのです。
トルク最強の動力はモーターだと言えるでしょう。なにしろモーターには変速機はいりません。モーターに比べるとガソリンエンジンはペットボトル風車くらいのトルクしかありません。なので変速機を使ってエンジンの力を路面に伝える必要があるのです。最初は大きな歯車を使って少しだけエンジンの力をタイヤに伝え、じょじょに歯車を小さくしていき最後にようやくエンジンとタイヤが直結する、みたいに。
逆にモーターはトルクが強すぎて不便です。ミニ四駆などのモーターがついたおもちゃで遊んだことがある人ならば理解が早いはず。ミニ四駆はスイッチオンでいきなり最高速度に達します。
これでは人間は乗れません。モーターONで時速100kmまでいきなり加速する車になります。電車なんか発車と同時にいきなり車内が血だらけになります。
なので電車などのモーター車には逆にモーターの回転数を抑制する機械が取りつけられています。
インバーターというヤツです。冷蔵庫やエアコンなどの宣伝でインバーターという言葉を読んだり聞いたりした人も多いはず。最近ではインバーター制御があたりまえになっていますから売り文句になってないですが。
古い旅館やホテルに泊まったとき、夜間ボワーンと冷蔵庫にスイッチが入る音を聞いたことがある人はいますか? それが昔のやり方なんです。インバーター無しの制御。つまり電源のオンオフで庫内の温度を調整しているのです。たとえば5度以上になったら冷蔵庫のモーターON。3度以下に下がったら冷蔵庫のモーターOFF。なので突然思い出したようにボワーンと冷蔵庫から音が聞こえる。
インバーター制御だとゆっくりモーターを回せます。なのできめ細かい温度管理ができるのです。インバーターのしくみは解説できるのですが、ブラウザバック必至なのでやりません。いやここまで読んでくれた人ならば耐えてくれるか。昼休みはまだ残っていますか?
電車だとスイッチオンで時速100kmまで急加速するのはまずい。なのでかつては電気を熱に変えてちょっとだけモーターに電気がいくようにしていました。かつてホームと電車の間のすき間から熱がもわーんと上がってきていたことを覚えている人も多いはず。結構年齢層高めでしょ。このnote。
数十年前まではいらない電力を熱にして捨てていました。喩えるのならば発車するときは鉛筆の芯とかようやく電気を伝えられる線でモーターに電気を送り、すこしずつ銅線みたいな電気を伝えやすい線に変えていく、みたいな。しかしながらこれでは効率が悪い。熱としてエネルギーを大気に捨てていますから。そこでインバーター制御。ICチップの発明と小型化によって成し遂げられた技術。インバーター制御には交流モーターが使われます。ブラウザバックやめて。交流とはプラスとマイナスが入れ替わる電気。この入れ替わる周期を自在に変えられるのがインバーター。インバーターは「プラス マイナス プラス マイナス」を「プラスマイナスプラスマイナスプラスマイナス」と自在に周期(プラスとマイナスの入れ替えタイミング)を変えられます。交流モーターは電気磁石のようなモノです。最初はゆっくり磁石をプラスからマイナスに変化させ、モーターの回転を自在に操ることに成功したのです。
これはICをスイッチとして使ってこそなせる技。高速でプラスとマイナスを切りかえることができるので電車は熱をあまり出さずにじんわり加速しながら最終的には時速100km以上でぶっ飛ばせるのです。
まだインバーター制御(VVVF)ではない電車は現役ですが、各鉄道会社はインバーター制御車への変換を熱心にやっています。なぜならば新車を入れたほうが儲かるから。熱として電気を捨てていないのでインバーター制御のほうが低燃費なのです。エアコンもインバーター制御によってずいぶん電気代が安くなりました。電車も同じで高額な新車を買っても元がとれるのです。燃料をバカ食いするアメ車でタクシーやるよりプリウスのほうが車両価格が高くてもやがて元は取れるという計算です。
ホームでよく耳にするクーンという音がインバーターの音です。あれで周波数を変えてモーターに電力を伝えているのです。インバーター車のモーターは交流モーターです。なので架線に直流が流れていてもモーターは交流です。なんなら架線が交流でもいったん直流に変換してまた交流モーターに流しています。もうわけがわからないでしょう。つまりインバーター制御とは直流を交流に変換することでもあるからです。変換というより直流を交流のようにみせかける機械といいましょうか。これができるので交流モーターをまろやかな回転数に変換することができた。
直流・交流。ブラウザバックのタイミングですね! わかりますよ~。でもブラウザバックする前に豆知識。発電所でできる電気は交流だけです。では交流だけでいいですよね? なぜ直流が必要なの? って思いますよね? でも電池で溜められる電気は直流だけなんですよ。電池、必要ですよね? という世界線に生きているわたしたちは交流と直流、2つのタイプの電気が必要なのです。
ずいぶん話しが飛びましたが、トルクとはそういうことです。
誰かが言っていましたがエンジンはトルクの大きさでその良さが決まると。これはかつて本当でした。つまり50ccより1000ccのほうが乗りやすいと。車ならば800ccより3000ccのほうが乗りやすい。
でもこれもまた変速機の進化で変わりましたね。変速機が高性能になった今、軽自動車で十分かと。
ただ。高速道路ではやっぱりトルクの強い車のほうが楽です。のんびり運転できます。しかし一般にどれだけ高速道路を多用するかなんですよね。2時間くらいなら軽自動車で十分なような気がします。
なのでわたしも2気筒のXSR700でいいやと思っていたのです。
が、より趣味性の強いオートバイ。近所の買い物などはそれそこ125ccオートマ単気筒のスクーターで十分。必然的にそれ以上の距離を走ることになったXSR700なのですが2気筒だとしんどいと感じたのです。振動の大きさとなにより風防の無さ。数時間連続して高速を走ると振動で手の感覚がなくなるくらいでした。さらに風よけとなる風防がないので時速80kmが限界。それ以上は体に受ける風の強さが限界に達し、かなり辛くなりました。若い頃ならまだ我慢できたのかもしれませんが、もうおっさんもおっさん。楽をしたいお年頃。我慢の限界に達し、4気筒、風よけ付きの1000SXへの買い換えを決断したのです。
XSR700はいいオートバイでした。大型にしては小型なXSR700。アシスト機構もほぼないXSR700は旧車のようで今となっては旧車でデビューしたおじさん層にとって懐かしさすらある乗り味。なによりかっこいい。名残惜しさはありますが、手元で腐らせることになるのも忍びなく、売り払う次第となりました。
さてかつては気むずかしそうなおやっさんが経営していたカワサキラーメンは、街道沿いにある家族向けのチェーン店のようなラーメンになっていました。誰もが不満を持つことがないだろうその乗り味。大型初心者向けとの声もありましたがなるほどと思うほど。
すっかりやさしくなったカワサキ車ではありますが、4気筒にこだわる姿勢はきむずかしそうなおやっさんそのもの。少ない材料で味付けを変えてメニューを増やす他店とは違い、余裕のエンジンラインナップ。
これができるのは本筋で儲けているからだと思うのですが、それができるメリットを最大限生かした経営戦略だと思います。
4気筒、やっぱり魅力があります。多気筒エンジンはホンダだというイメージがありましたが、現在では多気筒エンジンはカワサキ。ホンダは日産を救済するようですが大丈夫なのでしょうか。日産はブランドを牽引していた安くて速い車種を消滅させ、高級車へとシフトさせたように思うのですがそれが原因で失敗したのかと。ホンダもとがった車種を減らして高級車ブランドになりたがっているよう。同じベクトルを描く両者がつながることに不安です。
ホンダはかつて125ccクラスに5気筒エンジンを持ち込んだメーカー。
一発当たりの排気量が減ると排ガス対策がむつかしくなると聞きますが、カワサキが250cc4気筒を復活させたのです。ホンダならばできるでしょう。無茶な多気筒こそホンダのアイデンティティーになるのだとわたしは思っています。変速機も過給器も大進歩を遂げましたし。
2000ccV8とか数千万円で売れば売れなくてもイメージ戦略を加味すれば元がとれるのでは。またはホンダ1000cc直6ツインターボエンジン搭載のGTRとか。車体はハコスカくらいコンパクトにして。
多気筒エンジンには他には変えがきかない魅力が詰まっていました。