見出し画像

オサーンは天下を取りにいく①

「年間ベストセラーの計測が始まる11月末に発売できませんか?」

はあ?何言ってんだコイツは、と思われただろう。
Amazon週間ランキングに入るだけでもどんだけ大変なのかと。森永さんクラスの知名度と話題性があってやっとこさ食い込めるものなんだよと。そもそも、ランキングを見てみいと。変なヤーツとか絵本とか美容とかお勉強とか自己啓系とかばっかやないかと。エッセイ的なヤーツ(いちおー当シリーズはノンフィクションを謳っているが、どの書店に行ってもエッセイコーナーに置かれている)でゆうたらトットちゃんとかいうバケモノ的な(著者を含め)ロングセラーしかないやん、と、小一時間説教したくなるのをきっと堪えて(俺の勝手な妄想)

「いちばん重要なのは作品のクオリティーなので、しっかりと作り上げたいと思います。」

という、ド正論な編集者様の言葉に俺も
「I see。」
でも、いいじゃない。メンズコーチニキも目標高くとかクラーク爺も大志抱けとか布袋様もアンビシャスゆうてるしね。
ちなみにこのド正論カウンターを受けたのが2024の夏。
コツコツと書き溜めたエピソードを時系列にまとめて一本化したファイルを送り終えたところだった。
あとは編集者様、よろ!俺、乙🫡
と思ってた。分量も十分だった。
ていうか、多過ぎた。
この日記シリーズは4章構成で約200ページの分量がベースとなっているが、俺は勝手に5章まで作って分量も多分300頁近かったと思う。
この日記シリーズの元祖である柏耕一先輩(というか、俺の中では海王)の『交通誘導員ヨレヨレ日記』では2年半のアルバイトとしての警備員生活を綴っていたのに対し、俺の場合は19年もフルタイムでやってたから、それを全部書くとどうしても多くなるのはやむなし。
そっから文章を削ぎ落としながら推敲するという、ボクサーの減量のような苦行が始まった。

画像はイメージです。


女子留置時代のエピソードを全カットとか、編集者様によるゴーン様のような容赦ない構造改革と細かすぎる質問千本ノックに喰らい付いていくうちに、ズバズバと原稿が進んでいく。
そしていよいよ初校ゲラというものが完成した。


オサーンは天下をとりに行く②