【反省文】情報システム部門"だからこそ"の価値を伝えてませんでした。
先日、以下をX(旧Twitter)で発信しました。
今回は、持ってる知識と経験を後任となりうるメンバに伝えてなかったことへの反省文です。
経験や知識を、他の人にタダで渡すなんて
もったいない。
なんで後輩やメンバだからタダで伝えないと
いけないの?
って意見があるんですが、
私はそんなことはない。と気づきました。
昔は私もそう思ってたんですよ。
でも、今は違う。
その「違う」理由は後ほど。ご興味あれば
最後までご覧いただけるとうれしいです。
本note「情報システム部門」の役割
情報システム部門って
聞きなれない人もいるでしょう。
役割としては、企業の中のITツールやインフラを
整備し、維持運用していくことを担います。
管理間接部門で、多くの企業は利益は生まない
「コストセンター」と位置付けているのでは
ないでしょうか。
最近は、デジタル化の流れで、利益を生み出す
「プロフィットセンター」への変換を期待されてたりもします。
が、社内の多くが認識し、期待してるのが、
コストセンターとしての情報システム部門です。
情報システム部門が存在しない場合は、
総務の部署の一部、とか
経理の部署の一部、の役割として
定義されている企業が多いです。
子会社だったり、別の会社として独立していることもあります。
今回は、
企業内にある一部署としての情報システム部門
を対象に、以下のnoteを書き進めます。
もし、
上記以外の位置づけなら、
どう読み替えたらいいの?
って気になるかたは、個別にお知らせください。
実体をちょっとお伺いして、追記します。
情報システム部門への期待と困りごと
コストセンターとしての情報システム部門は、
売上:ゼロ円。
経費:めちゃくちゃな金額。
なので、独立採算なら赤字です。
企業規模が小さいほど、
この経費は真綿で締め付けるかのように
じわじわとかさんできます。
じゃあ「めちゃくちゃな金額」が
ゼロにできるかというと、
そんなことはないです。ゼロにすると、
ネットワークが使えない
パソコンが使えない
スマホがネットワークにつながらない
アプリが動かない
ウイルス検知したっぽい
な、いろんなことを各部門で
対応することになり、会社にとって非効率。
なので、それ専門で対応する部署を作って
集約するという効率化を企業は選択するので
「必要悪」のような存在になりがち。
各部門の困りごとや要望を対応する。
っていうと聞こえがいいんですが、
「便利屋さん」のような部署になりがち。
これはこれで、めちゃくちゃ価値あるんですが、
メンバがすっごい疲弊する。
ちょっと話それますが、「便利屋さん」って、
すごいメンタルのタフさと知識と能力が
いるんですよ。
できないと批判される。
できて当然と思われる。
平凡な一般人では、務まりません。
だから、そんな人が「便利屋」をやると、
疲れます。身も心も。
なので、
・できること
・できないこと
を分ける必要あります。
で、実力が伴わないと
できないことが増えます。
情報システム部門のような進歩が速いツールを
扱っていると知識も能力も不足しがち。
なので、
できないことが雪だるま式にふえます。
他の部門から見たら
「情報システム部門がOKと言ってくれない」
と言われるのは、この点があるからです。
できる、と言ったあとの失敗が怖い。
加えて、
ルールもないから
OKともNGとも言えない。
だから、「できない」と言っちゃいます。
他の部門からすると、歯がゆいですよね。
情報システム部門の存在価値のヒントが
ここにあります。
情報システム部門の提供価値って、何?
価値を「利用者やお客様が望むもの」と
定義すると、上記を踏まえ
提供できる価値として
次の4点が挙げられます。
1)利用部門とSIer間の"翻訳"
2)非機能要件の明示と担保
3)利用部門が考える価値に、更に価値を山積み
4)時代にあわないルールとツールのチェンジ
冒頭のポストで挙げた3点(1~3)は、
業務アプリを担当する部署向け、
追加の4.は、情報システム部門全般向け
と、ちょっとだけ担う役割で異なります。
それぞれ解説します。
利用部門とSIer間の"翻訳"
音声noteでも解説したほど、実は大事です。
・経営者
・利用部門
・システム構築の専門家(SIerと呼んでます)
それぞれが会話で使う言葉と単語の意味は
全く違います。
同じ単語でも、違う意味で使ってたりします。
なので、
それぞれ何を言いたいのか
何を求めているのか
を理解し、他者にわかるように
言い換える必要があります。
まるで、日本語と英語の翻訳のように。
これができないと、システム構築終盤の
テスト段階で一気に問題が噴出。
炎上案件になります。
"翻訳"できるようになるために一番いいのは、
それぞれの立場での経験すること。
知識だけだと、どうしても理解が浅くなります。
教科書や解説に現れない
現場や実践して気づける"行間"があります。
小規模案件を1人でやってみたり、
それぞれの役割での困り事を聞いたりして、
行間を埋める理解するような行動ができると、
"翻訳"できるようになります。
非機能要件の明示と担保
利用部門は、やりたい事を具体的に伝えることは
できます。しかし、
システム開発そのものの知識は乏しいです。
もれがちなのが、いわゆる非機能要件と言われる決めごと。
これができないと、
想定外が発生した時にすぐに止まっちゃう
"使えない"システムができます。
例えば、
想像以上にアクセスが集中して、サーバがダウンしたり
サイバー攻撃の被害にあって業務が1ヶ月とまったり
お客様のデータが消えて、もとに戻らなかったり
などなどが発生します。
回避するためには、
非機能要件とはなにか?を学ぶこと。
そして、
利用者のニーズを満たす非機能要件を
検討・提案すること。
地味なんですが、"使えないシステム"ほど、
経営にダメージを与えることはないです。
「システム入れたら〇〇の効果が出ますよ」って約束して導入したはず。
であれば、
その効果が出ないというのは
約束の背反の事実になります。
結果にコミットしてない状態は、
信頼を一瞬で壊しかねません。
利用部門が考える価値に、更に山積み
利用部門が考えるプロセスを見たときに
「あっ、こうすればもっと
儲けが出るんじゃないか」
「おんなじことを別の部署でやったな、これ」
みたいに気づくことがあります。
この気づきは、どんどん提案しましょう。
やることが増えますが、
その提案が価値あるものであれば、
利用部門も経営者も喜んでくれます。
利益が上がれば、賞与が増えたり、
提案の実績から昇進するチャンスが増えます。
そのチャンスを増やすためには
「利益が上がるなら、大変でもやりたい」な
好奇心と、
気づける知識の習得
が必要です。
好奇心あっても、提案できるネタがないと、
提案できないんですよね。
好奇心と知識があっても、提案できる場がないと、できないんですよね。
好奇心と知識と提案できる場
この3つが揃うのはまれ。
そのまれな時に提案できるかどうか。
そのための準備ができることがとても大事。
この準備ができる人は、
どの業種に転職しても、必ず役立ちますし
重宝がられます。
コンサルタントという、給料単価がめちゃくちゃ高い職種への転換や、
フリーランスとしての活動もできたりするほどの高スキルとなります。
高スキルな人は、とてもいい条件で
契約ができる人たちのことです。
時代にあわないルールとツールの変更
今のルールは、当時の社会環境や会社環境を
ふまえ、当時の担当者が
ベスト/ベターな案で作ったものです。
ツールも同じ。
ならば、今の時代にそぐわないなら
変えていいし、変えないといけない。
これをせずに
「ルールですから」で終わるのは、
生産性を大きく下げます。
お金をかけずに
「NGのルールをOKにします」っていえば
生産性は高まります。
もちろんNG→OKによるリスク洗い出しや
その対策検討は必要ですが、
意外と他のことで代用できてたり、
前提となる業務が
そもそもなくなってたりします。
ルールは、
変えることができる人が変えるしかないです。
その権限を情報システム部門は担っています。
その権限を正しく使う。使わないのは逆に
"怠慢"と
陰口言われたりしますよ。
まとめ:なぜ今、反省文を書いたのか
なぜ今、持ってる知見と経験を
オープンにしたか。
理由は、
私自身の可処分時間を作りたいから。
きれいごと言うと、
組織のため、とかメンバのため、とか
言えるんですが、申し訳ないです。
主な理由はそうじゃない。
私しかできないこと以外は、他の人に任せる。
このことが、可処分時間を作るために
最も効果が高いと気づいたのがきっかけです。
例えば、メンバのAさんに、伝える。
Aさんがその内容を理解し、実践して
結果を出せば、Aさんが評価されます。
上司に評価され続けたら、
賞与や昇格による賃金アップが。
他部門に評価されたら、次も頼ってくれる。
上記が実現できたら、Aさんは
認めてほしい、っていう欲を満たす。
私は、担う仕事が減って別のことができる。
全員にとって「うれしい」んです。
誰も損しない。
"別のことができる"の価値に気づかなかったり、
めんどくさいと感じる人は、
担う仕事が減ってもらったら困ります。
だから、伝えないし
任せることは少ないです。
ここまで読んでいただいた方には、
任せると、可処分時間ができるから
どんどん知識や経験は伝えたがいいよ。
そっちの方が、人生めちゃくちゃ
楽しいですよ。
って知っていただけると嬉しいです。
今の目の前の仕事、ほんとに
他の人に任せることはできませんか?