数学者の射精感
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中学生のころ
テストでどうしてもわからないところがあって
「ピカチュウ」ってふざけて書いたら、
先生に、
ぶちぎれられたという経験がある。
みんなの前で怒られたのが、今思えば良かった。笑ってくれる同級生に救われたりなど。
大人になった今でも、ほんとはふざけたいと思っているよ。
目立つのが好きで、すぐ調子にのるし、しつこい。
そんな性格だから、大人としゃべるのが苦手なんだよね。
数学好きって、猿みたい
そんな話は一旦置いておいて。
数学が好きでね。
いまでも、日々数学のことを考えたり考えなかったりしてマス。mathだけに、ね。(基礎的なギャグ)
なぜ数学が好きなのか、聞きたい?
なんで数学が好きなのかとい聞かれたとき、「数学は答えがひとつだから好き。国語は曖昧じゃん。」と答える人がいた。
エセ数学好きはそう言う。
でも、そうじゃないんだな。
数学が好きな理由、というか数学をやる理由は、数学の射精感を知ってしまった、ただそれだけのことなのかもしれないな、と思う。
数学ってさ、
超難しくない?なんか。最初の頃は簡単でも、「ルート」をならったり、「関数」「方程式」「漸化式」とか、いろんな言葉もでてきて意味がわからなくなる。
三角関数ってなに?サイン・コサイン・タンジェント?って。
難しくて、わからなくなったときに、
「わかんない。やーめた。」で終わるのが普通じゃん。ふつうはやめるよね。
数学好きってさ。「わからないからこそ面白いんだ」とか言って。ずっと考え事してるの。ばかじゃない?って思うよね。でもね、
それもこれも、射精感へのプロセスなんだと思う。
新しいことを習ってそれがわからないとき、24時間そのことについて考える。1日、1週間と、ずっと、ずっと、考える。
教科書を見たり、先生に聞きに行ったり、友達と一緒に考えたりする。手を動かす。理解するのには時間がかかる。
その作業はドアをノックするのに似ている。ドアが開くまで、コンコンとノックを続ける。
優しく、リズミカルに、その調子だ。
コンコン、コンコン、コンコン、
コンコン、
コン、コン、コン、
コンコン、コンコン、コンコン、コンコン、
緩急つけて
コン、コンコン、、、コンコン、コン、
ずっと考えていると、分かりそう!ってなるときがくるだろう。
ドアをノックし続ける。
瞬間、分かった!!!!!!という快感がくる。ドアが開く。炸裂する。
分かるとは何か
分かるっていうのは、突き詰めていくと「自分のなかで腑に落ちる」ってことなんだ。
他人が決めることじゃない。
例えば、
三角関数については、こんな感じで理解してる。
「コサインをかけると下に潰せる。便利すぎだろ。」
上記内容で三角関数についての説明は終わり。ちゃんとした定義も大切だし問題が解けることも重要なんだけど。それはそれとして、三角関数について聞かれたとき、こんなふうに答えて良いんじゃないかな。
下の絵を見てみて。
斜めの長さがわかるとき、その長さにコサインを掛け算すると下の?の長さがわかる。超当たり前だけど、それがもう便利で。
こんなふうに、分かるということは自分の中で腑に落ちるということ、なんですよ。
「腑に落ちるってなに?」っていじわるな人は聞くんでしょ!
そんなあなたに教えてあげるね。
腑に落ちるとは何か
さて、長くなってきたね。
腑に落ちるって何かっていうと、
それまで複雑に見えていたものがクリアになる、単純なものとして見えるということだと思う。
それは言い換えると「体系化する」ということになる。
難しい言葉がでてきて申し訳ない。最近太ってきて体型が気になってきているけど、その体型ではなくて「体系」、ね。
繰り返すと、
それまで複雑にみえていたものを整理されていくことが体系化するということで、それが腑に落ちるということの意味、なんだね。
いままでの話をまとめてみよう。
数学好きはなぜ数学が好きなのか?
→数学の射精感にとらわれてる。
射精感ってなに?
→時間をかけて考えて、分かったときの快感のこと。
分かるってなに?
→自分の中で腑に落ちることが大切。
腑に落ちるってなに?
→複雑に見えていたものがクリアに整理されること。(体系化)
東大医学部「ベテランち」の誤り
ここからは、体験談を2つほど。
YouTuberのベテランちって知ってる?
東大医学部。
同級生で、面白くてはまって見てる。頭良いひとってやっぱ好きだな。面白い。
少し前の動画なんだけど、下の動画で数学について語るシーンがあり、そこで引っかかるコメントがあった。
19分20秒あたりの会話で、解き方が独特でおしゃれだという話題。
まず、このコメントがすべて誤りだということはない。でもどうしても聞いていて、違和感があった。
数学において「解法」というのは基本的に、より多くの問題を解けることが求められる。
言い換えると「汎用性」がある解法というのがチヤホヤされるのである。
だから、動画の問題を帰納法で解くことについて、「より小さな道具で解いていること」には、とくに話題にならない。
(ただ、別解というのは良いものだ。好きな解法で解こう。)
前章の話と何がつながるかは理解できるよね。
ひとつの解法でたくさんの問題を解ける方が、よりシンプルで、そっちのほうが数学好きからすると嬉しい。
そんな解き方のほうが、数学好きの猿たちからチヤホヤされるということ。
羽鳥達也氏のツイート
大学の授業で特殊相対性理論を勉強していたときの話なんだけどね。
相対性理論はやっぱり難しく、有名な「双子のパラドックス」などを思えば、なかなか腑に落ちないむかむかした日々を過ごしていた。
大学の友人にその授業の話をすると、
次の日に、
「相対性理論についてYouTubeで勉強してきたよ。超わかりやすくて、すっと理解できた。」
と彼は言った。YouTubeで検索して相対性理論の解説を見たことは何度もあるし、わかった気になるのであるが、それで腑に落ちたことには、ならない。
そんな時に、羽鳥氏のツイートが流れてきた。
羽鳥氏は日建設計という大手組織設計事務所にいて、多くの賞を受賞している有名な建築家です。
そうそう!そうなんだよ!
相対性理論のあの説明って腑に落ちないよね、とすごく共感した。
ここでは、
やっぱり理解には時間がかかるものなんだということを、もう一度言いたい。時間をかけて考えて、分かったとき、それはまさしく迫るものがあるに違いない。
ずっと考える必要がある。
相対性理論はいまだに釈然としないまま。なかなか難しい。
射精感
なかなかキモイ記事を書いていると、思う。
大事なことだと思うので、書きたかった。わかるまでやること。腑に落ちるまで考え抜くこと。
分かると思うけど、これは数学の話に限らない。
スポーツでも、なんでも、技術を習得するにはある程度の時間がかかるし、その時間は必要なのだ。
だから、「いつか、できるようになる」
と言い聞かせながら、考える。手を動かす。
今日もドアをたたく。
優しく、優しく。
体系的にとらえること、それは射精然とした快感であって、その快感は、生涯残り続けて離さない。