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想い出ポロリ🌱わたしが借金した理由

もうすぐバレンタインデー。
世の中の女の子たちは忙しくなってくる時期ね。男性陣も気にしてなさそうに振るわなければならない気疲れしちゃう時期😬

この時期になると思い出すね。
楽しかったこと、悲しかったこと。
喜怒哀楽がもうバラエティーに富んでて思い出すとちょっと疲れる。

忘れてしまわないように、今日はのんびりしてたから、書き留めておくことにした。

出会い

世間知らずのわたしは何の志もなく、とりあえず採用してもらえた会社に入社。

IT系の会社でパソコン仕事が主。
東京に本社があってその支店。
働いてる人はほとんど二十代で、仕事を取ったらとった分だけ稼げるような体育会系のノリの会社ね。

わたしは基本的に受け身。
一人でいるほうが好きだから正直全然馴染めなかった。これは来るとこ間違えたねってちゃんとわかってた。

そしてやってたことは、社会人としてそれではダメよと指導される典型的なあれ。
言われたことだけそれなりにやるだけ。

同期にいたギラついた人たちは、ガツガツ仕事取ってきて夜中まで働いて結構なお給料をもらってたみたい。
契約いただいて自分達で作るも良し、どこかに作ってもらうも良しだったからね。

その中の一人の子がなぜかわたしをいつも気にしてくれてた。
ポツンとなる子を放っておけないタイプかな?って始めは思ったんだよね。
グイグイくる子に見つけられちゃって困ったながわたしの第一印象。

上司にも仲間にもお客さんにも誰にでも同じノリでお話できる子。
人見知りなんて無し。
髪も服もキレイにしてて、流行りのものはきっちり取り入れるいつもキラキラしてる子だった。

笑顔にしたいの関係

その子はほんとに良くお話しする。
昨日のこと今日のこと、明日の予定、今度ここに行ってこうしたいとか。

わたしは人の話をウンウン聞くプロ。
嫌な顔ひとつしないで、ずっと話を聞けちゃう。聞き続けちゃうが正しいかも。
一回聞いたことある話も、序盤からオチまで全部初耳みたいな顔して聞くからね。

そんな感じだからその子は話し相手をわたしにしてくれたと思ってる。
仕事も自然とペアみたいな感じになって、仕事中もお休みの日もいつも一緒にいるようになった。

会社行く→働く→速やかに帰る→家でダラダラが最高に幸せ🤗のわたし。

会社行く→働く→ガッツリ稼ぐ→ガッツリ遊ぶ→家は寝るとこのその子。

タイプが全然違うけど共通点というか目的は一緒。

その子はいつも「わたしを笑わすのが好き」って言ってくれてた。
わたしを笑わすのが楽しいって。
笑うとガッツポーズする。笑顔でガッツポーズ。

わたしもその子が笑顔でいてくれるのが嬉しくて、一緒にいる時間がすごく心地よかった。
この子を笑顔にしちゃうわたしはその子にとって特別な存在って思っちゃってたくらい。

お金が足りない

その子はお金持ちだった。
生まれたお家がそもそもお金持ちだったのもあるけど、わたしと違って自分でもガツガツお金を稼いでた。

契約とってなんぼ、作ってなんぼみたいな会社だったから、その子が結構な話の盛り方をして契約をとったりしてたのも知ってた。

女の子が好きそうなお客さんとは夜に一緒に飲みに行くこともあった。
お金のためにというより楽しいからやってるみたいな感じだったけど。

わたしは相方だったからね。
一緒にいたよ。話なんかしないで横にいるだけ。聞き取れなくても笑顔で相づち。

会社で接待は禁止されてたから自腹。
その子が上手に女の武器、必殺甘え声を使ってくれるから、わたしたちがご馳走してもらうことのほうが多かったかな。

休みの日、予定はだいたい平日のうちにその子が行きたいって思ったところにいく。
食べたいって言ったもの食べる。
欲しくなった洋服屋さんに買い物。
エステとかもいっちょまえに行った。

とにかくずっと一緒だった。
お金ないなら出してあげるよっていつも言われてたけど、それは出来ないからね。
親しき仲にもやっぱり礼儀は必要だし、人に借りを作るのがなんか嫌で自分で無理して払ってた。

帰りのタクシーとかはかなり効いたよね。
まだまだ部屋まで遠いのに途中で降りて、一時間近く歩いたりもした。
健康的ね🤭

お洋服も、絶対似合う可愛いって言ってくれるの嬉しくて、お金が足りないときはカードで買いはじめた。

おや?って気付くよね。
それは危険。
生活の水準が違うんじゃない?って。

でもそのときのわたしは調子にのってた。
服もお洒落にしてたし見た目もまあまあだったみたいで、そこそこチヤホヤもされてたからね🤗
やるねわたしも。
チヤホヤされて完全に調子こいてた。

その子といると何でもなんとかなりそうみたいな感覚になる。
お金もまぁなんとかなるねって思ってた。

旅行もかっこいいバーも、美味しい料理も割り勘でカード払い。
そして後から分割払いに変更。
こればっかりやってた。

その月の支払額はわかるけど、総額でいくら返済しないといけないのか全然わかってなかった。
家賃ともろもろの支払いをしたら、カード代が払えなくなった。
焦った。まずいまずいって。
でも、とうとう来たかこの時がのほうが強かったかな。
いつかこうなるよねってことはわかってたね。考えないようにしてただけ🙃

そのとき初めてキャッシングでお金を借りちゃった。その子には当然内緒。
心配かけちゃいけないって思ってたからね。

その後はもう借金がぐんぐん増える典型的な展開。
返せないからまた借りる。
借金あるのに借金して買い物なんかしてた。

いつも笑っててほしい

そんなまずい状況になったわたし。
でもやっぱりその子と一緒にいた。

その子に彼氏が出来た。
こんなことした、こんなことしてもらったの話をたくさん聞いた。
すごく幸せそうで笑顔が溢れてていつもご機嫌。
話を聞いてるのがほんとに楽しかった。

しばらくして彼氏さんから投資の話をされた。少額でも儲かるよと。

その子もやってて結構儲かったって話も聞いてたから試しにやってみた。
そのためのお金も内緒でキャッシング。
結果は借金増えただけだった🙄

その頃からその子はあまり喋らない時間ができるようになった。
飽きられちゃったかなと不安になったのも憶えてる。

笑顔じゃないし考え事してる時間。
二人でいる時にそんな時間がある。

わたしは気まずい空気が何よりも苦手。
その場からいなくなりたくなる。
でも放っておけないし、わたしはその子の笑顔が大好き。
沈黙の後のお話しで笑顔に戻ってくれると安心して、その変化は気にしないようにしてた。

笑顔になってくれる度にわたしも全力の相づちを打ってた。

会社でその子は嫌われはじめた。
仕事の仕方もあったのかもしれないけど、ちょっと人を見下す感じがひどくなってきてそれを皆が嫌がってた。
会社の中ではわたしたちだけポツンとして昼休みも二人きり。

あの子と一緒にいるのはもうやめなさいとアドバイスをくれた先輩もいた。
先輩は若いけどママさん。
入社した頃から、一緒にいる仲間を選んでも良いんだよって言ってくれてた。
今思えば先輩の言う通りだった。すごい人。
ママさんになると世界がよく見えるようになるのかな。

わたしを笑わすのが好き、笑顔が好きって言われるのが嬉しすぎて、先輩の的確なアドバイスは全く耳に入ってなかった。
人の話はちゃんと聞くべきだね😬

夢の終わり

借金がすくすくと成長して、その子との時間も笑顔がない時間が増えてきた頃。

バレンタインデーの日。
その子は死んじゃった。わたしの知らない人と一緒に死んでしまった。

前の日も一緒にいたけどわからなかった。
笑顔はすごく減ってたけど気付けなかった。

最後に何を見てたかも、何を思ってたのかもわからない。
辛くて苦しかったと思う。
それをわたしには言わないようにしてたんだと思うと、今でも胸が苦しくなる。

死んじゃった理由をいろいろ噂されてるって後から先輩に教えてもらった。
わたしは理由なんて知らない。

わたしに理由を知られるのもきっと嫌だろうから、誰にも聞かない。
怖いし辛いから聞けない。

すぐ仕事は辞めた。
住んでたところからも引っ越しした。
母さんも父さんも、会社を辞めることを伝えたとき驚いてた。
一緒に頑張れる人がいなくなっちゃったとだけ理由を言ったら、いつか話できるときに聞かせてとだけ言ってくれた。
ありがとう母さん、父さん。

これからのわたし

わたしは今は田舎の製造業で働いてる。
相変わらず人とのコミュニケーションはヘタクソ。
絶妙な距離感を保ちつつ社会の中でなんとか生きてる。そして借金を返済してる。

これを読んでいただいても、誰かのこれからの役には立たないね。

これはわたしの想い出。
薄くなっていつか消えて忘れてしまわないようにここに残しておくよ。

借金はいつかなくなるね。
その時にあの子との想い出も消えないように。楽しかったことも悲しかったことも。

またこれを自分で読み返す。

大切な想い出の備忘録。

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