笑力の研究①笑力に関する基礎知識
笑力(ショウリキ)...笑いを起こす力を数値化したもの。一般的にこの数値が高ければ面白く、低ければつまらないとされる。(笑辞苑より引用)
笑力とは
笑力というものが生み出されて長い時間が経過したが、まだ理解していない人達の為に、大阪で笑力学を学んだ僕がここに解説を記そうと思う。
笑力は目に見えない“笑いを起こす能力”を数値化する事で可視化した非常に画期的な数値で、国土交通省の調べによると一般成人男性の平均値はおよそ80、一般おじいちゃんの平均はおよそ100で、一般大学生の笑力は50〜60だ。
この事により、人は一般的には加齢により面白くなるという事が証された。※1
ちなみに赤ちゃんは存在するだけで周りを笑顔にするが、これは笑力には換算されない。周りを笑顔にする、いわゆる微笑ましいといったものは笑力とは無関係である。実際産まれたての赤ちゃんを笑力スカウターで測った研究者がいたが、全ての赤ちゃんが笑力ゼロだった。
笑力は、加齢以外にも体調やその日の気分、或いは置かれている状況などによって増減する事が確認されており、非常に繊細な数値である。
笑力の歴史
笑力の歴史は古く、日本では江戸幕府五代将軍徳川綱吉が『笑力憐れみの例』という法令を施行したのが有名だ。これは笑力の低い人間を犬扱いするというとんでもない悪法だった事で知られる。
現在でも『堂本剛の笑力しんどい』プロ野球界で傑出した笑力を持つ選手を表彰する『笑力松太郎賞』にその名を残すなど、日本では古くから愛されてている数値だ。
ちなみにZOZOTOWNの前澤社長との熱愛でお馴染み、笑力彩芽さんは笑力とは無関係である。
芸人の笑力
さて、笑いのプロフェッショナルであるお笑い芸人の笑力が気になるところだが、芸人の笑力は当然ながら高い。ライブで活動する若手芸人でも1000を超える者はザラにいるし、テレビで売れている芸人ともなると10000を超える人も少なくない。
ちなみに人類史上最も高い笑力を叩き出したのは言わずと知れた喜劇王・チャップリンで、その笑力実に530000というから驚きだ。
しかし、この数値に関してはその正確性を疑う声も多い。その原因として挙げられるのが、当時の笑力スカウターの精度の低さで、チャップリンを測ったスカウターと同じ型のスカウターは、動物園でコアラの笑力を5000と計測したり、ミロのヴィーナスを笑力2000と測定したりと非常に正確性に欠ける代物だった。※2
このように、530000が正確な数字かは研究が待たれるが、声を出さない無声映画であれだけの笑いをとっていたことなどを考えると、チャップリンの笑力がかなり高かった事は確かである。
近代でもエディ・マーフィー、クリス・タッカー、クリス・ロック、アジズ・アンサリといった有名コメディアンは軒並み笑力10000を超えている。
意外に思われる方も多いかもしれないが、ジム・キャリーの笑力は400程度である。
さて、現在の日本に話を移そう。
笑力学会で度々話題になるのは、明石家さんま師匠の笑力はいくつかである。さんま師匠のその驚異的な笑力は未だに測定機器の進歩の方が追いつかず、正確な数値が測れないほどである。
これはあくまで伝説のように語り継がれる話だが、「寝ている状態で既に100万を超えていた」「歩いているだけで周りの人間の笑力が上がった」「笑力計が笑った」などその伝説は枚挙に暇がない。※3
果たして明石家さんま師匠の笑力を測れる日は来るのか…今後の研究に期待である。
さんま師匠以外にも計り知れない笑力の芸人はたくさんいるが、近年では『秘密のケンミンショー』の時の久本雅美さんが毎回単独笑力のみで笑力計を振り切らせている。
次回『日本特有の笑力文化〜コンビ笑力〜』につづく…
※1『加齢と笑力の関係性』(ダニエル・ショウリッキー 著)より引用
※2『喜劇王チャップリン その光と影』(松理喜 図 著)より引用
※3 『生きてるだけでまるもうけ!』(尚力 著)より抜粋