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似鳥沙也加とChance The Rapper
ゼロイチファミリアという芸能事務所をご存知だろうか。
数年前までのグラビア界は、AKB系列のアイドルが雑誌ページを占領しており、グラビアアイドルにとっては言わば暗黒期だった。
だが時は過ぎ、現在は坂道グループは依然強いものの、純正のグラビアアイドルも青年誌の表紙に返り咲いている。
寺本莉緒
https://twitter.com/lespros_t_rio?s=21
沢口愛華
https://twitter.com/delaaika0224?s=21
といった新世代グラビアクイーンも台頭している。
そんな潮流の中心にいるのが、ゼロイチファミリアだ。
『くびれの女王』として君臨し、人気絶頂のまま引退した川崎あやを輩出し、今や数々の売れっ子を抱えるグラビア界の一大勢力だ。
しばしば #ゼロイチジャック と言われる、複数の違う雑誌の表紙をゼロイチのアイドルが占領するという事象も起きている。
そしてその勢いはまだ当分の間止みそうにない。ゼロイチファミリアの凄いところはその高いヘッドハンティング能力だ。
グラビアに限らず、インスタグラマーやコスプレイヤーなど、何かしらで水着の仕事をしていて、顔面の強い女の子は次々とゼロイチファミリアへの移籍を発表していく。
今は写真集も在庫を抱えずデジタル媒体で出せるし、自分をアピールしたけばSNSを使えば良い。そこで名を上げれば事務所から声がかかるという時代になっているのだ。
そんな新時代を象徴する存在が似鳥沙也加だ。
今では芸能事務所に所属しているものの、元はInstagramで #インスタグラビア なるものを載せて人気を博し、そのまま雑誌の表紙を飾った異例の経歴を持つ。
今やセルフプロデュース能力さえあれば、成り上がる方法はSNSなど、芸能事務所に頼らない時代になりつつある。
そして、そのセルフプロデュース時代の王の座に居るのがChance the rapperである。
彼はラッパーでありながら、レーベルに所属はおろか、有料のCDを一作もリリースしていない。
その代わりフリー音源を無料で配信している。
ヒップホップ界においてはミックステープという文化がある。
ミックステープ文化論https://www.amazon.co.jp/dp/4401644379/ref=cm_sw_r_cp_api_i_pj4wFbJRP1EZY
平たく言うと、アルバムに入り切らなかった曲をまとめてリリースしたり、有名DJのミックステープに入れてもらう事でプロモーションに活用したり、まだ無名なラッパーが名を上げる為に無料で配布する言わばサンプルのようなものだ。
つまり、ヒップホップ界において無料で楽曲を配布する事自体はあまり珍しい事ではない。今や帝王となったドレイクも、最初はミックステープから人気が出た。
ミックステープ→レーベル所属→CDリリース→ツアーというのが従来の流れだ。
しかし、Chance the rapper はミックステープしかリリースしない。無料音源で評価を高め、有名アーティストの客演で名前を売り、どこにも属さず有料CDを出さないままツアーを敢行する全く新しいビジネススタイルを確立したのだ。
その人気は凄まじく、「金が無くなればワールドツアーをやればいい」と豪語し、ミックステープの高額転売者が現れれば全て買い占めて改めて無料で配布する。
そしてついには今まで「有料で販売されたCD」のみが対象だったグラミー賞の基準を変えさせ、ミックステープでグラミー賞を受賞するにまで至った。
少しずつ変化する芸能社会。未曾有の疫病蔓延を経て配信がより力を増し新たなビジネススタイルを模索する中、常に次なる一手を狙わなければならない。
Chance the rapperと、和製Chance the rapperこと似鳥沙也加から学ばなければならない。
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![ヤーレンズ 出井隼之介](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137749317/profile_b3e6fe676121acbdb161dfd0312b10dd.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)