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M-1に出たんだ。
あっと言う間に、2024年も3ヶ月が経った。
本当に、会う人会う人に
「M-1お疲れ様」
「良かったなあ!」
と労ってもらったし、街中でも
「M-1観ました!」
「惜しかったですね!」
と声をかけられる事が増えた。
何もなかったおじさんは、一夜にして"惜しかったおじさん"になった。
お笑いで、ほんの数時間で人生が変わるなんて事が他にあるだろうか。M-1は本当にビッグコンテンツ。
全ては今まで戦ってきた諸先輩方のお陰。感謝。
中学生の頃観た、第一回のM-1の事を今も鮮明に覚えてる。質素なセットに殺伐とした空気の中、大方の予想通り中川家さんが優勝した。
「漫才師かっこいい」
と初めて思ったし、憧れた。
あそこからずっと続いている歴史の一部に、一応加われたことはとても嬉しい。
今まで何度も聞いた「M-1が全てじゃないよ」という慰めの言葉。
出てない人はそりゃそう言うけど、漫才すればするほど「あの舞台に立ちたい」という気持ちは強くなった。
いないところで日本一が決まる切なさ、自分たちを否定されているような気がする年末。全て乗り越えて毎日する漫才。
本当に暗中模索だったけど、ひたすら漫才し続けた。漫才が好きだから。
去年の冬、KOCを獲ったサルゴリラさんのインタビューを読んでいたら「全部無駄じゃなかった」と書いてあって、「今一番言いたいセリフだなぁ…」と思った。
今少しずつ、そう思えてきている。
決勝が終わって、久しぶりにカズレーザーに会った。彼は会うなり嬉しそうに「これで全員揃いましたね」とつぶやいた。
毎日ライブに出て、何もめでたくないのに打ち上げをしていたメイプル超合金が、2015年に決勝に行って売れてから8年かかった。
あの時いっしょにテーブルを囲んでいた人達と、今は仕事で会えている。
仕事がいっぱい来て、考える事もたくさん。寝る時間も短い。全部自分がずっと望んでた事。
あの時思い描いていた未来が確実に来ている。
俺はM-1に出たんだ。
自分たちと、本当に周りのお陰でM-1に出られた。
優勝はできなかった。2位。
今年がラストだと思って、全身全霊で勝負する。
優勝すっから。見といて。
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