だつりょく系アーティスト 長瀬有花さんのライブ「放電」に現地参戦した話
今更ながら2024/3/30に開催された、「だつりょく系アーティスト 長瀬有花」さんのライブ「放電」(夜の部)に行った時の雑感などを書きます。
え、今?って感じだと思うけど、この話をずっと誰かにしたくて…もう日も経ったけれど未だにあの不思議な感覚が残っていて一度頭をすっきりさせたいという願望がどうにも抑え切れず(じゃあもっと早く書けと突っ込みやめて)
これ自分でも全体的に良く分からない話をしているな、と思っていまして、文字通り雑感なのですが、お付き合い頂けると嬉しいです。では、( `・∀・´)ノヨロシク
だつりょく系アーティストって何…?
昨年8月頃に「だつりょく系アーティストってどういうこと?」と思いながら聴いた時の事はよく覚えている。
ただ、しばらく聴いていれば分かる人にはその意味が分かると思う。説明が難しいけれど聴いている内に確かに力が抜けてくる感覚がある。余分な緊張が取れて来て、それがとても心地良い、世にも不思議な感覚。脱力しているせいなのか、いつも歌詞があまり頭に入ってこない(単純に歌詞を聞き取るのが苦手なせいかも)。
この記事を読んでくれる人は知っている人が多いだろうが、とにかく不思議なアーティストなのだ。そんな人がどんなライブをやるんだろう?と前から思っていて興味津々だった。
とてつもなくオシャレな会場
会場は表参道のオシャレ過ぎる街並みに佇む、めちゃくちゃにオシャレなライブハウス(というか多目的レンタルスペースだったらしい)。
そんな街で、グッズを身にまとったRIOTリスナー達が立ち並ぶ様は遠目にはちょっと以上に浮いて見えたけれど(しかも渋谷よりずっと人通りが少ないので目立つ)、並んでしまえばライブへの期待感で何も気にならなくなるから不思議なもの。
そこまで規模は大きくなく、とても清潔感があって音の通りも良さそうな良い箱だった(こんな事語れる程ライブ行ってないのだが)。とても快適だったし本格的なライブハウスという印象。
完全に余談だがドリンクカウンターでは見た事がない位に気怠そうな表情をした女性店員さん(美人)がいた。ドリンクについて質問をしつつ注文したが、微塵も表情を変えず(ニコリともせず)最低限の発語と身動きでドリンクをくれた。
こう書くと文句を言っているように読めるかもしれないが、この対応は全く嫌いではなくご褒美(本当にこういう店員さんいるんだ…と本格的なライブハウス来た感じもした)。変な性癖に目覚めそうだった。…クソどうでもいいな。
ライブの話。夢の中のような非現実的な空間を体験(当社比)
ライブの話。幸運なことに最前2列目という絶好のポジションを確保。開始時間少し前に、誰かがすっとステージに上がったと思ったら、他ならぬ長瀬有花さんご本人だった。
何も話さずに何か機材をいじったりしている。え…登場シーンってもっと何か派手にやるもんじゃないの?と呆然。歓声とか上がってなかったと思うから、他の人も似た心境だったんだと思う。
すぐ次々にバンドメンバーが現れ、いきなりライブパフォーマンスが始まった。このライブ全体的にMCが極端に少なかったように思う。それにペンライトを振ったりコール&レスポンスみたいな場面も少なくて(ペンライトは多分誰も持っていなかった)、ただ純粋にその空間に身を任せ、目の前の演奏を見て、音楽を聴いて身体を揺らす。そんな場だった。
彼女の音楽と同様に異空間に迷い込んでしまったような感覚が得られる不思議なライブだった。演出でライブハウス全体に色とりどりの柔らかな光が揺らいでいて、深海とか夢の中にいるようにも錯覚した(夢の中というのはライブ終了後に少し話してくれたコアな有花さんファンの言葉だけどその通りと思った)。
多少大袈裟かもしれないが、「自分は誰でここはどこなんだっけ?」と思った時間さえもあった。いや…ほんと凄いライブ。
バンドメンバーの超絶技巧
そして凄いテクニックの演奏。そこまで良し悪しは分からないが、きっと凄まじいレベルだったのだろう。演奏を観ているだけでも十分凄かったし見惚れてしまった。
特にドラムとベース(6弦ベース!)は距離が近かったので食い入るように見続けてしまった(長瀬さん本人と同じかそれ以上に見ていたかも)
どこか人間味を感じさせない長瀬有花さんのパフォーマンス
超絶技巧を披露する顔を隠したバンドメンバー3人と長瀬有花さん。有花さん自身もずっと不思議な動きをしていて、個人的には人間という感じがあまりしなかった。妖精と言うのとも違って、少しだけ神楽のイメージに近いような…(当社調べ)
そもそも全体的に不思議な曲調の楽曲が多いせいもあると思う。歌いながら音楽に合わせた動きでゆっくり身体を揺らしたり、機材を調節したり、会場を見渡したり。
手拍子や指指し、コール&レスポンスやMCもゼロではないんだけれど、とにかくゆったりし過ぎているし、やはりどこか現実離れしているように感じた。
良い意味で生きている人間という感じがあまりしなかった。それがまた異空間という印象を強めていたんじゃないかな、と今になって思ったり。
このライブの一部「近くて、遠くて」の歌唱パートがYouTubeにあった。彼女の音楽とこのライブの不思議さ、特異性が少しでも伝わると嬉しい。
幻想的で不思議な異空間で自分を見失う(褒め言葉)
とにかく幻想的で非現実的な空間と時間を体験した。本当に何だったのだろう。あの不思議な感覚は現地に行かないと得られないんじゃないかと思う。
とにかく良い意味で力が抜けた。緊張した筋繊維や逆立った神経がゆっくりと緩んでいくような感覚がとても心地良かった。
少し温泉に入っている感覚にも近かった。温泉は身体の外側から緊張をほぐしてくれるけれど、このライブでは内側から直接、もっとゆっくりとしたペースで効いてくるような感覚。
現地に行った人以外は、これを読んでも何を言っているのか分からないと思う。それもその筈。正直自分でも未だに良く分からないから今こうして文字にしているようなところがある。
うん、心底行って良かったと思う。唯一無二の凄いアーティストなのだと改めて実感した。こういう音楽は類を見ないんじゃないかな。
そう言えば、長瀬有花さんは近くで見るとめちゃくちゃ華奢で小柄な女性だった。というか、こんなに近くから生身で歌うとは思ってなかった。VSingerだよな?もう全然そうは思えないんだけど。
セットリスト(載せるだけ)
各曲ごとの感想とか書こうかとも少し思ったけれど、曲目ごとの記憶がひどく曖昧で振り返れないので(時間が経ったせいだけではなく当日でも難しかったと思う)、セットリストだけ載せておく。ずっと異空間にいるような心地良さで聴いていた。
セットリスト(夜の部)
1.駆ける、止まる
2.とろける哲学
3.みずいろのきみ
4.ブランクルームは夢の中
5.アーティフィシャル・アイデンティティ
6.ライカ
7.異世界うぇあ
8.オレンジスケール
9.砂漠の水
10.fake news
11.近くて、遠くて
12.アフターユ
13.やがてクラシック
14.微熱煙
15.宇宙遊泳
16.プラネタリネア
こちらの記事からお借りしました。本格的で立派なライブレポートで面白かったのでこちらも是非
凄過ぎた「微熱煙」
ただ、「微熱煙」だけは強烈に記憶に残っている。特に、サビでの泣き叫ぶような歌声での「綺麗に逝かせて」
この歌い方で、長瀬有花さん自身が日々感じている痛みのようなものが一気に感じられた気がして、急に涙が出た。ぶわっと前触れなく涙が溢れて自分でも驚いた。
今書くと自分でもちょっと嘘みたいだけれど、足元が揺れたような気がした。その直前まで、このライブは泣くようなものではない、ただリラックスして音楽を楽しむ、そういう場なんだな、こういう場もとても良いなぁ、とぼんやり考えていたところへ予想外の鋭過ぎる一刺し。
凄くエモーショナルというわけではないけれど、なんて心地よい音楽なんだろうと思って聴いていたその矢先、身体の芯から絞り出すようなあの声。
エモーショナルじゃん…!なんて球速差。理由不明の涙がブワッと出た。あの感覚が共感なのか何なのか今でも分からないが、とにかくあれは彼女の表現だった。
痛みが伝わってきた気がした。この人も痛みを抱えているんだ。生きてるんだから当たり前だけれど、普段隠しているそれが、一気にぎゅっと凝縮されて飛び出したような感覚。
そうだよな、この人だって同じ時代を生きている生身の人間。むしろその痛みが分かり過ぎるからこそ、こうして良い意味で人を脱力させるような、心をふっと軽くさせるような表現をしてくれているのかな…とか思った。
ちょっと色々と妄想が捗ってしまった。若干思想を感じさせてしまったらごめんなさい。言葉にしたら気持ちが落ち着いたし、変な事を言っている自分にも気付けた(実は他にも色々思った事はあるけれど、自分で自分に思想を感じてちょっと怖くなったのでここでは伏せます)。
まとめ
何にせよ、唯一無二の独創的で素晴らしい音楽を提供してくれて、エモーショナルな表現も見せてくれた。凄いライブ、凄い体験だった。他にも触れるべきポイントは沢山あると思うけど、ちょっと満足しちゃったのでこれで終わります。
色々と不思議過ぎて、こういう感想とかを当日に他のRIOTリスナーさんと話したかったんだけれど、残念ながら知っている人が全然いなかった(正確には2人見かけたけれど、終演後すぐ見失ってしまった)。
それに今度、長瀬有花さんファンの人とも話してみたいなと思った(正直、かなり俄かだが)。
長瀬有花さん、バンドメンバーの皆さん、そしてRIOTミュージックのアーティストとスタッフの皆様、リスナーの皆様、今回も素晴らしいライブを提供してくれて有難うございました👏👏👏