6月4日は私ら夫婦の父親のダブル命日。私と妻の父親は同じ日に他界した。
今日、6月4日は私たち夫婦の父親が他界した日なので、朝のうちに自分でお経を手向けて一日が始まった。
実は妻の父親ってことは、私の義父だけど、この義父の命日と私の実父は同じ日に他界したのだけど、これにはちょっとしたエピソードがあってね。
実父はもうずいぶん前の平成6年に身罷ったのだけど、いつもお仏壇に手を合わせたりよくお墓参りに行くことを、義父は感心した面持ちで眺めていたのよ。
それでうちを訪れて仏壇に手を合わすときの口癖が
「なんまんだぶ~、じいさん元気かぁ、お前さんはいつも拝んでもらって良かなぁ~オレもそっちで一緒に拝んでもらいたかよ~~なんまんだぶ~」
そう言って合掌していたのです。
そんな義父の懸念が、娘だけ4人の子どもで男の跡取りがいないことだったのね。それで自分が他界した後の仏事のことをいつも気にしてたのよね。
「おれがあの世にいったら、後は誰がご先祖様をみるのかね?」
そのことがいつも頭にあったみたいで、うちにやってきたときの仏壇前での口癖になったんだと思うね。
だから、いつも私がめんどう見るから大丈夫だよって、言い続けたんだけどさ、心配してたんだろうね。
入院してから3ヶ月だった、亡くなるまでの3ヶ月間を毎日のように見舞ったのだけど、最後の1ヶ月前には私のことを実の息子と思い込んでいた。
認知が入っているほどのことは無いのだけど、自分の家族関係に付いてだけ息子1人に娘4人という刷り込みになっていたのよ。
それで、急に衰え始めた頃に病院で言い出したのが、私の実父の命日のことだったのね。
「じいさんの命日まで、おれはもたんのか?」
「長生きするのも、のさん(つらい)」
一日に2度一人で見舞っているうちに、息子だと意識の中に刷り込まれてしまったのだろうね。
看護婦さんにもそう答えていたから。
私は義父と掴み合いの喧嘩をしたことがある。
若い頃の話だけど、妻の実家に帰省したときに義父が気を使って料理を出す手順を叱り飛ばした時のことだ。
せっかちで超短気者の義父が母親と私の妻(娘)を叱り飛ばしたのに腹を立てた私が、義父をなだめようと間に入ったことが気に入らなくて、義父の怒りが私に飛んできた。
「人の家のことに余計な口出しをするなッ!」と義父
「人の嫁になんちゅう言い草をするのッ!」と私
「自分の娘を叱って何が悪いッ!」と義父
「あんたの娘じゃ無い!今は私の嫁さんだッ!」と私
こんな言い合いで掴みかかるのを、当時はまだ生きていたお婆さんに一喝されて二人とも鉾を納めたことがあるのよね。
義父も超短気者で、私も若い頃は負けないくらい正義感?に溢れていたからこんなやりとりが珍しくなかったのよ。
だから、人生の幕引きのときには意識が混濁して、実の息子に変わっていたんだと思うのね? だって付き合いも40何年になるからね。
何とか持ちこたえていた容体が悪化したのが、6月4日の私の実父の命日の1週間程前だった。
それから一日に何度も行き来しては励ましていたのだけど、6月4日が近づくにつれ「まさか爺ちゃん、同じ日に逝くつもりじゃないよね?」って夫婦して語り合ったのね。
「まさか、そんな都合良く、ねぇ・・・・・・?」
そう言って忘れてしまったのだけど、あわただしい日々に終われる最中のある日、様子が安定していたので午後11時半頃に帰宅したのね。
それから4時間後くらいの明け方4時過ぎに、病院から危篤の電話があったのですよ。
帰宅前には安定していた容体だったけど、いつ容体が悪化しても不思議では無い状況で受けた電話に、車をすっ飛ばして駆けつけたベッドで、か細い息の義父はイヤイヤをするように、小さく顔を動かして答えてくれた。
でも、それから10分もせずに私たち夫婦と深夜勤務の看護師さんの3人に看取られるなか、旅立ちました。
それからは葬儀の手配や親戚への連絡に追われて、気がついたら6月4日。
そうなのだ。
「おれがあの世にいったら、後は誰がご先祖様をみるのかね?」
そう語っていた爺ちゃんは
「なんまんだぶ~、じいさん元気かぁ、お前さんはいつも拝んでもらって良かなぁ~オレもそっちで一緒に拝んでもらいたかよ~~なんまんだぶ~」
念願だった、一緒に拝んでもらうことを、自分で叶えたのだ。
それぞれの父親が同じ命日というケースがどれくらいあるのか、わからんけど、私たち夫婦にとっては二倍の思いを込めて合掌できる、忘れることなどあり得ない大事な命日なのだ。
いつもリビングの飾り棚から、笑顔を向けている爺ちゃんに感謝。
ついでにうちの父親の命日は平成6年6月4日。
そして葬儀の日が平成6年6月6日の6並び。
なので最初の起業で会社を興したのは翌年の
平成7年7月7日の7並びの日に会社を設立した。
え?
それでどうなったかって?
うん、まぁ777のギャンブルに縁起の良さそうな設立記念日だもんね。
もちろん大当たりの会社になりましたよ、たぶん。^^;
ってことで 今回の話は
「6月4日は私ら夫婦の父親のダブル命日。私と妻の父親は同じ日に他界した。」という命日の話。
では!
のほほんと なんまんだぶ。