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村田諒太さん引退会見

村田諒太さん引退会見をYouTubeで観ました。

村田さんらしい、演出無し、飾り気無し、心むきだしのままに語る会見でした。

引退という名のスタート

『アスリートは20歳そこらで夢が叶ってしまうので、その後のキャリアに熱が持てない。その先の人生を輝かせられない。』

若くして夢が叶うことは素晴らしい。そんな人間はほんの一握りに違いない。しかし、何もかもその夢の実現のために捧げて生きてきた人生を、引退の二文字で区切りをつけて、一から新しいことに熱中するのは難しいし、苦しいだろうことは想像に難くない。

ボクシングは、ツール

「ボクシングは村田さんにとってどういうものでしたか?」という類の質問がこの場で記者から投げかけられるのは想像できたと思う。しかし、村田さんは少し時間をかけて言葉を選びながら答えた。

「ボクシングは、ツール」

たくさんの人々との出会いはボクシングを通じて自分にもたらされた。現役プロボクサー時代は、ボクシングで勝つことが目標としてバーンと目の前にあっただろう。しかし、引退にあたって自身の人生を俯瞰して考え始めた村田さんにとって、今は、そう感じるのだろう。また、この先は変わってくるかもしれない。

プロのアスリートに観客が望むものに変化

今年のWBCは盛り上がった。プロ野球に興味のない私も連日キュンキュンしながら観ていた。もちろん、日本チーム優勝に向けて応援したけれど、日本人がこんなに熱狂したのは、選手のプレー以外に、試合内外でのドラマだろう。

栗山監督の熱意と信念、人との深め方、戦略と判断力。各選手の集中力、実行力、突破力、チームとして勝ちに行くための献身、感謝の気持ちなど。それらは、アスリートでなくても、社会人として仕事をするために大切な要素であるはずだ。

37歳元プロボクサーというロールモデル

ボクサー引退後のキャリアビルディングを難しくしているものに、ダメージの後遺症からくるフィジカルの問題がある。特に脳に障害がある場合は言語的な問題になる場合が多い。

だから、村田さんが、オリンピックチャンピオン→プロボクシングチャンピオン→満足できる引退後のキャリアを歩むロールモデルになり得たら、現役のアスリートにとってもアスリートをめざす子供たちや親御さんにとっても、希望の光になるだろうと期待している。

「ボクシングは、ツール」という境地が、そのカギのような気がしている。


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