【書き物】自分らしく生きるとわがままの境界線①
尊敬している部長がいた。
頭の悪い課長がいた。
部長の指示を的確に咀嚼できない課長は、私たちに自己判断の仕事を押し付けた。
私は課長に直談判した。
あなたの指示は独りよがりだと。
ワンマンな課長の心に届くことはなかった。
でもある日部長が課長に言った。
「君は僕の言っていることを理解しているのかい?」
*
課長が部長に従わないように、私もいつしか課長に従わず仕事をするようになった。
部長の意向を汲んだ仕事ができる。
そう評価されて課長補佐になるのに時間はかからなかった。
そして主要人物の揃った会食で社長が言った。
「やっぴーさんが部長補佐になるビジョンなんだよね」
*
課長が私に嫌がらせをしてくるようになった。
ストレスと言えばストレスだったが、私は課長以外の上司を信じて自分を貫いた。
ただ、少し状況が悪くなった。
私の仕事ぶりを真似していた若手にまで行為が及んだからだ。
その若手は大変にメンタルが弱かった。
*
この記事でも書いた通り、私は体が強くない。月の半分くらいは在宅勤務をしていた。
だから現場で若手のメンタルをフォローをすることができなかった。
日に日に課長の矛先が私ではなく若手に向いて、そしてエスカレートしていった。
*
この課長という人間は、大変に真面目さと根性がある努力家で、それをかわれて課長になったとも言える人だった。
その分プライドが高く自己評価も高い。
だからこの人を諭したり、変えようとするのはナンセンスだなと感じた。
でも若手が日に日に元気をなくしていく状況に、言葉にできない責任を感じるのも事実だった。
→【書き物】自分らしく生きるとわがままの境界線②に続く