玉龍雪山
窓を開ければ同じ景色
頭の奥まで切りつけるような白い山肌
それしか見せたくないというように
視界を埋めて
青い空のコンドルが
私の命をつまんでいる
いつものように変わり映えのない
素朴で何もない村の空気
唯一ある窓を開ければ
一生この山に囲われている
君と逃げたいと思えば
ここから見れば点にすらならない山の中腹に抱かれ
孤独と飢餓と雪の痛みを与えられた後
玉龍雪山を飾る生け贄になる
頭が痛い
古来からの希望と悲しみと死体を抱きながら
玉龍雪山はそびえる
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