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逃げ上手の若君

ポテンシャルおばけの主人公

◆著者 松井 優征
◆発行元 集英社
◆既巻 3巻

◆キーワード
#歴史もの
#逃亡劇
#逆境
#成り上がり

◆こんな人におすすめ
下剋上物語がすき
歴史物かつ歴史を独自解釈してても抵抗がない
ハラハラドキドキする漫画が読みたい


◆ざっくりあらすじ
鎌倉時代が舞台。主人公は北条時行。足利尊氏の謀反により鎌倉幕府が滅亡するところから話はスタートする。追われる身となった北条時行は諏訪大社に身を寄せ、仲間を募りながら天下を取り返す機会を窺う。

◆感想
そもそも作者のファン。ネウロが好きで、次の暗殺教室はまた違う角度で。今回も全く違うジャンルだけど、絶対面白くなるのが一巻でわかる感じほんとに松井先生天才かな。松井先生の作品の悪役はめちゃくちゃ魅力的なのがほんとに困る。葛西とかもそうだし、サイも好きだった。今作は足利尊氏がその悪役なんだけれども、ヤバいやつなのに思考がサイコパスなのに、なんかカリスマ性と魅力指数がぶっちぎってる感じ。好きにはなってはいけないんだが嫌いになれない…不良に恋する気持ちってこういうこと?…多分違う。
そして毎度毎度主人公のポテンシャルがおばけなんよ。弥子も序盤から才能満ち満ちてたし、渚くんも地味こそ至高みたいな感じだったけど結局暗殺者としては最高位だし。今回の若君は最初っから才能ありまくり。でも、それが「逃げる才能」ってのがユニークでほんとに面白い。若君を支える周囲のキャラクターもぶっ飛んでて魅力的。人格やばいのが一番近くにいるけど大丈夫そ??って感じ。絵柄は好き嫌い分かれると思うけど、人間の悪い顔描かせたら松井先生の右に出る人いないんじゃないかって思う。平均的な絵の上手さって勿論あるだろうし、そういういわゆる「綺麗な絵」が好まれるのもわかるし、私もそういう漫画大好きだけど。綺麗な絵を描くというよりは、自分の表現したいものを絵という媒介を通して訴えてます。っていう気持ちを痛烈に感じる。それって平均的な絵のうまさに落とし込んだらきっと表現できないことだなって思うので、松井先生の絵柄はとても個性的で好き。まだ4巻なので何巻の構成で考えてるのかわからないけど、しっかり最後まで描き切ってほしいし、若君の成長と下剋上に期待大。

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