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太ももやふくらはぎの違和感〜坐骨神経痛の始まり 20220908

 私は鍼灸師なのですが、どこかに勤めに出るのではなくて、自宅の一部を治療室にしています。玄関から左側が治療室で、右側が自宅です。9匹の猫と一緒に暮らしていますが、猫たちは玄関から右側で生活をしていますので、治療室には立ち入ることができません。玄関には気が向けば出てくるので、受付嬢のように患者さんに挨拶してくれる猫もいます。

 今日の治療は当院では若いほうの年齢層、30代の患者さんでした。いつも通りお腹を上にして治療を始めていたら、途中で

「ちょっと足を曲げてもいいですか?」と言う。ピンと来た。

「どうぞ構いませんよ。ところで足がどうかありますか?」と聞くと

「少しシビレがあります」と言う。

 上向きに寝て、足が真っ直ぐに伸ばしていられない、これは坐骨神経痛の症状の始まりのサインだと私は考える。「お尻のこの辺りが痛みませんか」と聞けば「はい。痛みます」との答え。これは当院では、本当によくあるやりとりです。

 
 坐骨神経痛とは、主に臀部と脚に症状が出る神経痛で、ひどくなると足を地面につくことができなくなって、歩けなくなる。高齢者で症状が酷い場合は、痛すぎてベットで寝たきりになったりする。軽い場合は、歩くと足に電気が走る、など独特の訴えをするのですぐにわかる。しかし、ここまで悪くならなくても、自覚症状が軽いうちに治療やセルフケアで悪くならないようにすることができる。

 今日の患者さんのように、足をまっすぐ伸ばすのがツラくなるとか、弱いシビレがあるとか、長く座っているとお尻が痛むとか。また、逆にたくさん歩いた後にお尻のとこ(尻っぺた)が痛いとか、太ももの外側、ふくらはぎの外側、足の甲の小指の側に弱いシビレや、ボワンとした違和感などを感じる場合もある。これくらいの違和感のような状態なら、坐骨神経痛とは言わないでいいだろうけど、その初期症状だと私は考えている。これくらいの段階で適切な治療をしてストレッチなどセルフケアをしておけば、ひどくなることはない。

 治療のポイントは、お尻の梨状筋と言われる筋肉である。この筋肉と坐骨神経の走行路は密接に関わっているので、だいたい上に述べたような症状が出ている患者さんは、症状の軽い人も重い人も、このお尻にある梨状筋が硬くなっていて、少し押さえるだけで飛び上がるほど痛がる。お尻の奥の方にある筋肉なので、針は体の奥の方を治療しやすいことから、効果的な治療ができる。またそう言った硬くなった筋肉は血流が悪くなっているので、お灸で温めて血行を良くすることで諸々の症状を改善させることができるわけである。

 誰にでもよくある症状なだけに、軽い時にどういう症状が体に出るのかを知っておけば、ひどくなる前に対処することができる。読者の方の一助になればと思って、今日の治療室の出来事を文章にしてみました。

 
 思い当たる節がある人は、信頼できる鍼灸治療院に相談してみてください。
梨状筋のストレッチ臀部のストレッチという風に検索すれば、良いストレッチの動画もあるので、そういうのを参考にしてやってみるのもいいと思います

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