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教科書に載ってないマッピング小ネタ集
本稿はBeat Saber Advent Calendar 2024の13日目の記事となります。
こんにちは。やおみんです。
それなりに譜面作ってる人です。
https://beatsaver.com/profile/4285061
ぼく去年も一昨年も13日の夕方頃に記事を公開したんですが、今年はみんな0時にしっかり投稿してるので僕だけ凄い浮いた感じになって恥ずかしい。
この記事は、譜面を作る上で大切だけど、日本語でも英語でもあまり言及されてないと個人的に思った事柄を書き連ねたものになります。
そのため、マッピングの基本的な用語やルール自体は知ってるけど深くは知らない、みたいな人に向けた記事になります。
明確な答えが無い曖昧なもの、主観的な考えも多くありますが、それでも良ければ見てください。
音楽に合わせて配置する
BSMG WikiのマッピングページやDiscordのマッピングサーバーで、「音楽に合わせてノーツを配置しよう」みたいな事がよく書かれていると思います。
では音楽に合わせるとはいったい何なのか?ボーカルやドラムのリズムに合わせてノーツ置く?強調したい時は両手ノーツ置くみたいなこと?間違いじゃないしそう書いてるけど、本質はそこではないです。
例えばあなたが少年アニメのテーマソングを聞いて、よしこの曲で譜面作るぞってなった時に、曲の構成がだんだん盛り上がるイントロ→その流れでAメロ→静かなBメロ→ノリノリのサビ→ビシっとしたアウトロ みたいな感じだったとします。そしたら配置も曲と同じ流れにするんです。だんだん盛り上がる配置にして、その流れでAメロ入って、Bメロでゆったりさせて、サビで一番目立つノリノリになれる楽しい配置をして、アウトロでビシっと決めさせる。
これが音楽に合わせるという事です。アニソンじゃなくても、ファンクでもロックでもメタルでも一緒です。サビやドロップと呼ばれる部分は譜面の中で一番楽しい配置にしてください。逆に静かな部分は腕を休憩させてください。
譜面を考える前に、曲の事を考えてください。曲無しでは譜面は出来ません。曲を第一に考えて、他の人に曲を楽しいと思ってもらえるような、曲とシンクロした譜面を作ってください。僕自身はそういう譜面はそんなに作れてません。
配置に統一感を持たせる
曲の中で繰り返しの音が出てきたら、その時は以前の配置を(ある程度)コピペした方が良いです。だってそうしないと曲にノれないから。
プレイヤーは最初に曲と配置の流れを覚えるので、もし繰り返しの部分で配置が繰り返されてなかったら、曲は変わってないのにセイバーの動きは変わる事になってしまって、気持ち良さが本当に無くなります。
ラストで展開が変わったりする場合は、その時だけちょっと配置変えるのはアリですが、そうじゃない場合は変えない方がノりやすいです。
楽しいと思った配置は覚えておく
プレイ中、「あ、これ楽しいな」って思った譜面はありますか?もしあったなら、その譜面のどういう配置パターンが楽しかったのかを覚えておくと、マッピングで役立ちます。マッピングは自分の頭の引き出しの多さが配置の豊かさに繋がるので、とにかくインプットする事が大切です。
もちろん、色んな配置パターンを覚えているからといって、それを自分の譜面に落とし込めるかは別です。曲によって配置の合う合わないはあるし、それを判断するのは自分の感覚です。合わないと思ったら、覚えた配置を無理に使うのはやめてください。譜面ではなく曲が第一です。やりたい事を優先し過ぎないようにしてください。
譜面によってNJSとRTは変える
NJS (ノーツ速度) とRT (リアクションタイム、ノーツが来るまでの時間) は数値によって譜面の印象を大きく変化させます。チルな曲だったら遅くして、逆にハードコアだったら速くすると曲に合う……というのは感覚的に分かって貰えると思います。
それはそれとして、譜面の難易度によってもある程度変えた方が良いです。
上級者向けの難易度ならともかく、そうでないならノーツが詰まって見えるか見えないかギリギリくらいの遅さでも良いです。
譜面作りに慣れてないマッパーさんはとにかく速くしがちなのですが、意外とそんなに速度は必要ありません。
本当の初級者向けの譜面の場合、とても余裕のある数値にしてください。NJSは1桁で良いしRTは1000ミリ秒あったって良い。
ちなみに、スライダーの間隔も譜面によって変えた方が良いです。曲がゆったりNJSもゆったりなのに、スライダーが1/32とかだと結構場違いな感じがします。(速い曲で1/16のスライダーも同様)
プレイテストである程度の精度は出した方が良い
スコアの仕組みが分かっている事が前提の話になります。
譜面が完成したら、そのままアップロードするのではなくいったん自分自身でプレイすると思うのですが、この時90%程度の精度は出した方が良いんじゃないかなあと思います。これはダンス譜面でも一緒です。
何故なら、90%出るという事は、「角度点が安定して満点出る + ノーツを端っこではなくある程度真ん中を狙って斬れている」という事だからです。
角度点が出る振りというのは、言い換えれば余裕のある大きな振りです。角度点が出ない振りは、スイング幅の少ない、窮屈な振りです。
また、ノーツを狙って斬れているという事は、無理のある誘導やスイング速度のない配置という事です。
余裕をもってセイバーをぶおんぶおんと出来る方が基本的に楽しいはずだし、そういう振りに自然になる譜面ならば逆説的に90%くらいは出ます。90%出ない譜面は、窮屈な振りをしなければならず、誘導に無理がある譜面の可能性があります。
可能性というだけなので、90%に届かない譜面であっても自分のプレイスキルが譜面の難しさに伴ってないだけかも知れません。ただ、それを体感で判断するのは難しいので、ある程度精度出した方が譜面に問題無いかどうか簡単に判断出来るよね、という話です。
音のタイミングで壁と爆弾を避けさせる
壁と爆弾は、避けるべき障害物です。何当たり前の事言うとんねんと思われるかも知れませんが、避けるという事は来る前に身体を動かすという事です。来た瞬間ではなく来る前です。
では、曲が始まって10ビートの時にプレイヤーの頭を動かしたい場合、壁は
➀10ビート
②10ビートより後ろ
どちらに設置するべきでしょうか?
答えは②です。だって壁は来る前に頭を動かして避けなければいけないから。
爆弾も同じように考える事が出来ます。ノーツとノーツの間に爆弾を置いてセイバーを誘導させたい場合、爆弾は来る前にセイバーを動かして避けなければいけない事に注意してください。
この考え方を実践した譜面があるので、良ければ参考にしてください。
アーク、誘導としてはいまいち信頼感無い
バージョン1.20にて鳴り物入りで登場したアークですが、これを装飾目的ではなく、セイバーの誘導目的で使用するのは危険です。理由は2つあります。どんな位置にあろうとセイバーに吸い付いてしまうというのと……
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そもそも表示を消せるからです。ライトと同じ扱いで良いのかお前。ライトが表示していなくてもプレイに支障は無いように、アークも表示されてない事が前提のマッピングをした方が安全です。ところで1.40の背景気持ち悪くないですか?
壁もビジョンブロックになる
ノーツと同じように、壁も中央2レーンに置くとビジョンブロックの危険性があります。
壁を透過させる系統のMODを外し、グラフィック設定でScreen Distortion Effectをオンにして確認してください。
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中央左側の壁によって、左側の視界が塞がれていますね。この場合は、壁の終端から少しの間は左側にノーツや爆弾を置くのはやめた方が良いという事が分かるかと思います。
ただししゃがみ壁に限っては、頭を大きく下に動かすため中下段はビジョンブロックになりづらいです。
ビジョンブロック、リアクションタイムで判定するのが良い説
配置がビジョンブロックかどうか、どうやって判断してますか?エラーチェッカーでワンクリック?それとも適当に500ミリ秒くらい開ける?
それらの方法も間違いでは無いですが、もっと親切な判断方法があります。設定したリアクションタイムに合わせれば良いんです。
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この画像の譜面の場合、リアクションタイムは522ミリ秒に設定しているので、ビジョンブロックもこれに合わせて522ミリ秒未満で判定します。なんで合わせるかというと、リアクションタイムはノーツが出現してからプレイヤーの所に来るまでの時間 (厳密には違いますが) なので、ここに合わせる事でノーツを出現する所からバッチリ見えるようにしようという狙いです。
この方法だと、初級者向けの譜面では”かなり”配置に制約がかかる事になってしまいますが、親切さの面では不足無しだと思っています。
ライトを無意味にチカチカさせるな
自動でライトを置いてくれるツールを使うとありがちな事なんですが、ライトがこういう配置になる事があります。
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全レーンのライトを高速で同時にオンオフ繰り返して目を破壊しに来ています。もし自動でライトを置いてこういうライトがあったら、ここだけは修正した方が良いです。サイドレーンを常時光らせとくとかでも明滅具合がだいぶ違います。
曲のオフセットは波形を見て調整しろ
曲のオフセット (開始位置) をどうやって調整してますか?もし耳に頼っている場合、やめた方が良いです。
一番簡単な調整方法は、パーカッションやピアノ等の楽器の音の波形 (ボーカルのような不安定な音は駄目) をBPMのグリッド線に合うように無音時間を調整する事です。
音源調整ソフトでグリッド線を表示出来るならそのソフトで表示してください。出来ない場合、Chromapperでも波形 (スペクトログラム) とグリッド線は見えるので、それを元に音源調整してください。
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おしまい
なんだかまとまりの無い記事になってしまってすいません。心得と実践的な知識とがごっちゃになっちゃった。
マッピングする時、この記事の内容を頭の片隅に入れて、たまに思い出して貰えると嬉しいです。
記事を読んでくれてありがとうございました。それではまた。
宣伝なんですが、Trimap Battle Royaleというマッピングコンテストとバトルロイヤルが合体したみたいなイベントにマッパーとして出ます。
日本だと他にマシュくんと竹にゃんも出るよ。
入賞したら賞金が貰えるらしい。良かったら応援してネ。
という訳で本当に終わり。