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人間万事塞翁が馬
知的障害のある息子は言葉が話せません。私はその昔「この子が大きくなる頃には、テクノロジーが進化し、障害を補ってくれるはずだ。」と信じていました。おかげさまで予想通りの未来を生きております。ですので13歳からiPadを導入していました。
息子が、iPadを使っているのを見るたび母は「この子にできて、私に出来ないのは悔しい!」と思っていたようです。ある日負けず嫌いが爆発し、iPadを購入しました。
両親は、山間部に住んでいるので、オンラインで安否確認が出来たら私が助かります。今よりさらに高齢になったときに、買い物や医療や生活を補う世の中が来るはずだと、マメに指導に通いました。母はその度に真っ黒になるほどメモにとり、どこに書いたか分からなくなって、またメモを書いては繰り返し勉強しました。
数年かかりましたが、LINEで連絡を取り合いますし、毎日ネットニュースを見て、分からないことはGoogleで検索します。このようにiPad、iPhoneを使えるようになりました。
今日はzoomにトライしました。ものすごく苦戦しましたが、電話をかけながら教えて、1時間ぐらいで無事に繋がりました。母は「これが噂に聞いたzoomか!?ニュースで見たことがあったわ。」と喜んでいました。これでまた安否確認の方法が1つ増えました。
むかし母は私の病気をきっかけに40歳を過ぎてから車の免許を取得しました。当時はおばちゃんが免許を取りに行くのは珍しい時代でしたので、泣きながら教習所に通っていました。しかしそのおかげで仕事に通いやすくなったので、転勤にも応じることが出来たそうです。
コロナをきっかけにzoomが出来たなんて、今年80歳になる母にとっては、まさかのまさかです。母は現在進行形でバージョンアップしているようです。まさに「人間万事塞翁が馬」ですね。