【短歌】「きょうの旅」其の参

「鴨川デルタ」　

デルタにて
別れるか否
思案する
何処へ向かうか
わたしの未来

きみ好む
フルーツサンド
買い求め
いそぎデルタへ
北上する

ふりむけば
飛び石駆けて
やって来る
あなたの手には
フルーツサンド

めを見ずに
空を見上げて
「わるかった」
あやまることは
むつかしすぎる

鴨川に
並ぶふたりは
別離する
ジンクスあると
たんたんと言う

それならば
高野川むき
きみを抱く
独り時間の
さみしさ溶かす

あとがき

　私は京都の街が好きですが、甘くて美味しいものも大好きです。特に好きなのが阿闍梨餅、鍵善良房の竹筒羊羹（期間限定）、ヤオイソのフルーツサンドなのです。この３種があれば私を制圧するのことは、いとも簡単です。そこに期間限定の珍しいお菓子を付ければ、エクセレント！完璧に機嫌は治ります。

　この日は、待ち合わせに来ない友人に対し、怒り心頭でした。電話に出ても、一切返答せずに「ヤオイソのフルーツサンド」だけを呪文のように繰り返し続けました。私自身この怒りを鎮めるためには、ヤオイソのフルーツサンドしかなかったのです。

　友人は、慌ててフルーツサンドを買い求めて走ってきました。短歌ではここで仲直りするのですが、現実は「珈琲がないな」と毒づき、友人は再度コンビニ目掛けて走って行きました。

　というわけで、今回はフルーツサンドと珈琲により、私の機嫌は修復されたのでした。遅刻のおかげでフルーツサンドも食べれたし、短歌のネタも事欠かず、山ほど詠うことができた京都の旅でした。

　追伸：今度遅刻したら、ヤオイソのフルーツパーラーで食い倒れるまで食べさせていただきます。

ヤオイソ
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