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還暦が見えてきた頃。

中学時代の友人A子とB子の3人で久しぶりに会うことになりました。都会で落ってとりあえず予約していたお店でランチです。

日曜日、快晴、イベントもあるとかで人がごった返していました。こうなることを予想していたので私はレジャーシートを持参していました。足を痛めていると聴いていたB子の住む沿線で見つけた公園に移動することを提案しました。

ということで地下鉄で移動して、ちょっと穴場の公園に行きました。コンビニでおやつとコーヒーを買って公園の中を3人で歩きました。

池のそばのベンチを陣取り、レジャーシートを引いて靴を脱いで、思い思いの格好でお喋りを始めました。

・・・

近況報告をしていると、何人か音信不通になった仲良しの話題になりました。その中でCくんのことが心配になってきました。そこで3人それぞれがCくんにメッセージを送ることにしました。

A子が「元気にしていますか。いつもの3人で公園にいるよ。』
B子が「最近どうしてるの?仕事はどうですか?」
私が「久しぶり!いま公園にいるからおいでよ!」

いきなり3人からほぼ同時にメッセージが届いて、Cくんは何事かと驚いたことでしょう。でも生真面目なCくんです。一人一人にちゃんと返事が返ってきました。返信が早く届いた順番で、また盛り上がりました。ちなみに私は2番目に返信がきました。

調子に乗った私が「Aちゃん『歩こう、歩こう』ってCくんに打ってよ。Bちゃんは『私は元気♪』私は『歩くの大好き〜どんどん行こう』連続で送信しようよ!」と言うと「いや流石にそれは不気味やで(笑)」とバカなことを言って盛り上がりました。

最後にCくんへ30年前の3人組の写真を送信しました。当時クラスのマスコット的な存在だったCくん相手にどんだけ遊ぶんだか。私たちはすっかり中3女子に戻ったようでした。

Cくんから「昭和感満載😂」と返ってきて、またまた大爆笑でした。

・・・

実は私は中学3年生の1学期に転校してきました。だから彼らとは1年しか付き合いがありません。受験期だし正直友だちなんて出来るとは思ってもいませんでした。

それでも3年1組の9人ぐらいのクラスメイトと還暦が見えてくる年齢になるまで付き合っているのです。ホント人生は分からないものです。

公園で大笑いしている3人ですが、15歳の頃を思うと予想外の人生を生きてきました。自分の努力だけではどうにもならないこともたくさん経験してきました。

私は喘息の持病があるし、A子はずっとパートで働いています。B子も足を痛めています。それぞれが老いを自覚してきました。

それでも公園の陽だまりで、昔話に花を咲かせ、困りごとに知恵を絞りあっているなんて、私たちは案外幸せな未来を生きているのかもしれません。

「今日はありがとう。また会おうね。今度は男子たちにも声をかけよう。」
私たちは地下鉄の駅で手を振ってそれぞれの家に帰っていきました。



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