進路を選ぶことの難しさ。
「実習に来ている学生は保育士にも教師にもならない人が多い。」保育士さんと教師が話していました。
看護師、保育士、教員、介護士など実習を伴う職種の実習は、勤務時間の中で実習生の指導をしたり対応に時間を割きます。実習先では後輩育成のためだと快く引き受けている(はずです)。
「その人達たちは資格を取って、専門職に就職しないで、何をするの?」
「一般職に就職するみたいよ。知らんけど。」
なるほど。だとしたら人気のない教師、保育士養成校はますます先細るよな。
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すると薬学部の募集停止が増えているとネットニュースで見かけました。
だろうな。薬学部の6年の授業料を払うのは庶民の家計には厳しすぎる。恐ろしいことに国試に合格できない事例いくつか耳に入ってきました。すると国試用の予備校で勉強するらしい。親のこがとを考えると胃がキリキリします。いや落ちた子どもが1番つらい。
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「理学療法士の学部を目指してる。」と知り合いの息子が言い出したので、教員をしている友だちに業界の話を聞いてみました。
「規制緩和以降、誰でも入学できるけど、資格を取っても供給過多で安く買い叩かれているよ。」
ここまできたらホラーです。すでに受験期に差し掛かっていたので、この現実を伝えることはできませんでした。
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介護業界の友人も実習生の「質」に関して口を濁して多くを語らない。しかも2名もいるのに口を割らない。ただ人気がないことは語っていました。
正直、看護師養成の大学も爆発的に増えたけど、看護師も慢性的な人不足です。卒業しても同じ数ぐらい離職してるからね。大雑把な肌感覚なので、細かいことは勘弁してください。怖いから真実は知りたくないです。
外国人の介護人材が進行しています。
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どの進路を選ぶのか、まったく見当もつかない。
どの学校も入学は容易いから進路はたくさんあると思います。けど卒業後のことはまったく見えないのです。
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「オンライン大学への進学を考えているんだけど、スクーリングもないから自宅で勉強できるんだって。」
ついにここまで来たか。
「あなたは何を学びに大学に行くの?卒業したらどういう業界に就職したいの?大学の卒業生の動向はどうなの?」
「そんなの分からない・・・」
夢を潰すようなことばかり言いました。ごめんね。もう何も言わないね。
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私が18歳の頃は、そこまで将来を考えてはいませんでした。景気が良かったので就職には困らなかったし、親の苦労を目にすることなく進学させてくれた恵まれた時代でした。
進路の選択肢が多いことはありがたい。入学して学びやすいのも素晴らしい。子どもの夢が叶うのは親にとっては喜びに他ならない。けれど本当にこれでいいのか。給与が上がらない中、あまりにも教育費の負担は大き過ぎる。大昔に存在した高等遊民はあくまで実家が太い家の話です。
これだけ厳しい社会状況の中、レッドオーシャン化した業界にに無防備な子どもを放り込むことにならないのか・・・
もちろん失敗しても何度でもやり直しは出来るけど、現実的に大きな費用が伴うのです。親のことを考えると慎重にならざるを得ません。
・・・言葉が出てこない。
結論として老害的な進路相談のアドバイスはやめようと思いました。