30年借りっぱなしの実習記録。
順調に断捨離をしているので、すでに天袋はスカスカです。夫の遺品は娘が処分すればいいと幾つかの箱に整理しています。ところがどうにもできないものが1つありました。
この手提げ袋にあるのは、当時の同僚A先輩の実習記録なのです。30年前、勤労学生だった私が、いよいよ看護学校の実習が始まるときに、Aさんが快く自分の学生時代の記録を貸してくれたものなのです。
ところが私は実習で仕事を休職したまま、職場を退職し、他の病院に就職してしまったのです。常々お返ししたいと大切に保管してきましたが、気がつけば30年の月日が流れていました。何度か先輩の消息をたどりましたが、同僚はみな結婚や退職などで、バラバラになっていたので、Aさんの消息を知ることはできませんでした。
ところが先日、同じ病院で働いていたB先輩から数年ぶりにメールが来ました。
「たまたま息子くんを見かけたので、懐かしくなったのでメールしました。」
とありました。知的障害のある息子は一人で作業所に通っていますが、見かけた知り合いが、報告メールをしてくれるのです。Bさんも息子を見守ってくれてたのでした。
それをきっかけにBさんと再会を果たしました。そこで、実習記録の話になり 「この記録をAさんにお返しすることだけが、この世の未練だから、もし私に何かあったときは、私の代わりに○○さんにお返ししてくださいね〜遺言ですよ〜」
とお願いしました。
Bさんは、これは困った頼み事だと言いながら、すぐに古い年賀状を探してくれたようです。次の日の午後、住所が見つかったと連絡が入りました。
私は速攻でAさんに手紙を書きました。そして最終の郵便集荷に間に合うように郵便局へ走りました。これで近日中にお返しすることができる可能性が出て来ました。これでまた1つ、この世でやりのこしたことがなくなりそうです。
発送準備のために手提げバックを取り出してみました。すると実習記録の他に、
なぜか短大時代のゼミの発表のレジュメのファイルが入っていました。ワープロの初期の時代なので、ほぼ全員が手書きのレジュメでした。あちこちに落書きがありました。読みにくいけど面白そうなので、じっくり解読してみようと思います。
一緒に懐かしい指導教員の手書きの参考文献のリストもありました。後々に知ったことなのですが、実はこの筆跡は先生の奥様のものでした。恩師がお亡くなりになったあとに、奥様からお手紙を頂き判明しました。先生のお仕事を手伝っていらっしゃったのです。お会したことのない奥様ですが、当時からずっと繋がっていたようです。奥様には、社会人になり大学、大学院へ進学、卒業するたびに、奥様にお手紙を書き、恩師の仏前に報告をしていただいています。
そしてもう見知らぬカルチャークラブのツアーパンフレットがありました。確かに流行していましたが、私はライブには行っておりません。夫のものでしょうが、どうしてこの袋に紛れ込んでいたのかわかりません。懐かしい時代の香りがプンプンしてきます。ウィキペディアによると2000年3月に15年ぶりに来日公演を行うとありました。これですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カルチャー・クラブ
20代の思い出が入っていると思いましたが、最後に40代での実習指導のバイトの交通費精算の用紙が出てきました。単純に整理整頓ができてなかったようです。精算用紙はこれを機会に処分します。
しばし懐かし思い出に浸っていました。さてAさんに無事に実習記録をお返しできるように、ぼちぼち荷造りします。
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