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ドラマ「おかえりモネ」菅波のセリフが突き刺さる時。
私のイメージする朝ドラのヒロインは、1明るく 2元気 3逆境に負けない。こんな感じですが、現在放映中の「おかえりモネ」は1暗い 2どちらかというと青菜に塩 3しぶといけど揺らぐ。こんな感じです。
ボソボソと話すセリフは、時々朝の忙しさに、かき消されます。しかし本来、人の日常会話というものは、このようなボリュームかもしれません。よくよく耳をそば立てると、時おりセリフが、胸に響き、小骨のように突き刺さります。たかがドラマのセリフなのに、されど、じわじわと時間をかけて心の奥底に深く突き刺してくるのです。
10月25日の菅波のセリフが響きました。
「怖いですよ。残念ながら僕らは、お互いの問題ではなく全くの不可抗力で突然大切な人を失ってしまうという可能性をゼロにはできません。未来に対して、僕らは無力です」
「でもだから、せめて今、目の前にいるその人を最大限大事にするほかに恐怖に立ち向かう術はない」
私たちは、未来に対して「不安」が大きい。現実的にも、この30年の景気の悪さは、若い世代にも薔薇色の未来を夢見ることを許さない。娘が数年前に言いました。
「受験、就活、婚活、妊活、保活、・・・終活。私たちは、何もかも努力して頑張らないとダメなんだね。ホントしんどいわ。」
「これから社会は良くも悪くも変わっていくよ。決して同じではないはずだよ。」当時の私は、それしか言えませんでした。そしてコロナウィルスの流行が始まりました。
「おかえりモネ」の物語は最終週。これからコロナ禍へと突入していくようです。既に私たちは、コロナウィルス流行禍の2年間を経験しました。そして今も「前と同じような生活は戻らないだろう。これからどうなるのだろう。」という不安を抱えている人も多いと思います。
今の私たちと同じ時間に立っているなら、菅波は、どんなセリフを言ってくれるのだろう・・・最終週なので、過度な期待はしませんが。
「でもだから、せめて今、目の前にいるその人を最大限大事にするほかに恐怖に立ち向かう術はない」
2年前も、現在も、もう立ち向かう術は、これしかないのかもしれない。私は久しく声をかけていなかった大切な人たちに声をかけていこうと思いました。
みんな頑張っている。期限の無い不安を抱え、毎日を走り続けている。走っていることにも気が付かないほどに一生懸命なのです。
「元気?どうしてる?」
恐怖に立ち向かう術として、私が出来ることをやってみようと思いました。そこからまた何かが始まるかもしれませんから。