あたしンちの日常〜バカ息子とキレる私〜
知的障害者の息子が支援学校を卒業し、B型就労支援事業所に入りました。そして少ないですが工賃を頂けるようになりました。
障害者の親は子どもに、お菓子や必要なものを先回りして与えがちだと指摘されました。確かに先回りして物は与えがちでした、その結果、物欲が乏しくお金の意味が分からないようでした。
「物欲を刺激して、働く意欲を高めていきましょう。大変だと思いますが、お金の大切さを学ぶことになりますから。」
スタッフからのアドバイスに同意し、お金の訓練が始まりました。事業所のスタッフからサポートを受けながら、息子は大好きな本を自分で選び、自分が稼いだお金で購入するというプロセスを学ぶことになりました。
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徐々に息子は好きなものを手にする事に目覚めていきました。すると1ヶ月分のお小遣いをあっという間に使い果たし、違う本が欲しいと癇癪を起こすようになりました。
事業所と相談し1ヶ月分のお小遣いを1週間ごとに分割して手渡すことにしました。ほしい本が高価で買えないと癇癪を起こし、私の財布からお金を取り出そうとしました。その点は第3者であるスタッフに注意をしてもらい、古本屋で安価で本を購入することを教えました。すると今度はたくさんの本を購入してくるようになりました。
モグラ叩きゲームです。スタッフさんと私が代わる代わる注意し指導し対応策を講じていくのです。数年が経過しましたが、いまだに表紙がリニューアルされるたびにアンパンマン大百科を買います。高い本はお金を貯めて買うことができない。買った本を積み上げて捨てることをしないのです。
懇談会を家庭訪問に切り替えて、事業所のスタッフさんが息子と一緒に本棚の整理をしながら、捨てる本を選別するなど粘り強い指導していただいています。
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ところが私はすぐに、息子をブチギレます。180センチの大男が、本を買ってくれ!お金をくれと癇癪を起こすのです。私はもともと穏やかなタイプではないので、「うるさい!いい加減にしろ!!」とすぐにキレます。話せない知的障害者の息子と分別のあるだろう年代の私が本気でケンカになります。そのうち障害者虐待防止法で通報されるかもしれません。
本棚のスペースを与えても焼石に水なので、本棚の中段までしか使用を許しません。そこへ息子がどんどん積み上げていくので、床に雪崩がおきます。すると床に置いている本やおもちゃはゴミだと取り決めているので、ゴミ箱にぶち込みます。息子は半泣きでゴミ箱に走り、私に抗議をしてくるのです。そしてまたケンカです。
お金の使い方を習得するには至っていません。なぜなら彼は本以外の買い物はほとんどしないのです。。先週はリンゴジュースを購入していましたが、なぜか飲まずに冷蔵庫に置いてあります。なんのために購入しているのか分かりません。できたら飢え死にしないように食べ物を買ってほしいです。
今日も朝から本屋にいきたいと言い出し、今日は散髪に行く日だとケンカになりました。障害者の母は女神でも天使でもありません。優しくもないしブチギレる怖い母です。これが私です。
めんどくさい息子と私、これがあたしンちの日常です。