
障がいはあるけど、今日もご機嫌。
知的障がい者で療育手帳を持っている息子ですが、身体障がい者手帳も持っています。咀しゃく機能障害です。口蓋裂で生まれて、口蓋閉鎖術をしましたが、ものを食べることに苦労しました。
息子はなかなか歩けないし乳歯も生えきませんでした。のちに乳歯は生えてきましたが、一部の永久歯は欠損して永久に生えてこないことが分かりました。発語は今でもありません。でもガッツがあるらしく歯茎で昼食のトンカツを食いちぎっていたと保育士さんが感動していました。私は単なる食い意地だと思うけど・・・
乳歯が生えても咀嚼はイマイチで、食べ物を丸ごと飲み込むことがありました。ことに「吸い込む」ことが苦手で、ストローを使えるようになるまで何年もかかりました。あまり咀嚼している様子もないので、我が家では麺類はNGになりました。
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中学の時に息子に嫌いなものは何?と聞くと「ラーメン、うどん、スパゲティ、そば、焼きそば・・・」とありったけの麺類を文字盤に書き殴りました。どれだけ麺類が嫌なのかしら。
私が生きているうちは、食事に配慮するので麺類を避けて生活ができますが、将来的にグループホームで集団生活を送るとなると、好き嫌いがない方が良いに越したことはありません。だから選択ができるときには、麺類を避けますが、そうでない場合はそのまま麺類を出してもらうようにしました。
私は結構、粗雑な人間ですので、その方針で何年も暮らしてきました。ところが最近、息子がうどんを食べたい。焼きそばでもいいと意思表示をするようになりました。驚いたことに食べれるようになってきたようです。
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先日、事業所からの連絡帳に「ぜんざいを作って食べる計画を立てていますが、お餅が食べれないと言います。どうすればいいでしょうか。」
いやいや正月もお雑煮でお餅を食べていたけど、餅を詰めないか注意をしてはいたけど残さず食べていました。おそらくこれは出されたものは、文句を言わずに食べないと、私が怒り狂うからでしょう。餅の危険より私へ恐怖が勝っていたのね。
確かに餅は食べにくいし、危険を伴うということを25回目のお正月を迎えた後で気が付きました。すっかり忘れていたけど歯科矯正の治療中は餅、グミは禁止されていました。
思い返せば私は患者や相談者に対しては120%気を配るけど、障がい者の我が子への気配りは35%ぐらいの配慮です。雑でいい加減な親です。
ということで「お餅がダメな場合、白玉団子で代用していただいてもいいですが、特別扱いはよくないので、餅なしでお願いします」と返事を書いておきました。
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書き出してみると少し大変そうな息子ですが、今日もご機嫌に生活しています。
最近、息子は事業所のパンの販売の売れ残りを小遣いで買ってきます。うれしそうに私に見せびらかして食べます。息子の不在中に自分だけオヤツを食べている私への当てつけです。
あまり認めたくないですが、私も息子も食い意地が張っている似たもの親子ですね。