見出し画像

好きなアイスの話

一番好きな食べ物は何?

好きな食べ物は何かと聞かれたら「オムライス」と答えるようにしている。社会人になったくらいから、この質問には機械的に答えている気がする。作るのも食べるのも好きな食べ物ではあることと、無難に答えるのにちょうどいいのがオムライスだからちょうどいいのである。
料理をする人からしたら、オムライス作るといえば話が多少弾むし、今のところオムライスが嫌いだという人に会ったことがないので外さない答えだと思っている。本当に好きな食べ物は何かと聞かれると難しい。ましてや最後の晩餐で食べるなら何かと聞かれると困る気がする。

これを機に最後の晩餐について考えてみよう。
まず持って最後の晩餐が準備されているということは、明日もしくは食後すぐに、その人生を果たしてしまう状況ということである。

そんな状況あるかい!

こちとら一生懸命に幸せとは何かについて考えとるんじゃい。
明日死ぬことなんて考えとらん!!
ということで、今の自分に最後の晩餐を何にするかはあまりに愚問なので、日々生きとし生けるものに感謝し、美味しくご飯を食べていくことにする。

好きなアイスの話

九州生まれなので、銘菓ブラックモンブランと、白くまアイスをこよなく愛する人間だった。人類は皆、一度はブラックモンブランを食べるべきだし、白くまはちゃんと鹿児島で本家のものを食べて欲しいと思う。
九州生まれ、お母さん育ちなので、なかなか大人になって極上に美味しい食べ物に巡り会えていないのが経験値として不足していると感じる部分だ。
“誰々と食べた“とか、“どこどこで食べた”とかいうキャプション付きで美味しいものにはもちろん巡り合ってきたが、説明文や背景なしに食べ物で感動することが最近減ってきた気がする。まあ、元々そんなに外食しないおうち人間なのがいちばんの原因だろうけど。

ところが。ここ最近で巡り合って感動したものがある。それが本題のアイスである。

ファミリーマートさんの期間限定商品、「ぎっしり満足!チョコミント」のアイスに出会ったのは昨年の夏である。それまでチョコミントのアイスはまあ選ばないタイプの人間だった。歯磨き粉の味がするって決まり文句を言っていたし、そう思っていたし、ぶっちゃけ今でもそう思っている。ミント食べて歯磨き粉の味は当たってるもん。何がきっかけだったかは覚えていない。どこかでこのフレーバーがプッシュされていたのかもしれない。たまに訪れる冒険してみたい欲が働いたのかもしれない。
子どもの頃に17アイス(自販機になってるアレ)でチョコミントアイスを買ってみて、食べられなくってお母さんにあげた以来の対面。あの化学的な色合い。立ち昇る歯磨き粉の香り。ああ、僕はチョコミントアイスを買ってしまったんだ。

いざスプーン入刀。
科学的なミント色と、馴染みのチョコ色が織りなす断面図に不安を感じる。カップを握る左手が濡れているのは、結露のせいだけじゃない。おそるおそる口に運ぶ。舌に乗せた瞬間に広がるは歯磨き粉、、ではなく謎の清涼感!口の中にはミントの爽やかな香りが広がり、夏の暑さすら和らげてくれた。忘れてくれちゃ困るぜと馴染みのチョコがあとから落ち着かせてくれる。

これがチョコミントっ!

僕はこの日からチョコミントを食べられるようになった。

チョコミントをあいするということ

だがしかし、現実はアイスのように甘くはない。チョコミントは僕にとって、あるときは数式のように美しく、またあるときは〇〇のように××なものだった。その日以来、多くのチョコミント商品に手をつけた。去年のマイブームはチョコミミントと言えるだろう。けれどもまあこれがうまくいかない。やっぱり歯磨き粉じゃんってなってしまうものの多いこと多いこと。チョコミントは奥が深い。

僕のたどり着いたチョコミントの美味しさの定義が以下のものである。

“チョコミントの美味しさとはチョコとミントの濃さ、そして量のバランスで決まる“である。
何を言っているのか自分でもわからない。僕調べの結果なので異論は大いに認める。

解説するとこうである。
色々のチョコミントを食べてきた結果、チョコとミントの濃さはやはり大事だった。しかもそれらは量による味の濃さではなく、それ自体の味が主張し合える関係にあることが大事だと感じた。

具体例を挙げると、このチョコミントブーム期間に色々の仮説を立てて、実験を行った。

仮説1:僕はミントが好きなのか?あるいは好きになったのか?
仮説2:僕はチョコが好きだからチョコミントも好きなのか?
仮説3:好きになったチョコミントの共通点は何か?

仮説1の検証

チョコミントが食べられるようになった時にまず思ったのが、僕はミントを好きになったのかという疑問だ。これを立証すべく僕は2つの実験を行った。一つ目はホテルとかで出てくるアイスの上に乗っているミントを食べて美味しいと感じるか?である。この検証は簡単だ。食べればいい。スーパーで198円のミントを買って洗って食べた。

まずい

まあ食えたもんじゃない。口いっぱいに結局歯磨き粉のような、そして植物由来の繊維感が最悪だった。
第1の実験からミント自体が好きになったのではないようだ。

では二つ目の実験だ。チョコミントからチョコを除いてミント味だけを堪能すると美味しいと感じるのか?である。この検証は上手いことミント多めの部分を探って食べた時に美味しく感じるかで検証した。

あんまり美味しくない

この結果は自分でも意外だった。てっきりミントアイスが食べられるようになった。ふふーん俺って大人じゃーんくらいに楽観的に考えていたもんだから、自分の未熟さに泣いた。

仮説1の結果:僕はミントが好きになったわけではない
ということが立証された。

仮説2の検証

チョコは間違い無く好きだ。それこそ大人になってカカオ強めの苦いチョコも食べられるようになった。えらい。
ではこのチョコがあってチョコミントが食べられるようになったのだろうか。ならばチョコマシマシでチョコミントアイスを食べれば最強のチョコミントアイスになるのではないか?というのが仮説2のポイントである。

先ほど紹介したぎっしり満足!チョコミント、略して「ぎしまん」に再度登場してもらう。そして僕の好きな定番チョコDARSミルク味さん全面協力のもと、魔改造チョコマシマシぎしまんを錬成した。
こんなの上手いに決まっている。チョコマシマシやぞ。
いざ実食!お味の方は、、、

チョコアイスでええやん

撃沈した。チョコが多い分満足感も高まると期待していたのだが、どうやらそうでもないようだ。

仮説2の結果:チョコが多けりゃいいってもんでもない
まあ、世の中茶色ベースのチョコミントアイスが売っていないのもこれが理由かもしれない。

仮説3の検証

では2023年の僕に何が起きたのだろうか?確かにチョコミントが好きになったのは間違いないが、何が僕にそうさせるのだろうか?
結局この夏好きになったチョコミントフレーバーは3つくらいにおさまっている。
一つは何度も出てきているぎしまん、そして残り2つがスーパーカップのチョコミントと、小学生の僕をいじめたセブンティーンアイスのチョコミントだ。

これらの共通点はなんだろうか。思い出そうとして調べたところ、スーパーカップのチョコミントは今年2024販売されていないらしい。そういえばまだみていなかったな。

共通点1:ミントが濃すぎない

多分僕にとって重要な項目になるのが、このミント感である。
アイスというのは冷たいので、口の中に入れた時に味と温度がダイレクトに広がる。熱々のおでんを食べた時に味より先に「熱ッ!」ときてしまうが、冷たいものだと冷え感と味わいがほぼ同時に伝わってくる。
そこでミントが濃すぎるとお子ちゃまな舌である僕には歯磨き粉になってしまうのである。
もちろん薄すぎてもいけない。薄いチョコミントなら食べなきゃいいわけだし。

共通点2:チョコがちゃんとチョコである

一度対面したことがあるのが、チョコチップではなく、チョコアイスとミントアイスが混ぜ合わさったものを食べたが、これがなかなかときめかなかった。ただ混ざり合って溶けてしまうだけで、互いの存在を打ち消しあってしまっていた。これは完全に僕個人の意見だけど、そもそもそういえば僕はあまりチョコアイスを食べない。チョコが入ったアイスのほうが好きなのである。
味だけでなく、舌触り、噛みごたえといった、チョコ自体がチョコミントというアイスの中に存在感を示す必要があるのだ。

共通点3:チョコとミントのバランス感

仮説1、2で検証した通りチョコが多過ぎても、ミントが多過ぎても僕の好みには合わなかった。この3品のバランス感がちょうどいいのだ。具体的には一口目でミントが広がり、噛むとちゃんとチョコの味が現れるくらい。これが最初からチョコの主張が強いと台無しだし、ミントだけだと3口で飽きちゃうのだ。
そしてもう一つ大事なのが、それらがしっかりと混ざり合っていること。これは面倒くさがりな僕だからかもしれないが、自分で砕くチョコミントのあの子はあんまり好きじゃなかった。だってめんどくさいんだもん。おいおいこの話もするかもしれないが、一蘭のラーメンが嫌いなのと一緒だと思っている。最近のラーメンは一蘭に限らずあれこれ客に注文をつけてくる。言い方が悪かった。客の好みを聞いてカスタマイズしてくださる注文の多いラーメン店が増えている。麺の硬さは?味の濃さは?辛味は?

うるせえ!てめえがうめえと思ったラーメン置いてくれりゃいいんだよ!

熱くなってしまったので、アイスの話に戻しましょう。

要はどこから食べても均一に混ざっていることが大事なのである。上にチョコがどっさり乗っていたり、自分で砕いたりするのは僕には合わなかったのだ。

共通点4:色

これ大事かもしれん、色。あんまり科学的なブルーをしていると食欲をなくしてしまうので、これらのチョコミントくらい薄い方がいいと思っている。

チョコミント方程式

これが僕のチョコミント論である。思ったより論理的に検証できたのではないだろうか。夏休みの自由研究で提出したら割といい評価受ける気がする。

そして、以上を踏まえてチョコミントの美味しさ方程式を完成させた。

チョコミントアイスの美味しさをSとし、ミントの濃さをM、ミントの量をMq、チョコの濃さをC、チョコの量をQcとする。この時Sは

S=C/Qc+M/Qm となる

解説すると、チョコとミントはそれぞれ濃さが美味しさに直結するが、濃くするために量を増やせばいいというものではない。
またチョコとミントそれぞれにおいて、品質や成分といった要素を加味するための比例定数をkc、kmとする。この時Sは

S=kc*C/Qc+km*M/Qm となる

多分ここからミントの量とチョコの量の比率、ミントの味の濃さを検証したらかなりいい方程式になる気がする。でももう時間も遅いしこの辺でやめようと思う。


明日の朝起きて読んだら駄文なんだろうな。特に方程式のところは明らかに検証が足りていない笑

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?