スマスロ関連銘柄(2023年注目テーマ)
◆テーマ全体感
スマスロとは
スマスロはスマートスロットの略。
これまでパチンコ・スロット台では出玉やコインを扱うタイプが当たり前でしたが、出玉やコインを扱わないスマスロが普及し始めています。
パチンコサービス提供者と利用者の目線で、スマスロを導入するメリットとしては
出玉やメダルを扱わないことによる運用コスト削減(稼働が15-20%向上するという試算あり)
衛生度向上、不正が起こりにくくなる
スマスロの規制緩和により、当たり確率の上限変更、有利区間上限の廃止が行われ、既存のパチスロに比べてよりゲーム性のある演出が可能になる
というものがあります。
一方でデメリットとして置き換えコストが高く、大型店舗からの対応になり個人経営などのお店の導入ハードルが高いという側面もあります。
今回のテーマ
切符が電子化され徐々にICカードに移行したように、今後既存のパチスロ台がスマスロ台に置き換えられるため、スマスロ台を製造する遊技機メーカーには大きな特需が発生する、というのが今回のテーマです。
関連指標
スマスロの導入率は追うべきだと思います。市場規模(どのくらい業績伸びるか)や進捗(いつまで続くか)が分かるためです。ちなみに12月11日時点で東京のスマスロ比率は5.4%となっています。導入ホール率は59.3%と半分を超えているため、広く浅く浸透している様子が窺えます。
直近のイベント
スマスロの導入開始は2022年11月21日より開始しています。本格化するのは23年1〜3月頃からとされており、まさに今進行形で盛り上がっています。この辺りから業績反映されてくるはずのため、23年上期は特に注目したいですね。
◆関連銘柄
関連銘柄リスト
パチンコ市場自体は縮小しており、上記銘柄の平均ROEが10%を切るところからもその片鱗はうかがえます。
一方で平均のPERは32.6倍となかなか高いです。すでにスマスロテーマで盛り上がっているためでしょう。
◆注目銘柄紹介
2767円谷フィールズHD
全体的に業績悪化傾向のあるパチンコ業界でも比較的健闘
ウルトラマンなど有力なIPを持ち北米のライセンス事業も好調
エヴァンゲリオンやゴジラなどファンの多いテーマで提供
4334ユークス
受託開発実績が豊富
高いROEを示し、時価総額が低いことから伸び代期待が大きい
ただし業績はゲーム事業がメインで、遊技機事業は売上で3割ほどなのでスマスロで盛り上がっても業績貢献は限定的か
6249ゲームカードジョイコHD
プリペイドカードシステムの利用料をストック型収益として持つため、一般的な遊技機やシステムを作って売るだけではないビジネスモデルを持つ
頭ひとつ抜き出た高いPERで人気がある銘柄(もちろんリスクもはらむ)
直近でキャッシュレス事業への参入を発表
6625JALCO
パチンコホール向けの資金貸付や物件、遊技機のレンタルまで行っており、スマスロで盛り上がる業界を包括的に相手にしてビジネスできる
時価総額260億程度で伸び代大きい
利益率も関連銘柄の中でもトップを争う
業績もパチンコ業界の逆風そっちのけで向上中
◆最後に
スマスロ関連は昨年後半から盛り上がっており、23年初頭は調整のように一斉に株価を下げていました。とはいえ業績に転嫁されるのはまだ先の話のため、決算期を楽しみに待ちたいです。
個人的にはパチスロはやらないので、流行り廃りを掴みにくいのが難点ですが、23年、特に前半は着目してみようと思います。