
論理的思考と野球審判の関係性
技術職な人ほど審判に興味を持ちやすい?
8月からプログラミングスクールに通い、働きながら勉強しながら転職活動もするということをしてすっかり野球から足が遠のいていました。11月にSEとして入社して1ヶ月経ち、落ち着いてきたのでnoteを書きます。
今回、私もSEになったことで某審判写真家(も本職はSE)から「審判好きのひと、技術職なひとが多いんだよねーなんでだろう」と言われてハッ!確かに!となりました。そう言われてみるとその審判写真家も含めて、審判好きの人にはSEや研究職に就いている人が多い印象があります。
お世話になったプログラミングスクールは転職活動も支援してくれるところで担当のメンターがいました。職務経歴書や面接練習の指導を受けていたのですがその中で、「何故SEになりたいのか」という理由について詰めていた時に「私は数学が苦手なのですが、論理的思考を養っていきたいです」という私が書いた一文に
「数学が苦手なことは言わなくていいと思います。プログラミングに必要なのって、論理的思考なんですよ。明確な目標に向かって、道筋を立て行動することですね。既にここまでプログラミングの勉強をこなせてる時点で十分あるんですよ」
と、メンターに言われて、それまで根っからの文系だった自分がプログラマーとしてやっていけるか不安だったんですがその言葉で自信が持ったと同時にずっと文系だって言い続けてきたけど、これまでの自分の思考は割とそれに近いのではないのかと思い至りました。
確かに、昔から私は人が死ぬ話しか読まない・観ないんですけど、ホラーものは嫌いで。その理由が「呪いとか訳わかんない理由で人が理不尽に殺されるのが嫌だから」。ミステリーも人がバンバン殺されていきますが、それなりにきちんとしたトリックと、犯人が人殺しをしようと至った動機がちゃんとあれば納得するので好きなんです。
最近読んだ本『根っからの文系のための数学発想術(著:永野裕之)』の一節に「数学はゲームを攻略本を読みながらクリアしていくのと同じ楽しさがある」と、ありました。
https://honto.jp/netstore/pd-book_25925620.html
正しく根っからの文系である私はこの本の内容に感銘を受けたのですが、この一節と審判写真家の「なんで技術職に審判好きが多いのか」という言葉が重なりました。
審判も数学もプログラミングも論理的思考の塊
「数学はゲームを攻略本読みながらクリアしていくのと同じ楽しさがある」。これは審判にも同じことが言えるのではないかと思ったのです。試合中、私達が一番注目して見るのは審判の動きです。まだ全ては把握出来てはいないですが、ある程度このプレーが起こったら球審はこういう動きをして、塁審はあそこまで走るだろうというのを知っているので判定を見逃さないようにしよう、写真を撮るのであれば予測してシャッターを切れるようにする訳です。
選手の動きももちろんある程度は予測出来ますが、打球がどこに飛ぶか分からないからどうなるのか一秒一秒で状況が変わっていきます。 好きな選手がホームランを打つとは限らないし、相手打線を抑えられるかどうかは神のみぞ知る、ってところです。それと比べて審判も確かに見逃し三振のジェスチャーが出るかは、ホームラン判定をするかは選手次第なので分からないけれども、アウトとコールするのは最低でも54回見れますし、ストライク判定もある一定数は必ず見ることが出来ます。審判の動きはプログラミングされていると言い換えられます。
プログラミングの世界ではいかに同じ処理を繰り返さないかが重要になってきます。なるべく最短で、メモリに負担が少なく、コードを考えることがプログラマーの仕事と言っても過言ではありません。審判の世界でもセンター方向に飛んだ打球を判定するためだけに塁審が全員ゴーアウトするのは無駄ですし、ランナーがいた場合はその時に起こる可能性があるプレーを見逃すことになってしまいます。いかに無駄な動きを無くし、考えられる範囲の判定を出来るように作られたのが審判メカニクスです。そこに感情なんてバグが入る隙間は一切存在しない、論理的思考の塊ではないかと。
厳格なルールにそって決められた無駄のない動きをして試合を無事に遂行させるという結果に持っていくまでの過程の面白さ。それこそが審判という仕事の醍醐味であり、そんな審判にハマる人もまた、ロジックをこねくり回して納得して物事をみたい考え方の人に多く、それが結果的に職業にも反映され、「審判好きに技術職が多い」ということに繋がっているのではないでしょうか。