本当のサウナ―はメキシコの伝統サウナにがっかりするのだ

 二回目の滞在オアハカ、メキシコで”Temazcal”という伝統的なサウナを体験してみることにした。なぜなら私は生粋のサウナ―。日本にいるときは本当に毎日サウナに行っていた。
 ということでメキシコ伝統のテマスカルを体験してみることに。

ホステルのオーナーにおすすめの場所はあるかと尋ねるといったことないからわからないといわれ、自分でグーグルマップで探してみることにした。思っていたよりたくさんの場所が出てきた。観光客向けのリッチ感あふれるものから、ビジネスとしてやっているのかわからないようなものまで。
 基本的にローカルにどれだけ馴染めるのか目指している旅をしているため、言い方は悪いが少し小汚いところに目星を付ける。家族経営だとレビューがついているところに行こうとしたが電話をかけても繋がらない。いきなり行くのもいいがバスで一時間、なおかつ30分ほど歩くかタクシーに乗らなければいけない。泣く泣くそこはあきらめ、ホステルから近くまたもや少し小汚そうなところを見つけた。連絡を取り、サウナをあっためるのに2時間必要だといわれ2時間後そこに向かった。

 着くと出てきたのは全身白スウェットの男の人。おそらく20代後半。
ああ、受付だけする人かなと呑気にこの時は考えていた。

受付 全てが薄暗い



 テマスカルは初めてかと聞かれそうだと答えるとどこかへ消えていきシミとしわだらけのシーツをもって服を脱いでこれを体に巻けといわれた。はいはーいと着替え、また待合室に戻ると何やら準備している。他の人はいないのかなと考えていたところ薄暗い部屋に案内された。イエス様の小さな置物やろうそくが少しだけ置かれている机によくわからない煙を焚いている。その煙を全身にかけられて謎の葉っぱで体中をたたかれ(痛くはない)そしてその奥にある、サウナ(テマスカル)に案内された。入った途端の熱気を期待していた私は首を傾げた。全く熱くない。 
 簡単なスペイン語しかできないので男性のスマホのGoogle 翻訳を使って少しテマスカルの説明をしてくれた。趣がねえ!!さらにこれは古代のサウナだヨ。説明はこれだけ。ここの石にお湯掛けたら熱くなるからとだけ言われ早々に出ていった。え、全く熱くないんですけど。三回かけてもっと熱くしたっかたら間を開けてまたお湯をかけろと言われたのでちゃんと注意を聞いてかけていたが、かけた瞬間だけ蒸気がくるもののすぐに冷えてしまう。え、こんなもんなの?むしろ隙間はないはずなのに冷気を感じて寒い。お尻から足先に関してはキンキンに冷えている。
 男性がどう?と聞きに来て言うか悩んだが、
  これこんなもん?全然熱くないんだけど。と言うとお湯を掛けてと、、
 いやかけてるんだが。
まあいいやと適当に分かったと答え、また三回。少し経った頃にまた三回。いや全然熱くならないこれ。いやそもそも認識が間違っていた?暗い部屋に閉じこもって母ちゃんのおなかの中を思い出す儀式なの?いや、でも誰かのブログで暑くてすぐに出ちゃったとか、汗が噴き出すとか書いてたよなあ。体感30度もないくらいのうす暗い中につったっている私(立ったら一番熱いといわれた)なにこれ?

 あと十分だけど続けたいと聞かれ続けると答える。どう考えても汗をかいてない。いや、蒸気じゃなくてこれは汗なのか?もしかしたら感じてないだけでめちゃくちゃ汗かいてるのかも!とかと思いながら10分後サウナから出てシャワーを素早く浴びろと言われた。(正確にはここでも右足からとか説明があった)そこにあった鏡で自分を見てみると、真っ白な顔の自分がいる。いや、むしろオーロラを見てた人の顔はどれでしょうと言われてもわからないくらい、寒そうな顔をしている(言い過ぎ)

 最高にがっかりした状態のままキンキンのシャワーを浴び、軽く体を震わせた。なんだったんだこれ。どう考えてもサウナではない。岩盤浴にでさえ及ばない。今までペルー、ボリビアでサウナには何度もお世話になった。個人的に日本のサウナには及ばないもののサウナといえるものであった。だが、これはサウナとは言えない。おそらく私の運が悪かったか何かでこのような形になってしまったのかもしれないが。さすがにこれじゃ終われない。違うところでもう一度試してみるしかない。だが、このテマスカルなかなかいい値段してるね君、という感じなのだ。一時間のテマスカルの後、一時間のマッサージ付きで一万円弱。悩む。ということでその真実は今後の投稿で。そしてこの後続くマッサージでも声を大にしては言えないようなことが起きる。それは次の投稿で。

 サウナに関してポジティブなことをおすすめしたいのでボリビア、サンタクルースのおすすめサウナを紹介しておく。水風呂の温度が高いのが惜しい点だが、サウナの温度は最高だった。サウナ好きがサンタクルースに訪れた際はぜひ試していただきたい。 


 とにかく今回の体験は熱々のサウナを期待していた私は最高にがっかりした思い出になった。本当に日本のサウナが恋しい。サウナは私が日本に住みたい理由の一つに含まれているのだ。



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