22/7 SUMMER LIVE 2024 MAGIC SCHOOL DAYS Act 1~月と地球のフィルハーモニー~メモ

3日間見てすごく良かったと思うと同時に不思議なライブでした。もしかするとファン以外が見たらあんまり良いと思えないかもとも思っています。

魔法学校の演劇をしつつナナニジ曲を頻繁に挟むというコンセプトなのですが、ミュージカルとは違って既存曲なのでストーリーと曲が微妙に合ってない。でもファンは、ナナニジ曲を好きだからこそナナニジのこれまでの歴史や歌の意味と切り離した文脈で曲を聞いて、メンバーの劇中のキャラとしての表情やパフォーマンスを楽しめるという楽しみがあります。演劇も「1ヶ月」「2ヶ月」に代表されるように非常に端折りがちで、ストーリーもありがちなのですが、台詞を言ったり演技をしたりするメンバーを見るのは声優アイドルを称するナナニジファンの醍醐味です。

主演は河瀬詩。MCで座長との言及がありました。花川芽衣卒業の際に代役として加入したメンバーで、初期メンバーの天城・西條・涼花の3人と後輩6人に挟まれたメンバーです。難しい状況での加入だったにも関わらず、元々すごくしっかりしてとにかくいい子で主人公らしい要素はありました。昨年末にストーカー(逮捕済)事件がありしばらく休養していたのですが、完全復活を印象付けるライブになりました。

ライバル役に天城サリー。ナナニジの実質的なリーダー、加入時から詩ちゃんを特にかわいがっているのですが、劇中ではひたすら敵視しています。昔のポケモンのライバルみたいにガンガン突っかかってくるタイプの役。

勘の良いファンには理解して指摘している人もいましたが、最終日に「アイドルが魔法」が確定していますので、その文脈でもみていきましょう。MAGICはアイドルだとして、SCHOOLは何なのでしょうか?実際には高校は(一部メンバーはとっくに)卒業しているメンバーたちですが、「学校」は秋元康アイドルの重要コンセプトです。「卒業」は脱退の誤魔化しの言葉じゃないんです。写真集「青春は割り切れない」も制服でしたしね。アイドルは何歳になっても続けていいですが、青春してなきゃ駄目なんです。


冒頭、舞台は閉館した映画館らしい。謎の案内状で集められたメンバーたち。案内状はTVアニメ「22/7(ナナブンノニジュウニ)」のネタでしょうか。ちなみに四条月がバケツを持っているのは、アニバーサリーライブの冒頭でバケツを持っていたというネタ。

学校への入口を見つけられず「仕方ない、帰ろう」と言い出すのは月城咲舞。「騙されたとは思えない」と詩、「だって、魔法使いの学校はあるから」。「よく言い切ったわね」とここでは褒めるサリー。数字の8(∞)の魔法陣を看破する。

サリー「案内状には22/7に集まる、そう書かれてる」
麻丘真央「22/7?分数?」
椎名桜月「22を7で割ると3.142857…」
西條和「22/7は無限に続く数字」
四条月「無限?無限の可能性?」
22/7のグループ命名の由来に言及していく。

魔法学校に転移しながら、
全員で「「22/7 MAGIC SCHOOOL DAYS!」」
とタイトルコール。幕が切って落とされる。

1曲目は『謎の力』。実際歌詞をよく聞くと謎の力は恋の力なのですが、ここはそのまま謎の力の歌として楽しめばよいのでしょう。

詩「お母さん、ついにMagic Star Academyに入学したよ。小さい頃の約束。ここでたくさん学んで立派な魔法使いになって。お母さんみたくなってみせるから」
あまり回収されなかった設定。Act 2への伏線?

校長先生の声優は?組分け&自己紹介パート。

詩「私は魔法界一の魔法使いになります」校長「まるで透き通るような心」
サリー「魔法界一になるのはこの私です」校長「輝きを放つそなたは…」
2人は今のナナニジのエースになれる存在。そして校長の人物評は彼女たちのアイドルとしてのありようへの賛辞です。

望月りの「勉強も大事ですが、楽しい学園生活にしたいです」校長「そんな青春もいいじゃろう」
月(グラス割らないやつ)校長「ナイスボイスじゃ」
相川奈央「私はいろんな人の役に立つ魔法使いになります」校長「高いコミュニケーション力」
りのはアイドル生活の楽しさに誰より憧れていた人。四条月はやや謎。特技はアナウンス。奈央はあらゆるサポートを得意とするメンバーで、最近はぺぺちへのダンス指導も。人見知りですが、実はコミュ力凄く高い。

和(小さい声で自己紹介)校長「強い心を感じる」
センター和といえば強い心。

咲舞「俺は月城咲舞、魔法はまだ経験が浅いけど、立派な魔法使いになってみせるぜ」校長「勇ましい立ち方」
咲舞の一人称が「俺」なのは劇中だけ。リアルでは最近ヒロアカとか少年漫画にちょっと嵌ってた。現メンバーで最年少。カッコいいのが売り。

萌「動物と会話ができんねん。なー(手に持ってる鳥に話しかける)」
劇中萌はかなり謎のキャラクター。リアルだと鳥が好き。

真央「私は剣だけじゃなくて魔法も使えるようになりたいなって思って入学しました」校長「高い向上心」
中学では全日本で活躍するフェンシング選手だったがアイドルもやりたいと思って入ってきたのが真央。フェンシングも続けてはいる。
桜月「魔法をロジカルに学びたいです」校長「良い分析眼を持っておるようじゃな」
劇中桜月はロジカルキャラ。リアルでもインテリで冷静な印象はある。

名前に月が入ってるとMOON(月)組というのはファンからも桜月からも指摘のあった部分ですが、EARTH(地球)組は初期メン3人に新リーダー相川と新センター麻丘を擁していてなんだか強そう。

詩「温かいご指導をよろしくお願いします」にサリーが突っかかって地球組と月組の喧嘩が始まる。親が魔法使い設定組は既に魔法使える様子。
校長「競い合うのは決して悪いことではない。しかし、<魔法>は人を傷つけるための力ではない。人を幸せにするための力なのじゃ」
自戒も含め、アイドルのランクや競争に囚われがちな人は<魔法>を<アイドル>に置き換えて読むとよいでしょう。

EARTH(地球)組は、サリー>奈央>和>真央>萌のスクールカーストができている感じ。劇中での言動が意地悪な順でもある。サリーは中の人は親友である萌の扱いが非常に雑だが、奈央と萌は比較的仲良い。
対するMOON(月)組、詩&桜月&りの&月&咲舞は和気藹々。

2曲目『君とどれくらい会わずにいられるか?』河瀬詩休業明け曲。
校長「まだまだ魔法を信じる気持ちが足りていないようじゃな」からの文脈。「愛は信じ合うことでしょう?」
途中、月りの、萌和はキャスター付階段に乗って移動。

萌「Magic Star Academyに伝わる伝説の5文字を教えて進ぜよう」
3曲目『タチツテトパワー』
萌ちゃん何者?
配信には写ってませんが自由パートでサリーが月組の桜月やりのの胸ぐらをつかんで突き飛ばす演出がありました。演技中は怖い顔をしてますが、終わったあとはニコニコ。

劇中は月組地球組はいがみ合っているかと思いきや、まおしぃやなごるぅ等交流はある様子。
サリーは苛立ちガチだが非常に向上心の高いキャラとして演じられている。ほかの子達は少し弛んでいるように見えるのかも?

校長から月組と地球組で期末試験を競い合い、負けたクラスは退学と言い渡される。

地球組と月組の互いのメンバーの暴露大会パート。楽しそう。

月組、季節外れの綺麗なとんぼを見つける。咲舞が、親に押されてMagic Star Academyに入ったが期待に応えられるか不安であるという話をする。
4曲目『とんぼの気持ち』。歌詞では主人公は社会に出ているが大人になってはいない。悲観的な名曲。道に迷ったアイドルやオタクに刺さる曲。
詩が曲のラストでお母さんの話をする「お母さんはいつもみんなを幸せにしていた」詩&和「真の魔法使い」和が絡んでくるのは伏線?

詩「お母さんと比べて才能がないって言われても絶対に諦めない。そう決めたのに…」
5曲目『僕は存在していなかった』。「僕は自分を信じていない」に台詞をつなげる。主人公が愛によって存在と色を得る曲。詩が自信を取り戻すストーリーの補完になっている。
詩「私たちは一人じゃないから、だから皆で力を合わせて頑張ろう!」
月組「「うん!」」

一方孤独を深めるサリーに声を掛ける地球組メンバーたち、
和「友達!」
サリー「そんなもの信じない。私は例え誰かに裏切られたとしても前に進むの」
奈央「誰かに裏切られたことでもあるの?」
6曲目『何もしてあげられない』。これも人との関わりを避けている原曲歌詞と多少ニュアンスは異なりますが、奈央以下地球組のメンバーの心情に近い曲ということになるのでしょう。あるいはサリーの「友達は欲しくない」もあるか。

試験当日。3日目りのちが「今日はちゃんと準備するから」と言っているのは2日目に応援して仕事してなかったから。

校長「信じる大切さに気が付いたようじゃな」
桜月「今なら思えます。その気になれば空だって飛べるかもしれないと」
7曲目『空を飛んでみよう』。なぜこの世界で空を飛ぶ魔法のハードルが高いのかは謎。

日替わり第二試験。1日目は創作ダンス(えまっちゃとてゃんが振り付け)対決、2日目は腕相撲対決、3日はナナニジラップバトル(ナナニジ夏祭り2023の目玉企画)。ほかの試験も実質ライブ対決だし、よく考えるとアイドルみたいな対決しかしてないのは魔法=アイドルだから。

第三試験、地下ダンジョン。
8曲目『地下鉄抵抗主義』。地下つながり。
校長「地球組のほうが一足早かったのう」

りの「無理じゃない!今じゃないと駄目なの」
真央「なんで今なの?前は楽しい学園生活が送れればいいって言ってたじゃん」
りの「楽しい青春が送りたいって思ってた。たくさん恋もしたいと思ってた。けど、負けたくない。だって魔法に恋してるから」
恋というのが唐突に聞こえますが、恋より魔法=アイドルということです。ナナニジは百合以外の恋愛は禁止です。
9曲目『Just here and now』。「今じゃなきゃ嫌だ」。原曲は恋愛とエゴの歌。

校長「勝者、地球組」
詩「もう少しだった」
萌が歩み寄りの姿勢を見せるが、サリーが否定する。「結局は一人ひとりが強いほうが勝つ」
詩「私達は勝てる。魔法は皆のために使うものなんだから、一人でやってたって意味がない」
サリー「何言ってんの?あんたたちは勝てない。これは決まった未来なの」
詩「そんなことない。未来は私達が決める!」
10曲目『神様だって決められない』。文脈的に過去の否定が重い「未来があるから」より適切。とはいえこの曲も自分の意志と行動の話なのですが。

校長「勝者月組」
一転弱気なサリー
「まさか負けるだなんて。もうおしまいよ。もう魔法使いを目指すなんて」
奈央「そんなことないよ」
サリー「何の施し?私のこと馬鹿にしてんの?」
奈央「違うよ。勝つんでしょ?」
サリー「なんで?」
萌「なんでもなにも私らおんなじクラスなんやから当然やろ」
和「そう。ずっとそばにいたし、ずっとそばにいる」
萌ちゃんは8月末に卒業するがなごみんはサリーちゃんとグループに残る。
奈央、真央に続いて、詩も優しく声を掛ける「天城さん。続きやろ?」皆で、というのは劇中の詩の信念。
サリー「ふん。いいわ、あんたたちのこと徹底的に潰してあげる」
詩「うん。そうこなくっちゃ」

校長「魔法を使って思いのまま戦うがよい」
11曲目『覚醒』。ナナニジ曲にしては勇ましく、戦う歌というイメージはある。ただし元々原曲の根底にあったのはメンバーが6人になるという厳しい現実である。後輩メンバーが違和感なくこの曲を歌ってカッコよく見えるのは大きな成長を感じる。詩ちゃんが最後の台詞を言う曲でもある。

奈央の怪我を心配する月。
校長「勝者は全員じゃ」
校長「それに最初にこう言ったじゃろう。魔法とは人を幸せにするためのものじゃと」
校長「皆いつの間にか争いなど忘れてこうして一つになり幸せになっているではないか」
こういう茶番ははっきり言って私はかなり嫌いなタイプなのですけど、そんな私がよかったと思えてしまったのが恐ろしい。

詩「(サリーに)月と地球は離れられないんだよ。知ってた?」
なんともいえないクサい台詞が詩ちゃんの優等生的でありつつそれだけじゃない雰囲気と相まってこれがまたよい。
サリー「当たり前でしょ」
全体としてツン成分の強いサリーの演技が、お話を私のような人間にも非常に納得感の高いものに仕上げてくれているように思います。
わちゃわちゃと抱き合う皆「「サリー!」」
12曲目『君はMoon』。これが来るのは副題で見る前からわかっていました。「君はMoon 僕はEarth いつの日か恋をして」。ペアで踊ったり、皆で手を繋いで回ったりという振り付けのある曲。

校長「さて、魔法使いの諸君。最後に君たちを見守ってくれている大切な人々に、特別な魔法をかけようではないか」
メタい。
最後13曲目『世界中で歌おうぜ』。大団円って感じの新曲。すごくハッピーエンド感がある。
詩「次は8月。さらに暑い夏になりそうです」
次回予告をしておしまい。





















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