日本機械学会年次大会2023アクチュエータシステム基調講演「空気圧ソフトアクチュエータ」(2023年9月5日)
はじめに
日本機械学会機素潤滑設計部門
アクチュエータシステム技術企画委員会の前委員長「脇元修一」先生の基調講演
司会は大阪工業大学の谷口先生
アクチュエータシステム基調講演「空気圧ソフトアクチュエータ」
10:00-11:00 組紐製造技術で実現する空気圧ソフトアクチュエータ
脇元 修一(岡山大学)
ソフトアクチュエータの種類と特徴
1.ソフトアクチュエータは全方向の機械的インピーダンスが低い(柔らかい)
・直動(マッキベン型・軸拘束・ベローズ)と湾曲(FMA・じゃばら)
・異方性を付与する方法:拘束やじゃばら
・設計:非線形有限要素法がよく用いられる
・試作:型成型(高精度)・押し出し成型(高効率)・3Dプリント(複雑形状)
2.マッキベン型:編み角が変化しながら伸縮する
編み角が54.7度を境に伸びる、固さが変わる、縮むと特性が変わるが、伸びる力の方が大きいので通常は伸びるように編む
3.実用例:イノフィスやダイヤ工業がパワーアシストを販売
組紐製造技術
丸紐・平紐・組紐など、実に多彩な紐が存在する
回転ボビンと引き上げ機構のギア比を変更するだけで編み角を変えることが出来る
柔らかい円筒状の材料に紐を巻き付ければ良いが、細径化(Φ1.8mm~5mm)するとかなりノウハウが必要になってくる
脇元先生は600種類以上試作を繰り返した
細径マッキベンを集積化(直列集積・並列集積)すると収縮率が向上する
(感想:平紐も面白そうだな)
細径マッキベン人工筋を編み機で編み込むことができる
すると、パンタグラフ効果で収縮率が20%から30%に向上した。いっぽう、残念ながら1本あたりの収縮力は低下した
平紐は、車いす使用者の座位保持サポートに使用できる
平紐を編む機械は別にある。細径マッキベン人工筋は平紐に編むこともできる
丸紐は偶数本、平紐は奇数本を編む
マッキベン人工筋と一緒に機能性繊維(導電エラストマー、誘電エラストマー・コイル・光ファイバーなど)を編み込めば、センサーになる
機能性繊維は伸縮しない点に注意が必要
湾曲型:一部に非伸縮素材を織り込む
形状記憶ポリマーを編み込んで、記憶形状を変化させることにより直動型と湾曲型を切り替えることもできる
(感想:材料や編み方を変えるとまだまだ発展の余地がありそう。編み機もボビンにサーボモータをつけて一つ一つ速度を変えると一本一本の編み角も変えられる。編み始めと途中の編み角も変えられる!絨毯のような模様織りもできる!)
質疑応答
Q:エコフレックスは柔らかすぎませんか?
A:その通りです。サポートが必要です
他のシリコンゴムはラボでも作れます。ラボに編み機が何台かあります
おわりに
組紐と細管アクチュエータの組み合わせ面白い!
組紐の材料は何でもござれで可能性は無限大