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第33回電磁現象及び電磁力に関するコンファレンスMAGDA2024 OS-3(1) 回転機・モータドライブ(2024年11月19日)

はじめに

第33回電磁現象及び電磁力に関するコンファレンスMAGDA2024が東京科学大学大岡山キャンパス蔵前会館で開催された。

2日目に大分大学の榎園正人先生の誘導モータ3号機の実験結果が発表されるというので、心待ちにしていた。

榎園正人先生とはJAXA時代に共同研究を行い、
宇宙探査イノベーションハブの共同研究成果の記者説明会 ~世界最高クラスの小型高効率モータ開発に成功~の記者会見を行った経緯がある。

手島精一記念会議室(11月19日)

10:00~12:00

OS-3(1) 回転機・モータドライブ
座長 清田 恭平

低電圧小形永久磁石モータにおけるスター・デルタ結線の損失への影響検討

〇長澤 伶亮(静岡大学),朝間 淳一(静岡大学)

榎園正人先生が研究代表者のプロジェクトに制御装置の開発で参画していた朝間淳一先生の研究。
スター結線とデルタ結線の特徴と欠点を比較した研究

20kW高速永久磁石モータの2極・4極試作機の性能比較

〇岩堀 雄太(静岡大学),朝間 淳一(静岡大学)

朝間淳一先生は、モータ研究の領域をどんどん広げている先生。
2極機と4極機の性能比較結果

アキシャルギャップ永久磁石モータの分布巻による低トルク脈動化

〇杉田 智紀(静岡大学),朝間 淳一(静岡大学) ,角 貴則(東北大学),北川 亘(名古屋工業大学)

こちらも同じく朝間淳一先生の研究室。
アキシャルギャップ型モータの開発

磁気ウォームギヤドモータの半スキュー構造における高トルク密度を目的とした寸法最適化

〇山中 治紀(東京科学大学),筒井 幸雄(東京科学大学),千葉 明(東京科学大学),清田 恭平(東京科学大学),藤井 勇介(東京科学大学)

特別講演を行った千葉明先生の研究室

アキシャルギャップ型誘導電動機の特性解析

〇常盤 直希(東京都市大学),谷津 由祐(東京都市大学),村山 智詩(東京都市大学),鈴木 憲吏(東京都市大学)

誘導電動機の解析をJMAGで行ったのが、
今回誘導モータを発表する榎園正人先生にフィットしてしまった。
きみ、JMAGでは鉄損は求められないよ!
提唱するベクトル磁気解析を組み込んだプログラムでないと鉄損解析はできないと言い続けている榎園正人先生としては黙って居れなかったのだろう

https://www.mutec.org/m_ess.html

三相インバータを用いたSRMの制御手法の検討

〇村山 智詩(東京都市大学),谷津 由祐(東京都市大学),常盤 直希(東京都市大学),鈴木 憲吏(東京都市大学)

スイッチトリラクタンスモータ(SRM)の制御手法の提案

高速誘導モータの性能評価のための負荷トルク特性試験法

〇飯川 晋作(日本文理大学),若林 大輔(日本文理大学),榎園 正人(日本文理大学 /ベクトル磁気特性技術研究所),岡 茂八郎(日本文理大学),祖田 直也(茨城
大学),高井 充(日本金属),岡本 幸三(トクデン)

榎園正人先生の発表に先立ち、誘導モータ3号機の特性測定装置についての講演があった。
いくらか特性測定実験結果にも触れていた。

デュアルアキシャルギャップ型8磁極高速誘導モータ試作3号機の負荷特性

〇榎園 正人 (ベクトル磁気特性技術研究所/日本文理大学),若林 大輔(日本文理大学),飯川 晋作(日本文理大学),岡 茂八郎(日本文理大学),祖田 直也(茨城大学),高井 充(日本金属),岡本 幸三(トクデン)

誘導モータ3号機の設計指針から1号機、2号機と進めて3号機開発に至った経緯、各種パラメータの決定方法などに触れていたが、基本的には高周波駆動でも鉄損が押さえられる極薄電磁鋼板をコアに使用しているのが大きい。
もちろんそれだけではダメで、損失が小さくなる設計が求められる。
損失が非常に小さいため、ちょっとした違いで損失が爆上がりするのだ。
実験結果は、鉄損は非常に小さくなったが、銅損が想像以上に大きくなってしまっていた。
銅損を減らす4号機推試作が必要なようだ。

おわりに

榎園正人先生は、高齢なので心配していたが健在だった。
JAXAで共同研究を行った身としては、
極薄電磁鋼板を使用した超高周波駆動モータのEV向け完成版を拝みたいと思っている


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YANO Tomoaki@
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