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ベン・ハー
1960年ごろ盛んに製作された、聖書の教えを具現化した作品。1959年に、このようなスケールの映画が製作されていたことに驚く。主人公のベン・ハーは、家族を含め凄惨な苦難の道を歩むことになる。逆境に負けず、ベン・ハーは信じられない忍耐力で徐々に権力の階段を上り、卑怯な策略にも打ち勝って復讐を果たす。これでハッピーエンドと思いきや、「あなたは醜い復讐の鬼になっている」の言葉とともに、本作品の終章が始まる
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はじめに
製作は1959年だが、私が観賞したのは大学生時代。映写機3台で大スクリーンに映像を映し出す「シネラマ」の全盛期で、「ベン・ハー」もシネラマの大画面で観賞することができた。
ベン・ハー
映画の予告や紹介文では4頭立ての馬車でデスレースを行うシーンが盛んに取り上げられることが多く、このシーンをシネラマの大画面で観賞できたのはラッキーとしかいいようかない。
しかしこの映画の魅力は華々しい映像だけではなく、主人公ベン・ハーの生き様にある。
序盤から過酷な運命がベン・ハーの身に次々と襲いかかってくる
従事したものがほとんど死亡するガレー船の漕ぎ手、陰謀渦巻く馬車競走など、生死の境をさまようエピソードが続く中、徐々に権力の階段を上り詰め、復讐を果たす。
しかし、復讐を果たした時には、牢に閉じ込められてきた家族はすでに不治の病にかかっていた。
救いようのない展開に社会の理不尽さをいやというほど見せつけられるのだが、それでも「復讐の鬼」、すなわち他人に対して憎しみの感情を持たない生き方をしなさいとの聖書の教えが、胸を打つ。
長尺の映画を見終わった後、聖人君子の教えが心に残る大作。
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![YANO Tomoaki@](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84738312/profile_37cc1a37d916d70ec7be7c0d8c03a00e.jpg?width=600&crop=1:1,smart)