奇跡がくれた数式
インドの数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの実話。ラマヌジャンは数学のインスピレーション能力が抜群で、本人は「女神が降りてくる」と表現する。タクシーのナンバー1729を見た瞬間に、2つの三乗数の和に分解できる最小の数字であるという特徴を見つけ出す。優れた近似式の発見も得意である。常人には355/113が円周率の近似など思いつかないが、彼には高度な近似式が次々と湧いてくる。しかし彼は数式が近似になる理由が証明できない。数奇な運命をたどる数学者の物語。
#奇跡がくれた数式
奇跡がくれた数式
インド人ラマヌジャンの名前を知ったのは、大栗博司先生の「探究する精神」。
ラマヌジャンの数式にインスパイアされたとの話が出てくる
大栗先生のBlog
映画予告編
ラマヌジャンの思考を推測してみる
ラマヌジャンは、数式がひらめくことを「女神が降りてくる」と表現している。
私が思うに、ラマヌジャンの頭の中は、以下のインスピレーションに満ちあふれていたのではないか
ラマヌジャンの脳内(円周率を例にとる)
22を7で割ると3.14・・・で、は円周率に近いな
もうちょっと分子と分母を大きな数にしてみよう。
355を113で割ると3.1415929・・・で、円周率3.1415926・・・と
0.000000267しか差がないぞ!
このような発想法だと「論理的に証明しろ」といわれても途方に暮れる。
22割る7でさえ、22/7が円周率よりわずかに大きいから、円に内接する正七角形ではなく、円に外接する正七角形を考えるなどして円周率の近似値になることを示さなくてはいけない。
Bingさんに22÷7の他に円周率に近い分数はないか尋ねたら、分数の作り方まで教えてくれたよ
ラマヌジャンのインスピレーションは現代の人工知能と同じ?
現代の人工知能は、膨大な情報から「これとこれが似ている」(相関関係の強いデータ)ということを発見するのは得意だ。
この時、似ているデータセットが似ている理由は必要ない(たまたま似ているだけで、因果関係がない場合もあり得る)
ラマヌジャンは、現代の人工知能AIが得意な「データの相関関係を発見する」ことが得意だったのではないか。
現代の人工知能は、「因果関係を証明する」ことは苦手で、特に、数式が近似値を示す場合は非常に困難だ。
このことを理解すると、ロンドンでのやりとりを理解することができる。
おわりに
映画の最後に「ブラックホールの研究に役立っている」との字幕が出てきて、大栗先生のお話とつながった。
ネタバレを含む解説は、以下のnoteが詳しいです