超磁歪・磁性流体球面モータ(2013年5月15日V-GeneratorHP追記)
はじめに
球面モータは、可動子を、回転中心点周りの任意の方向に回転させることができるモータで、さまざまな駆動原理のものが考案されています
本noteでは、球面超磁歪モータと磁性流体を利用した球面モータの研究を紹介します
球面超磁歪モータに関しては
海外の研究を見たことがありません
金沢大学の上野敏幸先生が、振動発電の事業化で多忙なため研究が止まっているのが残念です
超磁歪球面モータ
超磁歪球面モータ(金沢大学)
磁歪材料の中でも特に大きな磁歪特性を示す鉄ガリウム合金(Galfenol)は、最大磁歪300ppm、引っ張りや曲げ、衝動などの外力に強く、機械加工が可能で2V程度の駆動電圧で駆動できる特長を有しており、小型アクチュエータの作成に適した材料である。金沢大学の上野らは球面超磁歪モータを試作した。直径4mmのロータ球を永久磁石で吸引し、鉄ガリウム合金製の4本のロッドに与圧をかけている。ロッドに巻いたコイルに電流を流してロッドを変形させる。変形したロッドがロータを突くことによりロータが回転する。それぞれのロッドの伸縮でロータが回転する方向は決まっており、2方向の回転力の比率を変えることによりロータを任意の軸まわりに駆動する。最大回転速度350deg/sで、ロータ先端で1gのおもりを持ち上げることができる。
上野敏幸,斉藤千尋,今泉伸夫,樋口俊郎;「磁歪バイメタルを利用した小型球面モータ」, 第50回自動制御連合講演会講演論文集, pp.81-83, 2007
超小型超磁歪球面モータ(金沢大学)
磁歪材料の発生する振動を有効に利用した超小型3自由度球面モータの開発を行っています。右の写真は作製したモータで直径はおおよそ6mmです。シンプルで小型,低電圧駆動を特徴とし,鉄ガリウム合金のU字型振動子を駆動源としています。振動子の伸縮(X,Y)と屈曲変形(Z)をトルクに利用することで球ロータの3軸回転を実現してます。このモータはパソコンに搭載されるWebカメラや監視カメラ,産業や医療,災害現場で用いられる内視鏡の首振りや角度調整に利用できます。(金沢大学 振動発電研究室HPより)
磁性流体を利用した球面モータ
磁性流体球面モータ(Central South University)
球面MRアクチュエータの力覚提示応用
Dapeng Chen, Aiguo Song, Lei Tian,Qiangqiang Ouyang, and Pengwen Xiong;Development_of_a_Multidirectional_Controlled_Small-Scale_Spherical_MR_Actuator_for_Haptic_Applications,IEEE/ASME TRANSACTIONS ON MECHATRONICS, VOL. 24, NO. 4, pp.1597-1607,AUGUST 2019
おわりに
新しい研究を発見したら
随時、追記していく予定です
謝辞
磁性流体を利用した球面モータの研究を教えていただいた
名古屋大学の部矢先生に謝意を表します
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