湯布院美術館
湯布院にあるCOMICO ART MUSEUMに行ってきました
湯の坪街道から一本外れた小川に沿って建つ小さな美術館です
展示している作品は村上隆、杉本博司、奈良美智。
建築は隈研吾、V.I.は原研哉と、今をときめくスターの揃い踏み
僕はこの美術館にモヤモヤとした気持ちを抱いていました
数年前にできたこの美術館の敷地には以前、湯布院美術館が建っていました
開かれた素朴な美術館で、縁のある詩人・佐藤渓のこれまた素朴な作品が展示されており、敷地の中に小山があり、そこに登って由布岳を眺めるのが好きでした
そして佐藤渓の「ともだち経」という詩がいつまでも心に残っています。温泉意外には何もない素朴な湯布院という土地に溶け込んでいました
数年前に、理由は朝霧の関係で作品の管理が難しいからと聞きましたが、閉館することになり寂しい気持ちでいました。
その後新たな美術館ができるとのことで、この素朴な美術館のイメージを期待していましたが、実際に出来上がったこのCOMICOはそれまでと正反対の、重たい漆黒の焼き板で囲われ閉ざされた空間。
縁のない、遠い世界のスター・アーティストの連なる名前
田舎者根性で新しいものを受け入れ難い僕はちょっとした反発心を持ち、なかなか訪れることはありませんでした
今回パートナーを湯布院に案内する機会に、「仕方なく」訪れた訳ですが、その印象はガラリと変わりました
空間は主に3つ。個性的なアーティストの作品でごちゃごちゃにならないよう、完全に仕切られた空間はそれぞれ縁側のような中間の空間や階段によって作品の印象を中和し、次の作品と向き合える設計
かつて僕が小山に登ってみていた由布岳の眺望を残した2階
作品の質も相まって、かつての湯布院美術館と同様いつまでもここに居たいと思える空間になっていました
唯一の心残りは「ともだち経」
どこにいるのか ともだち
あるきながら をもいだす ともだち
(『ともだち経』より抜粋 佐藤渓)
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