スライド参照の快適さの重要性 - Quipのスライド機能
社内の情報共有とコミュニケーション用途でQuipというコラボレーションサービスを使っている。感覚的にはGoogleドキュメントのチャット機能を強化したようなもので、2013年にブログで紹介したこともあった。
この当時は個人でも利用できるタイプのサービスだったのだが、2016年にSalesforceに買収されてからは完全に法人向けのサービスになっている。最近の動画だとこれだろうか。
このQuipに最近になってスライド機能が付いた。EvernoteやDropbox Paperのような文書を全画面で拡大するようなプレゼン機能を想像していたけど、思った以上にガチなスライド作成機能で、立ち位置としてはGoogleスライドに近い。思えばQuipはリリース当初からオフィススイートのアップデートを目指していたのだった。
なかなか試せずにいたのだけど、最近新規にスライドを起こす必要があったのでせっかくだから使ってみることにした。
先ほどの記事に下記のような記載があった。
Quipの最高経営責任者(CEO)Kevin Gibbs氏によると、18カ月以上をかけて取り組まれたSlidesプロジェクトは、壇上での使用に供さないスライドデッキを作成している79%の人々を念頭に置いているという。こうしたデッキは通常の場合、社内チームや単一の顧客に向けて作成されるものだ。Gibbs氏は「この市場にはもっと力が入れられて然るべきだ」と述べている。
スライドを作成する機能については、工夫すればいくらでも綺麗に作れるだろうけど、行間のコントロールや貼れるファイルの種類、アニメーションがないとか、グラフィックツールに近いPowerPointに比べると弱いけど、社内用途なら十分だ。(スライドの枚数が増えると全体が重くなるのがちょっとしんどいけど、書き切れたのでまあ許せる)
自分が驚いたのは作ったスライドの参照のしやすさで、スマホアプリからの参照がとにかく快適だ。PCで作ったスライドを移動中や飯を食いながら見たり練習したりすることはよくあると思うけど、PowerPointアプリでみるには読み込みが重いし、PDFにするのは面倒だ。
それがQuipだとチャットを開くくらいのスピード感ですぐ見れる。全画面で見ることもできるし、下記のように縦に並べてザーッとスクロールさせて見ることもできる。
感覚的にはNewsPicksのスライド解説記事を見ているかのようだ。
スマホからはスライドの編集はできないが、スライドへのコメントはできる。
PowerPointやGoogleスライドでも機能的には同じことができるけど、スライドを開くのにまず時間がかかり、コメント自体も面倒なので、Googleドキュメントだとまだ使うが、スライドの場合は共有に利用したチャットツール側でレビューしてしまうことが多い。
Quipの場合はチャット機能も日常的に使うため、普段のメモに対するコメントやディスカッションの流れと同じようにスライドのレビューやスライドにまつわる議論ができる。できそうでできていなかったことができるようになった感じだ。
スライドの参照に快適さを求めることは長いこと諦めていた。快適に見るためにPDFに変換することも普通の作業になっていた。その当たり前な諦めに手を付けて、なんとなくではなくガチでスライド機能をつけたQuipはなかなかすごい。
参照が快適になることがこんなにラクなのかと、スライド作成機能の足らなさも自分の中では吹き飛んでしまった。
ちなみに、Quipで作ったスライドはGoogleスライドとかと同じようにリンク共有もできるのだが、スマートデバイスから見るにはアプリが必要で、講演資料の共有には多少敷居が高い(Salesforce界隈なら別にいいか、とも思っているけど)。
ただまあ、これだけ快適なら自分が作るスライドはみんなこれでもいいかな、とか感じさせられる体験だった。スライドの作成機能を試して「まだこれでは使えない」とか思わずなんか作り切ってみることは大事だな。
Quip使っているならオススメです。