じゃれ愛
彼女と家で二人きりの時、暇さえあれば僕は卑猥な単語を連呼する。確実にしつこすぎる長さで連呼する。「キンターマ、キャンターマ、キャンタマーニャ」など、三段活用もする。メロディにだって乗せる。
ウケると思って。
実際、彼女は笑う。最初は全然笑わなくてもしつこく言い続けていると、根負けしたように笑う。
ザコシ(ハリウッドザコシショウ)やゆりやんなどがそうだが、一回だけだと「ふーん、それで?」と笑えないようなボケでも、それを本域でしつこくしつこく続けられると臨界点に達して「いつまでやるねん!笑」と笑えてくるタイプの笑いがある。
僕の卑猥ワード連呼はその部類。
でも当然、彼女以外の人にはそんなことはしない。別にしたいとも思わない。下手にやって叩かれるのも怖い。
彼女に対してだけ、無性に仕掛けたくなる。
まぁだからこそ17年も仲の良い関係が続いているんだと思う。
そのくせ夜の営みは年に数回なのだが。
愛とは、なんぞや。
(おわり)
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