コミュニティの成長を阻害する4つの失敗要因
はじめに
どうも、コミュニティトラベラーのやのしんです。
「コミュニティトラベラーって何やねん」と思うでしょうが、要は「色んなコミュニティにちょこちょこ顔を出す遊牧民的な人」です。
僕の本業はすごくざっくり言うと「友だちを沢山つくること」なので、それを達成するために様々なコミュニティが運営するイベントに出まくっているのです。
どれくらいかと言うと、2020年は年間300本以上のイベントに参加しました。どれも基本的に参加者間の交流があるようなイベントです。
また、オンラインサロンにも複数所属しています。
現在だと「議論メシ」「ROOM」「先生の学校」の3つですが、過去には「PROGRESS」「Wasei Salon」「シェア街」「WORKSHOP DESIGN ACADEMIA」にも所属していた時期があります。
あと、自分でイベントを主催したりもします。
「LikbeBar」というイベントの運営に携わっていたり、僕が軸足を置いているサウナについての活動では単独主催することもありますし、「はじまり商店街」と共催することもあります。
※ ※ ※
まぁそんな感じでコミュニティを色々見ていくうちに、「このコミュニティは育っていくな」とか「ここはダメっぽいな」とかが徐々にわかってきたんです。
「コミュニティにおける成功とは何なのか」の回答はそれぞれ異なりますが、「コミュニティにおける失敗とは何なのか」にはある程度の共通する回答があると思っていて、例えば「内輪で閉じていて新規が入ってこない」とか「メンバーがコミュニティに対して支払うお金に見合うリターンを得られていない」とかは明確に失敗だと僕は思います。
というわけで「どんな形が成功かはわからないけど、こういう状態だと失敗するよ」とある程度言うことが出来そうなので、お節介ながらそれについて書いていきます。
※ ※ ※
【失敗要因①】運営がメンバーの気持ちを想像出来ていない
ぶっちゃけ全てがこれに帰着します。これさえきちんと出来ていれば基本的には失敗しません。
運営の人が陥りがちなのが、「自分がしたいことの実現」に囚われてしまうことです。
もちろんそれは大事なことなんですけどね、コミュニティにおいては「皆がついて来てくれるか」どうかが大事じゃないですか。
そこで「どうやったら巻き込めるか」という問いが生まれるわけですが、そこについて考えが及ばない運営の人も多いですし、考えが及ぶ人でも「"自分が参加者だったら"止まり」の人も多いんです。
要するに「様々な性質の参加者を巻き込むデザインが出来ていない」んです。
結果的に一部の人にしか満足してもらえないコンテンツを提供してしまうことになってしまって、停滞していってしまうというようになりがちです。
「自分のやりたいことをやること」と「多くの人がついて来てくれること」のバランスをうまく取ったコンテンツデザインを心がけたいですね。
※ ※ ※
【失敗要因②】内輪ノリが出すぎる
これはもう最悪ですね。
新参者として未知のコミュニティに参加する機会の多い僕的にはこれをされるのが一番キツくて、「こんなとこ二度と参加するか」って思います。
コミュニティの新陳代謝を阻害する一番の要因ですね。循環が極端に悪くなります。
まぁ、内輪ノリって自然と生まれてしまうものだとは思うんですよ。
コミュニティに所属する時間が長くなれば顔なじみも出来て、キャラも確立されてくるし、共通用語も生まれてきます。
ただ、それを発動して楽しいのはあくまで内側の人間だけです。
新参者からしたら1mmも面白くないっていうか、疎外感を感じるだけです。
なので、発動して良い場かそうでないかは運営もメンバーも強く意識しなければならないことです。
とはいえメンバーがうっかり内輪ノリを出してしまうことはありがちなことなので、そこで運営がきっちりコントロールしなければなりません。
内輪の用語が出てきたときは「これってこういう意味なんですよ」って解説を挟むとか、内輪ノリが発動しかけたら「初参加の人が引いとるで!笑」的なことを明るく言うとか、とにかく運営は「馴染みのメンバーと等しく新参のメンバーも尊重しているよ」というのを明確に示してあげる必要があります。
新しい場に顔を出す人のほとんどは、内心で不安を抱えているものですから。
※ ※ ※
【失敗要因③】実験していない
コミュニティには「こうすれば成功する」という虎の巻的なものはありません。(と、僕は思っています)
だからこそ、「実験を繰り返していってより良くし続ける」努力をする必要があるのです。
実験の具体的なステップとしては「仮説⇒検証⇒考察」です。
これをどんどん回していかないと、コンテンツがメンバーに徐々に飽きられていってしまいます。
特に変化しないことを良しとするメンバーが一定数いるのも事実ですが、僕の肌感覚では「コミュニティに良い刺激を与えてくれるメンバーほどマンネリ化に敏感」です。
自分が楽しむためにも、皆が楽しむためにも、実験しまくってマイナーチェンジを重ねていくことが成功への近道だと思います。
※ ※ ※
【失敗要因④】フィードバックのもらい方が上手くない
これは【失敗要因③】とつながることでもあるんですが、より良いものに改善していくためにはメンバーからのフィードバックがあった方が良いじゃないですか。
まぁそもそもフィードバックをもらおうとしていない運営とかも結構いるんですが、何でやらないのか聞いてみたいですね。
で、まぁ何かしらコンテンツを提供したとき、わかりやすいフィードバックのもらい方として「アンケート」があるわけですが、このアンケートのデザインを雑にしてしまうところが非常に多いですね。
それこそ「アンケートを書く側の気持ちに立っていない」ものが多いです。
そこが出来るか出来ないかで、ただの満足度調査で終わってしまうのか、コミュニティをより良くするアイデアの宝庫となるかが変わって来ると思います。
改善点を気軽に書いてもらうように誘導する構成にすることだったり、より多くの人に回答してもらうためにアンケート記入時間をイベントの中に組み込んでしまうとか、イベントの最後に「このイベントをより良くするには?」というテーマで10分くらいグループディスカッションする時間を作るとか、まぁやり方は色々あると思います。
運営が自分たちで考えることは基本中の基本ですが、メンバーだってめちゃめちゃ良い意見をくれるポテンシャルを秘めているわけですから、リスペクトをもって効果的なフィードバックをもらった方が結果的に自分たちの負担も減ると思います。
※ ※ ※
おわりに
と、こんな感じで今回は「コミュニティを育てたいならこの辺りを気を付けた方が良いよ」というものを書いてみました。
個別に見ていけば色んな要素を洗い出すことができますが、あらゆるコミュニティに共通して言えるものでいまパッと思いついたものはこの4つでした。
もっとちゃんと考えたら他にも出てきそうな気がするので、今後も加筆・修正していくと思います。たぶん。
面白い友だちが作れる場所がたくさん出来たら、僕はうれしいなぁ。
もしめちゃめちゃ満足して頂けるようなことがあれば!