20歳、おめでとう
きょうは成人の日_______。
成人の日なんて、成人式なんて、所詮は通過儀礼に過ぎなくて。それぞれのタイミングで、それぞれの「大人」が始まっているんだと思う。
今年は成人式ができなかった。開始寸前で中止になった。オンライン開催になった。自ら参加を見送った。
「成人式なんて、あってもなくても私は大人なんだから」
無理に自分を納得させて、今は我慢なんだ、我慢しない人は悪なんだと何度も何度も言い聞かせて。
ある人は憧れだった衣装を着れなかった。ある人は久しぶりの旧友との再会も果たせなかった。
初恋の人、元恋人、多感な時期を共に過ごした人ともう一度出会えるのは、もしかしたらきょうだけだったのかもしれない。
どんなに会いたくて、愛していても、
「じゃあコロナが落ち着いたら会おうね」
これが口癖になった。なんだか社交辞令にも聞こえて、少し寂しくなった。
我慢しても、我慢しても、また我慢。
最前線で戦う医療従事者、経営に苦しむ飲食店…挙げだせばキリがないけれど、自分の行動が誰かを苦しめると思うと、どう動くにも複雑で。
学ぶ場も、働く場も、遊ぶ場も、先輩方よりもずっと制限された一年だった。
綺麗事なんて言いたくないけれど、私は心から、20歳の皆さんを誇らしく思う。
あなたの周りの大人は、あなたよりも長く生きてきた。けれどこの状況は、みんな初めて。
みんなが初めてのこの状況で、大人も子どもも、自分の身は自分で守らなければいけなかった。
そんな一年を過ごしたあなたは、とっても強い。自分を思い切り褒めてね。
大人や世の中が信頼できない人もいるかもしれない。ごめんね。けれど少しだけ、世の中を元気にさせる人になってくれたら。
あなたが生きて、少しでも誰かに愛を向けてくれたら。
20歳、おめでとう。