見出し画像

「命の期限」公開されました

こんばんは。
いよいよ年末が近づいてまいりましたが皆様お元気でしょうか?
私はおかげさまで波はありつつも元気になってきました。ここ数年で一番元気じゃなかろうか?

12/5に作詞・イラスト・動画を担当させていただいた初音ミク「命の期限」が公開されました。
作曲は寒川ことは様。改めて本当にありがとう。

寒い今ですが、寂しさの中に爽やかな夏の風を感じる素敵な曲です。
まだの方は是非聴いていただけたら嬉しいです。

今回はこの作品についてお話させてください。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、昨年私は先住猫を看取りました。
「命の期限」はそんな愛猫との別れを綴ったものです。

名前はチー坊。旅立つ数日前。

誰かにとっての大切な存在は、人間だったり、犬だったり、うさぎや爬虫類だったり。
たまたま私のそれは猫だっただけにすぎません。私はこれまでの人生のほとんどを猫と過ごしてきました。
何度か別れも経験しました。その中であの子は本当に私にとって特別な猫だったと思います。1人暮らしを始めて数年、ようやく実家にいたあの子を迎えに行けると思った矢先のことでした。
命の期限は突然知らされます。
まだ8歳になっていないあの子は重い腎臓病に侵されていました。
猫の腎臓病は一般的に直す術がまだなく、一度発症してしまえば進行を遅らせることしかできません。回復する見込みはほぼゼロのようなものです。
残されたわずかな時間を、私は彼を引き取り共に過ごすことにしました。

それでも、私はまだ一緒にいられると思っていました。末期の腎臓病でも数年生きた子もいると聞いていたから。
だけど若いからか進行は中々止まってくれませんでした。
主治医から夏を越えるのは厳しいと宣告されました。一時期容態が危うい時もありました。
それでもあの子は生きた。精一杯生きた。越えられない夏を私と一緒に生きてくれた。

最後の数日間には、私は夏が終わる時チー坊もいってしまうと何となく悟っていました。一日が過ぎるたびに、「夏が終わってしまう」と苦しくて悲しくてしょうがなかった。こんなに精一杯生きようとしているのに、病はこの子を連れて行こうとするんだと。
泣いてばかりの私に、あの子は穏やかに私を見つめていました。まるで「しょうがないな」と言っているかのように。
人間の私よりも彼ははるかに大人で、全てを分かっているかのようでした。

9/1の明け方。あの子は旅立ちました。夏の終わり、まだまだ暑さが残る日に。

あれからずっとずっと心に重石があるようでした。
あの子の姿を探しても、どこにも見えません。新たな家族と過ごす幸せな時間の中でも、時々「あの子はどこにいるんだろう」と思ってしまって。

その後ご縁あって「命の期限」を完成させると決めてから、作品制作の時間はあの子と向き合う時間になりました。
楽しかったこと、悲しかったこと、全てに思いを馳せて描き起こそう。泣きながら描くときもありましたが、不思議とつらくありませんでした。
そしてようやく完成した時、私はあの子に会えた気がしました。悲しかったことよりも、あの子と過ごした時間はこんなにも幸せだったんだと。
私の長い夏はきっとようやく終わったのだと思います。

いつかまたあの子に会えたら、たくさん話をしよう。
嬉しかったことも悲しかったことも全てが宝物だったと伝えたい。
そして、その宝物がふえたらあの子はまた穏やかに耳を傾けてくれる気がしました。

猫がゆっくり瞬きをするのは愛情表現。
「大好きだよ」「愛しているよ」
私に何度もゆっくり瞬きをしてくれていたあの子がいる場所が、あたたかく光に満ちた場所でありますように。

ありがとう。
また会おうね。

ふっくらしていた時を思い出しながら描きました。
右下に特別ゲスト。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?