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親の願い

息子(長男)の話です。
私は、彼の言葉で、忘れられない言葉があります。息子は、小児喘息でした。幼い時、夜中に救急車で、何回か運ばれました。

そこで、息子が、小学校一年生の時、町の道場で、柔道を習わせました。何故、柔道か、それには、3つの理由がありました。

先ずは、喘息を治す為、次に、いじめられないため、最後に、私の運動不足解消のため。私も昔、柔道していたので、経験者のお父さん達も、先生に混じって、子供を教えていたからです。初めて、道場に連れていった時、息子は、お兄ちゃん、お姉ちゃん達の柔道着姿を見ました。息子は、あの白いの、僕も着たい!と言ってくれました。体も大きかったので、先生達も大歓迎でした。見学初日にして、練習参加となりました。小学校一年生で、身長140くらいありました。小学校の集団登校で、迎えに来てくれる、六年生よりも大きかったんです。さあ、彼は、6年間、柔道を続けました。

でも元々、性格が優しい子なので、決して強くは、ありませんでした。そして、いよいよ、中学生に上がる時、彼は、テニス部に入りたいと、言いました。私は、うん、いいよ。と、言葉では言いましたが、心の中では、柔道続けて欲しいな、と思っていました。道場での最後の練習が終わり、翌日、お別れ会がありました。

その場所で、先ず、6年生の親が、一人一人、子供に対して、スピーチをしました。よく頑張った、中学でも、頑張ろうなどなど。

私の番に、なりました。感激屋さんの私は、涙を堪えて(泣いていましたが。。。)、息子に、6年間よく頑張った、ありがとう。ただ、中学でも、柔道続けて欲しいなと、伝えました。

親のあとは、子供達のスピーチです。みんな、素晴らしいスピーチでした。そして、いよいよ、息子の番です。彼は、驚くべき言葉を口にしました。

彼は、

「僕は、中学でも、柔道続けます!」

私は、嬉しくて、涙が止まりませんでした。うちの地区の中学は、柔道の強豪です。やっていけるか心配な面もありましたが、顧問の先生が、素晴らしい人格者でしたので。先生にお任せしました。息子は、スクスク成長しました。めでたく、柔道初段も取りました。184cm、135kg。。。体格だけは、オリンピック選手級です。。。回転寿司行った時、45皿食べました。。。締めに、うどん食ってました。。。ただ、中学の大会で、肩を大怪我(手術)してしまい、高校は、柔道部がない学校に通って、今は調理師専門学校に通っています。彼は、調理師になりたいと、頑張っています。父として、応援したいと思います。

ただ、あの時、息子が柔道を続けると言ってくれた、あの言葉。

私は、生涯、忘れないでしょう。

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